中堅社員が離職する理由と対策は?退職の兆候や起こりうる損失を解説

中堅社員の離職は、会社の業務面と社員の感情面の両方でダメージの大きいものです。立場のある社員の離職は大きな影響を及ぼすため、事前に対策しておきましょう。ここでは、中堅社員が退職を考える兆候や原因を紹介し、離職を防止する7つの方法を解説します。

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中堅社員が離職するときにみられる兆候

中堅社員は業務量が多かったり、責任のあるポジションであったりすることが多いものです。本人も人知れず負担やプレッシャーを感じているかもしれません。

周りは「急に辞めた」と思っても、実は以下のような離職の兆候がみられる場合もあります。

・仕事への熱意がみられなくなった

・残業をしなくなった

・会社組織への不満や改善点を言うことが増えた

社員が離職を考えるときのサインを知っておけば、対策をすることで引き止められるかもしれません。3つの兆候を具体的に詳しく見ていきましょう。

仕事への熱意がみられなくなった

中堅社員が離職を考えている兆候の一つに、仕事への姿勢の変化があります。以前は熱心に仕事をしていたのに、以下のような様子が見られるなら、離職を考えているのかもしれません。

・発言が減った

・話や相談をしても上の空である

・挨拶をしなくなった

・最低限の仕事しかしない

現在の仕事はほどほどにこなしつつ、すでに次の仕事を見据えて動き出している可能性があります。以前と比べて仕事への熱意が減ったと感じたら注意が必要です。

残業をしなくなった

会社にいる時間が減ってきた中堅社員も、離職を考えている可能性があります。具体的には以下のような場合があります。

・よく残業していたが定時で帰るようになった

・有給休暇をとることが増えた

・遅刻や早退が増えている

残業してまで今の仕事をすることに価値を見出せなくなっているのかもしれません。転職活動の時間を取るために、有給休暇の取得や遅刻・早退をしている可能性もあります。

会社組織への不満や改善点を言うことが増えた

会社の方針や待遇についての不満を口に出すようになった場合も、離職の可能性を考える必要があります。現在の会社で今後も仕事をしていくのであれば、少しの不満は心にとどめたり、折り合いをつけて諦めたりする人が多いでしょう。しかし、口に出して言うようになっているのは、「もう我慢できない」と限界を感じている表れと考えられます。

不満に対処することで本人にとって働きやすい環境となり、満足して離職を踏みとどまる可能性もあります。一方、会社による対処の素振りが見られなければ、見切りをつけてそのまま離職してしまうかもしれません。

中堅社員が離職する理由

中堅社員が離職する主な理由には以下のものがあります。

・給与・待遇面の不満

・仕事に対するやりがいの欠如

・人間関係の悪化

・評価への不満

・会社の将来性への不安

・業務量が多いことによるストレス

中堅社員は業務量や責任など業務の負担が大きいものです。負担に見合った待遇や評価を得られていないと感じていれば、よりよい条件の会社への転職を考えるのは自然なことでしょう。

ルーティンワークや業務の多さからやりがいを感じられなくなったという場合も考えられます。中堅社員は経営層や管理職と部下との板挟みになりやすいポジションでもあります。さまざまな要因からストレスがたまっているかもしれません。会社の状況から、将来性に不安を感じている可能性もあります。

離職を考える理由や程度は人によって異なります。しかし、原因となる可能性のある例を知っておくことで、対策の選択肢も増えるでしょう。

給与・待遇面の不満

仕事の負担と給与・待遇が釣り合っていないことは、離職の原因の一つです。具体的には、常に忙しく負担が大きいわりに給与が少ない、サービス残業が多いなどがあります。

中堅社員ともなれば、責任やプレッシャーも大きくなっているでしょう。いくらやりがいがあったとしても、仕事の負担に見合った給与や待遇を受けられなければ転職を考えるのは自然なことです。

同業他社で働く同年代と比べて年収や待遇の差が大きい場合も、転職を考える人が多いでしょう。これまで不満に思っていなかったとしても、差に気付いて不満を持つようになることも考えられます。

仕事に対するやりがいの欠如

中堅社員はさまざまな仕事を振られることが多くあります。業務の経験が多く作業スピードも速いため、同じ業務であれば若手社員よりも迅速に片づけられるでしょう。

しかし、こうしたことが繰り返されると、中堅社員の仕事の大部分をルーティンワークが占めることにもなりえます。中堅社員にとっては、自分が行う意義のない単調な業務ではやりがいを感じられなくなるかもしれません。やりがいの欠如はモチベーションの低下につながります。よりやりがいのある職場への転職を考える社員も出てくるでしょう。

人間関係の悪化

仕事そのものではなく、人間関係の問題から離職を考えることもあります。経営層や管理職と部下との間で板挟みになっている、周りの社員との折り合いが悪い、成果を求めるあまり足の引っ張り合いとなりギスギスした職場となっているなどの場合が考えられます。

気の合う人もいれば、どうしても相容れない人もいるものです。一人ひとりの性格や気持ちが影響する人間関係は、仕事のように画一的に対策をしたからといって改善するとも限りません。解決できない不満をため込んでしまい、疲れてしまったことから離職する人もいるでしょう。

評価への不満

自分が正当に評価されていないという不満も、離職を考える原因の一つです。中堅社員ともなると、同期の社員であっても給与や待遇面で差が開いていることも多くあります。

周りと比べて自分は正当に評価されておらず、相応の給与や待遇を得られていないという不満を抱えているかもしれません。この点が改善されなければ、相応の待遇で迎えてくれる職場を探そうと転職活動をする中堅社員もいるでしょう。

会社の将来性への不安

会社の業績や将来性に不安を感じて離職を考える人もいます。中堅社員であれば、会社の状況をある程度把握できる立場にいることも多いでしょう。自社を客観的に評価したり、業績を分析したりすることで、転職したほうがいいと判断することもあります。

優秀な人ほど自社の状況をシビアに判断し、よりキャリアアップできる職場を選ぼうとするものです。経済の状況や制度の変化が激しい中で、時代の波にうまく乗れていない、乗ろうとしていない会社に対しても見切りをつけて、より柔軟に変化できる会社に転職することも考えられます。

業務量が多いことによるストレス

仕事の量が多いことをストレスに感じ、離職を検討する人もいるでしょう。中堅社員は部下を持つこともあり、マネジメントを行う必要性も出てきます。部下の仕事をサポートしながら自分の仕事もこなす必要があり、心身ともに負担は大きくなるでしょう。

ストレスがたまると前向きに業務に取り組めなくなり、心身に悪影響をもたらします。よりストレスなく働ける職場に転職しようと考えるかもしれません。

中堅社員の離職が会社に与える悪影響

中堅社員の離職は、会社や他の社員にさまざまな悪影響を与えるでしょう。具体的には以下の影響が考えられます。

・中堅社員の離職による業務負担の増加

・離職ドミノの危険性

・採用コスト・育成コストの増加

社員が離職した分の穴埋めを残った社員が当面行わなければならず、全体的な業務負担の増加が考えられます。離職した中堅社員に影響力のある場合や、職場に潜在的な問題がある場合は、次々と社員が辞めていく「離職ドミノ」が起こるかもしれません。ほかにも、新たな人材の採用・育成にもコストがかかるなど、さまざまなデメリットがあります。

中堅社員の離職による業務負担の増加

中堅社員が離職した場合は、当面の間は残った社員でカバーしなければなりません。これまで問題なく回っていた業務が、中堅社員の離職によって回らなくなることも考えられます。

中堅社員は業務量が多く、重要度の高い仕事を任されていることが多いものです。そのため、離職した場合のダメージは大きいでしょう。残った社員は従来の仕事に加えて、離職した中堅社員が行っていた業務を行うことになるため、一人ひとりの業務負担が増えます。

その結果、残った社員の不満や心身のストレスが発生する可能性もあります。

離職ドミノの危険性

中堅社員の離職をきっかけに、他の社員も辞めていく「離職ドミノ」が起こる可能性もゼロではありません。残った社員は業務負担が増えたことで疲弊してしまい、離職を考えるかもしれません。

また、中堅社員が辞めるにはそれなりの理由があると考えられ、会社自体がなんらかの問題を抱えている場合もあります。そのため残った社員も、中堅社員の離職が日々の不満が爆発するきっかけとなり、次々と辞めていく可能性もあります。

離職していた中堅社員を慕っていた社員がいれば、自分も辞めたいという感情を抱くかもしれません。

採用コスト・育成コストの増加

社員が離職すれば、新しい人材を採用する必要があります。

しかし、中堅社員と同様に仕事のできる人材を見つけることは難しいでしょう。そのため、よりよい人材を見つけるための採用コストや、戦力として活躍できるようにするための育成コストがかかります。とくに、中堅社員と同じレベルで仕事ができるようになるには莫大なコストがかかるでしょう。

中堅社員の離職を防ぐ方法

中堅社員の離職はさまざまな影響を及ぼすため、離職防止のための対策を取る必要があります。対策の例には以下のものがあります。

・密接にコミュニケーションをとる

・業務の割り振りを見直す

・人事評価制度を見直す

・キャリアプランをわかりやすくする

・研修を取り入れる

・成長できる環境を提供する

・中堅社員の意見を会社の改善に役立てる

日頃のコミュニケーションから会社へのエンゲージメントや人間関係を強くし、「今後も働き続けたい」と感じられるような職場にすることで、離職を防止できるでしょう。会社の取り組みによって改善できることが多いため、それぞれの項目ができているかを見直してみましょう。

密接にコミュニケーションをとる

中堅社員の離職を防ぐ方法の一つに、コミュニケーションの改善があります。人間関係は離職を考える理由の一つであるため、社員同士が良好な関係を築ければ離職の防止につながります。

中堅社員は上層部と部下の板挟みとなることが多く、孤独やプレッシャーを感じていることもあります。そのため、中堅社員の上司が気にかけたり、会社全体がフラットな雰囲気になるように働きかけたりすることも方法の一つです。

普段あまり接点のない社員同士がコミュニケーションを取れるように、社内イベントを行うことも一つの方法です。しかし、「休みは自由に過ごしたい」「社内イベントがあまり好きではない」という人もいるでしょう。自社の風土や社員の性質に合わせて、ツールを用いることも検討しましょう。

Uniposは気軽に前向きなコミュニケーションが取れるツールです。オープンなスペースで社員同士が感謝の気持ちを伝えられます。お金に相当するポイント「ピアボーナス」を添えたり、他の人のやり取りにも拍手をおくったりできます。

立場を問わずフラットなやり取りができるため、管理職や経営層にとっても使いやすく感じられるでしょう。普段はなかなか接点のない人と関われるため、わざわざ伝えに行くと大袈裟になるような感謝の気持ちも自然に伝えられるでしょう。このような何気ないコミュニケーションが良好な人間関係につながり、穏やかな気持ちで働けるようになるでしょう。

Uniposを導入して活発なコミュニケーションを実現した、GMOメディア株式会社の事例も参考にしてみてください。

GMOメディア流・ボトムアップでコミュニケーションを活性化させる仕掛けとは | 導入事例

業務の割り振りを見直す

できる限り社員一人ひとりに合った業務を割り当てることで、やりがいを持つことや負担の軽減につながります。「ルーチンワークが多くやりがいがない」「業務の負担が大きすぎる」と感じている社員は、より自分に合った職場を探そうとするかもしれません。

業務の割り振りを見直すことで、仕事への姿勢やモチベーションが改善される可能性はあります。適切な割り振りをするためには、ヒアリングや面談などで一人ひとりとコミュニケーションを取ることが大切です。得意な分野やキャリアプラン、性格や考え方など、さまざまな要素からよりよい割り振りを行うことが理想的です。

人事評価制度を見直す

社員の人事評価制度を見直すことも、離職を防ぐ方法の一つです。自分の仕事や頑張りに見合った評価を受けられなければ、無力感や無意味さを感じて離職を考える可能性もあります。

人事評価制度を見直して、透明性の高い評価基準を周知し実践することが大切です。どのような行動や成果がどのように評価されるかが明確になれば、納得して仕事ができるでしょう。努力の方向も明確になり、モチベーションの向上にもつながります。

キャリアプランをわかりやすくする

仕事を続けることでどのようなキャリアが待っているかを明確にすることも、離職への対策に効果的です。会社の将来性や自分のキャリアに不安を感じている中堅社員は多いでしょう。将来をはっきりと見通せないと、「このままこの会社で働いていていいのか」と迷ってしまうことも無理はありません。

そこで、人事評価制度とともにキャリアプランについてもわかりやすく周知することで、社員は努力の方向性がわかります。自分の目標を見つけて努力することもでき、モチベーションの向上につながるでしょう。

研修を取り入れる

それぞれの社員が成長できるように、研修を行うことも考えましょう。社員が将来性を不安視するのは、自分が成長できるのかわからないという理由もあります。そこで会社が研修を行うことで、社員の成長の機会を設けられ、社員も自分の成長を実感できるでしょう。よりよい成果を出したり、新たな知識を吸収したりするのに役立ちます。

社員が伸ばしたいスキルを選べる選択型の研修を取り入れることも効果的です。それぞれの社員が伸ばしたいスキルを選べるため、意欲的に取り組むでしょう。

成長できる環境を提供する

成長できるような環境を提供することで、離職への思いを断ち切れるかもしれません。中堅社員は業務に慣れているため、日々の仕事の繰り返しでは成長を感じられないと思っているかもしれません。このような状態はやる気やモチベーションの低下につながるでしょう。

ルーティンワークとなってしまっている担当業務を減らし、やりがいのある新たな仕事を任せることで、中堅社員は成長の機会を得られるでしょう。

中堅社員の意見を会社の改善に役立てる

中堅社員の意見に耳を傾け、活かしていくことも大切です。不満を改善することで離職を防止できる可能性があります。もし意見を出した社員が離職してしまったとしても、同じような不満を持つ社員の離職を防止できるかもしれません。

さらに、「自分の意見をもとに改善してもらえた」という経験は、自信や自己効力感にもつながります。自発的に発言や提案をして、業務や環境を改善したいという気持ちになるかもしれません。

原因を解消して中堅社員の離職を防ごう

中堅社員は業務経験が豊富で、責任のある立場に就いていることが多いため、離職によるダメージは大きなものです。中堅社員の離職は、付け焼刃の対応では防げません。「この会社で今後も働きたい」と感じてもらえるように、満足して働ける職場の環境を整えましょう。

中でも日頃のコミュニケーションはすぐに取り組める課題です。そこでオススメしたいツールがUniposです。気軽に楽しく使えて、コミュニケーションの増加が期待できます。社内の連帯感や部署間のスムーズな連携など、コミュニケーションの改善につながるでしょう。Uniposの導入によって離職率を大きく改善させたオールハウス株式会社の例もご参照ください。

Unipos導入で離職率が大きく改善、売上1億円アップという予想外の効果も

待遇や評価制度は会社による対応はできますが、コミュニケーションは社員の協力や共感がなくては改善が難しい分野です。ぜひUniposを導入して、中堅社員の離職を防止しましょう。