社員のモチベーション向上は必要?上がらない理由や成功事例も紹介

社員のモチベーションを向上させることは、企業の成長に不可欠です。社員のモチベーションが低い会社は生産性が低下し、早期離職につながる可能性もあります。

今回は社員のモチベーション向上がなぜ必要なのかを説明し、モチベーションを上げる施策や成功事例をご紹介します。社員のモチベーションアップの具体的施策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

社員のモチベーション向上はなぜ必要?

社員のモチベーション向上が必要なのは、次のような効果が期待できるためです。

  • 生産性が高まる
  • 離職を防止する
  • 企業のイメージが良くなる

モチベーションが低い状態では仕事に対し積極的に取り組めず、生産性が下がります。やりがいを感じられず、離職につながる可能性もあるでしょう。そのような事態を避けるためにも、社員のモチベーション向上は大切です。

モチベーション向上が必要な理由について、さらに詳しくみていきましょう。

生産性が高まる

社員のモチベーション向上は、生産性を高めて業績アップにつなげるためです。モチベーションが低い場合、仕事を積極的にやる気が起きず、業務がスムーズに進まない可能性があります。自ら学び成長する意欲も乏しくなり、スキルも身につきません。集中力が欠けた状態になるため仕事のクオリティは下がり、ミスも起こりやすくなるでしょう。モチベーションが向上すれば、仕事への取り組み方も変わります。自ら積極的に業務への工夫をこらし、仕事の質を高めるでしょう。意欲的に働く社員は明るく、職場の雰囲気も変わります。社員間のコミュニケーションも活発化し、新しいアイデアが生まれやすくなります。

離職を防止する

モチベーションの向上は離職防止にもつながります。モチベーションアップにより仕事への熱意が増すことで、会社への帰属意識や愛社精神といったエンゲージメントが高まるためですモチベーションの低下により会社への帰属意識が薄れると「より自分に合う会社があるのではないか」と思うようになり、転職を考えるようになります。人材不足の時代に優秀な人材が流出すれば、新たに雇い入れるのは難しくなるでしょう。採用コストがかかるうえに教育のための時間・コストも必要になり、会社にとっては大きな損失ですモチベーションアップで会社の定着率が高まれば、このようなコストの負担を免れます。

企業のイメージが良くなる

モチベーション向上により、企業のイメージも高まります。モチベーションの上がった社員は主体的に仕事へと取り組みます。商品・サービスの質に与える影響も大きく、顧客からの信頼や評価も高まるでしょう。企業イメージのアップは業績にも結びつきます。また、社員の定着率が高いことも、優良企業として企業イメージを高める要素になります。

社員のモチベーションが上がらない理由

社員のモチベーション向上はいくつものメリットがありますが、現実には社員のモチベーションが低い会社も少なくありません。モチベーションが上がらない理由は、評価や待遇に不満がある、人間関係や職場環境が良くないなどさまざまです。仕事内容に満足できず、モチベーションが上がらないこともあるでしょう。

ここでは、社員のモチベーションが上がらない理由について解説します。

評価や待遇に不満がある

仕事に対する評価や給与などの待遇に不満があれば、仕事へのモチベーションは下がります。仕事自体に不満がなくても、頑張りが評価されない・待遇が悪いといったことがあると「会社から期待されてという気持ちになる可能性もあるでしょう。また、残業が多いなど労働環境が悪い場合もモチベーションが下がります。その結果、より高く評価されて待遇面の良い、労働環境が整った会社へ転職したいと考えることにもなりえるでしょう。

人間関係や職場環境が良くない

待遇や労働環境に問題はなくても、人間環境や職場環境が良くないとモチベーションを下げる原因になります。

上司との関係が悪ければ、組織に貢献しようという気持ちは薄れるでしょう。同僚との交流がない職場では仕事の情報共有もうまくいかず、業務がはかどりません。業務の合間に会話などをしてリラックスすることもできず、悩みの相談もできないでしょう。精神的に安らげない職場では、モチベーションも上がりません。

仕事内容に満足できない

仕事内容に満足できない場合も、当然ながらモチベーションは下がります。仕事に満足できない状態は、主に次のようなケースが考えられます。

  • 自分の適性に合っていない
  • 仕事量と給料が見合わない
  • 本来やりたかった仕事ではない
  • 仕事に慣れてマンネリ化している
  • 仕事をしている意義・目的が見いだせない
  • 社会の役に立っているという感覚がない

毎日携わる仕事には、なんらかのやりがいや成長できる要素、何かの役に立っているという手応えが必要です。そのような感覚を抱けないと、モチベーションを下げることになるでしょう。

そもそもモチベーションとは何か?

社員のモチベーション向上を考える前提として、そもそもモチベーションがどのようなものなのかについて考えてみましょう。モチベーションには内発的動機付けと外部的動機付けの2種類があり、どちらにアプローチするかでモチベーションの効果は変わります。ほかにも、モチベーションアップに役立つ理論は複数あります。

ここでは、モチベーションとは何かについてみていきましょう。

モチベーションには2種類ある

モチベーションは、外部的動機付けと内発的動機付けの2種類があり、両方から影響を受けるとされています。外発的動機付けは、外部から与えられるものをきっかけとして意欲を持つことです。例えば、給与を上げる、昇格・昇給するといった外的要因をきっかけにモチベーションは高まります。反対に、給与を下げる、降格するなどのペナルティを設けるのも外発的動機付けになるでしょう。外発的動機付けは高い効果をもたらしますが、目標を達成したらそれで終わりであり、一時的なものです。長期的なモチベーション維持の効果はあまり期待できません。一方、内発的動機付けは外部要因とは関係なく、自身の中にあるなんらかの要因がきっかけで意欲を持つことです。「楽しい」「興味がある」「仕事を覚えたい」といった、個々に異なる動機づけがあります。自分の気持ちが変わらない限りモチベーションは維持されるため、長期的な効果が期待できます

瞬発的なモチベーションアップが必要なときは外発的動機付けも有効ですが、社員のモチベーション向上を長期的に図りたい場合は、内発的動機付けが重要です。

モチベーションアップに役立つ理論

モチベーション向上の施策を考える際は、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱したマズローの欲求5段階説も役立ちます。

人間の欲求は以下の5段階に分かれ、低次の欲求を満たすことで、より高次の欲求へと意識が向かうという理論です。

  1. 生理的欲求:食事や睡眠など、生きていくために必要最低限の欲求
  2. 安全の欲求:経済的・衛生的に安心・安全な暮らしをする欲求
  3. 社会的欲求:友人や家庭、組織から受け入れてもらいたい欲求
  4. 承認欲求:周囲から認められ、尊敬を得たい欲求
  5. 自己実現の欲求:自分の可能性や能力を発揮したい欲求

1から3までの欲求は、一般的な企業であれば満たされているといってよいでしょう。社員のモチベーションを向上させる施策を検討する際は、4と5の欲求が満たされているかを確認することが必要になります。適正な評価制度が整っているか、社員の能力が最大限発揮できる人員配置が行われているかなどを検討するとよいでしょう。ほかに、モチベーション向上を考える際に役立つ理論として、アメリカの心理学者ロックが提唱した目標設定理論があります。目標が人のモチベーションに及ぼす効果について着目した理論です。本人が納得している目標であれば、曖昧な目標より明確な目標のほうが、簡単に達成できる目標よりも難易度の高い目標のほうがモチベーションを高めるというものです。さらに、早い段階でフィードバックを行うことで、目標設定の効果はより高まり、モチベーションアップの効果も高いとされています。適切な目標設定と定期的なフィードバックにより、社員のモチベーションを高められるでしょう。

社員のモチベーションを確認する方法

社員のモチベーション向上を図る際には、まず現状の確認が必要です。現在のモチベーションはどの程度か、モチベーションが上がらない原因は何かを確認することで、具体的な施策を検討できます。

社員のモチベーションを確認する方法としては、従業員満足度調査とモチベーション管理システムの利用という2つがあげられます。

それぞれの内容をみていきましょう。

従業員満足度調査を行う

従業員満足度調査とは、福利厚生や職場環境、仕事へのやりがいなど従業員の満足度を計測する調査です。従業員満足度が高いほど、社員は企業の理念やビジョンに共感し、モチベーションをもって業務に取り組んでいることがわかります。

従業員満足度調査の実施で判明した問題の改善に取り組むことで、労働環境の改善や社員のモチベーションアップにつながります。従業員満足度調査はテンプレートなどを利用し、アンケート形式で実施できます。専門家がアンケート設計を監修しているサービスのものを選べば、従業員満足度の分析に必要な情報が揃っており、自社で設計する手間がありません。自社独自の内容でアンケートを実施したい場合は、アンケート項目を自社で設計できるテンプレートもあります。

モチベーション管理システムを利用する

モチベーション管理システムを利用し、社員のモチベーションを計測することもできます。モチベーション管理システムとは、アンケートやストレスチェックなどのツールが搭載されているもので、社員のコンディションを管理するシステムです。

社員の状況を把握するためのアンケート調査やデータ分析、1on1ミーティングの自動化といった機能があります。システムにより社員のコンディションを把握することで、モチベーションを向上させるためのフォローや環境整備を図れるのがメリットです

モチベーション管理システムはさまざまなタイプが提供され、システムごとに得られる効果は異なります。導入する際は、モチベーション低下の原因究明なのか、モチベーション向上のためのフォローが必要なのか目的を明確にしておきましょう。目的にかなった効果が得られるかを確認して選ぶことが大切です。

社員のモチベーションを上げる施策

社員のモチベーションを確認して原因を究明したら、その原因を解決してモチベーションを上げるための施策を考えなければなりません。

主に、企業理念やビジョンを浸透させる、待遇や職場環境を変えるなどの施策があげられます。原因によっては、人事評価や人員配置の見直しを検討すべき場合もあるでしょう。

社員のモチベーションを上げる6つの施策についてご紹介します。

企業理念やビジョン・行動方針を共有する

モチベーションアップには、企業理念やビジョン・行動方針を共有することが大切です。理解を深めることで何を目的に仕事をするのかがわかり、モチベーションを高められます

理念やビジョンがわからない状態のままでは、仕事を行う意義もよく理解できず、モチベーションが上がりません。企業理念やビジョンを共有しているつもりでも、実際には浸透していないこともあるでしょう。

社員アンケートなどで理念やビジョンの理解が足りないという結果が出た場合、経営トップからメッセージを発信する、研修を実施するなど、浸透させるための施策を考えましょう。

待遇や職場環境を変える

社員に待遇や職場環境に不満がある場合は給与体系や福利厚生など現状を確認し、不備がある部分を改善しましょう。

近年はワークライフバランスを重視する傾向にあり、プライベートを大切にしたい人も増えています。残業が多い、休日が少ないといった労働環境であれば改善する必要があるでしょう。

社員の残業時間や有給休暇の取得率などをチェックし、働き方の見直しをしていくことも大切です。

人事評価を見直す

仕事に対する評価に納得できずモチベーションを下げている状況がある場合、人事評価の見直しが必要です。評価基準が明確か、評価の指標に偏りがないかを確認しましょう。

人事評価が昇給・昇格に結びつかない場合も、モチベーション低下の原因になりえます。どれだけ高い評価を得ても昇給しない場合、多くの社員はやる気をなくしてしまうでしょう。

評価者によって評価結果が変わるような運用も、社員の不満につながります。評価者に評価についてのスキルがない場合、目立ちやすい特徴に引きずられてほかの評価が歪められる「ハロー効果」が起こる可能性もあります。評価基準を明確にし、同僚や後輩社員による「360度評価」を取り入れるなど、社員の納得が得られる評価制度にする方法も検討してみましょう。

適性やスキルに合う人員配置を行う

仕事内容に対しモチベーションが低下している場合、人員配置の見直しも必要です。能力が発揮できるポジションに配置するためには、社員の適性・スキルを正確に見極めなければなりません。一人ひとりが具体的にどのような能力を持っているかのデータをまとめ、分析しましょう。

ただし、多くの企業では社員のキャリアデータは保有していても、スキルデータを持たないという実情があります。自社の状況を確認し、人員配置に活かせるスキルデータがない場合には、まず収集することが必要です。

人員配置の実施後は、異動先のポジションでモチベーションが高まっているかの効果検証も必ず行いましょう。

管理職の養成に力を入れる

社員のモチベーション向上には、管理職の養成も欠かせません。待遇や人員配置の見直しなどの施策を行っても、現場で社員を指導する管理職に十分なマネジメント能力がなければ、効果を発揮できないでしょう。また、管理職には正当な評価が下せるスキルも必要です。

マネジメントする側である管理職は、部下のお手本となります。部下のモチベーションを高めるには、自身のモチベーションをあげることも必要になるでしょう。

また、部下の適性を把握し、一緒に目標設定を考えることも大切です。目標達成自体は部下である社員自身が行いますが、上司は部下の適性や能力から適切な目標かどうかを見極め、モチベーションを高められる目標設定ができるようサポートしなければなりません。

部下とのコミュニケーションを良好に保つことも、社員のモチベーション向上にとって重要です。いつでも相談できる関係性を築いていかなければなりません。上司と部下との関係が円滑であれば職場の雰囲気も良くなり、社員のモチベーションも上がるでしょう。

ピアボーナスを導入する

人間関係に問題がある、社内コミュニケーションがうまくできていないなどの問題がある場合、ピアボーナスの導入も効果的です。ピアボーナスとは、社員同士が成果や貢献に対して報酬をプレゼントし合うシステムです。

スマホアプリや社内チャットツールから、評価や感謝をおくりたい相手にポイント・メッセージをおくって称賛します。集まったポイントは景品などと交換でき、称賛を受けた社員は多くの報酬を獲得できるという仕組みです。

ピアボーナスで称賛を受け取った社員はモチベーションを高め、さらに仕事を頑張ろうと意欲を高めるでしょう

ピアボーナスを通じ、社員同士のコミュニケーションも生まれます。社内コミュニケーションの活性化は職場を明るくし、さらにモチベーションを高めるという相乗効果も発揮します。

ピアボーナスは、評価が可視化しにくい仕事の成果を評価できるのもメリットです。事務職など裏方の業務で評価されにくい仕事は、モチベーションも上がりにくいでしょう。しかし、ピアボーナスで感謝・称賛されることにより、モチベーションを高められます。

「Unipos」はピアボーナスの浸透をサポート

ピアボーナスのサービスは各社から提供されていますが、おすすめしたいのは使いやすさ・お役立ち度・サービスの安定性でNo.1の評価を得ている「Unipos」です。Uniposは、感謝や称賛のメッセージにポイントを添えて投稿できるシステムです

メッセージの投稿は全社員がリアルタイムに閲覧できるため、隠れた貢献が可視化され、社員のモチベーションも高まるでしょう。

個人だけでなく多数のメンバーやチームへも、一気に偏りなくUniposをおくれるため「良いチーム」を可視化することにより、組織・チームを活性化できることもメリットです。

貯まったポイントは少額の金銭やSDGsを支援するための寄付、オリジナルの景品など、社風や企業文化に合わせて設定できます。

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社員のモチベーション向上に成功した事例

社員のモチベーション向上を図る施策をどうすべきか迷う場合、成功事例をみるのもおすすめです。モチベーションアップの必要性・重要性を理解し、本格的に取り組んでいる企業は少なくありません。

公正な人事制度の創設や感謝を伝え合ってモチベーションを高めるなど、取り組み方は企業ごとに異なります。

社員のモチベーション向上に成功した事例について、ご紹介します。

【公正な人事制度でモチベーションアップ】栗田工業

栗田工業は、水処理薬品や水処理装置など幅広い事業を行う会社です。同社は公正な人事制度を設け、社員のモチベーション向上を図っています。一般社員・管理職のすべてが人事評価の対象となっており、面談により社員が自らの成果や課題を上司とともに確認し、評価の透明性と公平性を確保しているのが特徴です。

また、栗田工業では自己申告制度を設けており、社員のモチベーション向上につなげています。自己申告制度とは、担当業務と職場に関する自身の捉え方や能力開発に関する意向を会社に表明する制度です。

上司と社員は年1回、現在の業務に対する適性や将来のキャリア形成について話し合います。異動希望や家族の状況などを話し合うことで会社は社員の考えを理解し、人材育成や組織の活性化に役立てます。

まとめ

社員のモチベーション向上は会社の生産性を高め、離職を防止するなどのメリットがあります。しかし、評価や待遇に不満があったり人間関係が悪かったりすれば、モチベーションは下がり、さまざまな弊害をもたらします。

職場に活気がない、離職が多いといった事情がある場合、社員のモチベーションが下がっているのかもしれません。原因を分析し、モチベーション向上の施策を検討しましょう。その際は、社員同士で称賛をおくりあえるピアボーナスUniposの利用もおすすめです。

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