
実施ウェビナー概要
・2020年7月30日開催
・タイトル:「Withコロナ時代の働き方改革・新常識」
・登壇:浅間商事株式会社・代表取締役社長・柳沢太一氏、日本マイクロソフト株式会社・Microsoft 365 ビジネス本部・春日井良隆氏、Unipos株式会社・代表取締役社長・斉藤知明
今後のウェビナー情報はこちらよりご確認いただけます
https://unipos.peatix.com/view
コロナ危機を経て働き方は大きく変わりました。テレワークが急速に普及し、オフィスはリアルからクラウドへと移行しつつあります。
オフィスのあり方の変化に伴って、従業員間のコミュニケーションもまた変化を迫られています。リアルだったからこそ可能だったコミュニケーションをクラウドでどう代替していけば良いのか。多くの企業がこの難しい課題に取り組み、悩んでいます。
そこで今回、2020年7月30日にUniposウェビナー「Withコロナ時代の働き方改革・新常識」を開催。
Microsoft Teams(以下、Teams)を活用していち早くデジタル化を進めスムーズにクラウドオフィスへの移行を実現した
浅間商事株式会社の代表取締役社長・柳沢太一氏と、日本マイクロソフト株式会社でTeamsのマーケティングを担当する春日井良隆氏をゲストにお迎えし、
Unipos株式会社 代表取締役社長 斉藤知明と共にWithコロナ時代におけるオフィスとコミュニケーションのあり方について講演を行いました。
クラウドオフィスへの移行を成功させた浅間商事、Teamsの導入でコミュニケーション量と速度が4倍に
ウェビナーではまず、浅間商事の代表取締役社長・柳沢氏より同社における働き方改革の実践例が語られました。
浅間商事は創業59年を迎える複合機・PC・ネットワークの総合商社です。現在は2016年に代表取締役社長に就任した柳沢氏のもと、クラウド時代の総合IT商社として事業構造の改革を進めています。
同時に働き方改革にも積極的に取り組んできた浅間商事は、以前から社内のデジタル化・クラウド化を推進していました。
「そのおかげで、2020年4月に発令された緊急事態宣言を受けて全社員に原則テレワークを実施した後も、社内システムやマネジメントスタイル、評価制度などを慌てて変えることなく対応できました」(柳沢氏)
また、世間でテレワークが一般化したことで複合機の需要は激減してしまったといいますが、浅間商事ではテレワーク関連の商談が急増したことで結果的に増収増益を果たしたそうです。
そんな浅間商事の従業員はテレワークの効果をどのように感じているのでしょうか。
従業員を対象に行ったアンケートによると、従業員の約50%が「テレワークで仕事の効率が上がった」と回答しており、約30%が「テレワークでも仕事の効率が変わらなかった」と回答。一方で「テレワークで仕事の効率が下がった」と感じている従業員も約25%いたそうです。
「テレワークで仕事の効率が下がったと回答した社員は紙が残るコーポレート部門に多かったです」(柳沢氏)
Withコロナ時代において柳沢氏が目指すのは「リアルオフィスからクラウドオフィスへの移行」だといいます。どこにいても働くことができるクラウドオフィスには多くのメリットがあり、これからのVUCA時代に最適なオフィスの形だと柳沢氏は考えているそうです。
コロナ禍以前からデジタル化を進めてきた浅間商事ですが、その背景にはコミュニケーションや情報伝達スピードに関する課題感があったといいます。
「浅間商事の拠点は4つ、本社フロアも4つあり、1拠点ワンフロアの会社ではありませんでした。さらに従業員はフィールドセールス・サービスが8割で、朝夕以外は事務所に誰もいない状態でした」(柳沢氏)
当時の浅間商事はいわば“ノマドの個人野武士集団”だったと柳沢氏は言います。彼らをまとめ、ノウハウを共有して稼げるチームにするためにどうすればいいのか。そこで柳沢氏が行ったのがデジタル化によるコミュニケーションと情報伝達の改革でした。
具体的には2013年、全従業員を対象に、法人スマートフォンと共にOffice 365を導入し、Exchange、SharePoint、OneDriveを展開、さらに2017年には、当時リリースされたばかりのTeamsを展開し、課題に感じていたコミュニケーション量と情報伝達速度は「体感で以前の4倍になった」といいます。
浅間商事では現在、全支店マネージャー会議や販売者学習会などをTeamsで実施しています。従業員間のコミュニケーションも活発に行われており、先輩社員が後輩に仕事についてアドバイスするような光景も当たり前に見られるといいます。社長決裁やマネージャー決裁についてもTeams上で行うようにしているため、稟議がスピーディーに進み、ビジネスがさらに加速する効果を生んでいるそうです。
新入社員の定着のしにくさと部門間不和の課題をUniposで解決
浅間商事では2019年10月からUniposも導入しています。その背景にあったのは新入社員がなかなか定着しない状況と、部門間における不和だったといいます。
「新たな課題を解決するためには、働きがいのある職場をつくることが必要でした。そのためにはバリューが大事なのではないかと考え、2019年にバリューを制定しUniposを導入したのです」(柳沢氏)
Uniposを導入した結果、現在ではバリューが社内に浸透しつつあり、社員間の感謝・尊敬のメッセージが増加したといいます。さらにテレワークが始まって以来、互いに何をやっているのかがわかりにくくなった状況でも、Uniposがあることで他メンバーの貢献を知ることができ、離れて働く社員同士の信頼関係構築にも役立っているとのこと。結果、新入社員の定着や仕事への取り組みといった部分にも、良い影響が見られるようになったそうです。
ピアボーナスサービスのなかでもUniposを選んだ理由について柳沢氏は次の3点を挙げます。
・UIがシンプル
・ピアボーナス配布代行してくれるので運用の手間がかからない
・Teamsと連携できる
TeamsとUniposを導入した経験から、柳沢氏はこれからの時代を「ビジネスチャット必須の時代」と分析しています。
「弊社では社内メールは原則禁止しています。メールは手間やスピード、誤送信が起きる可能性があることからチャットに劣るからです。数年後にはビジネスチャットが使えない人は今でいうメールが使えないくらいの人になってしまうという危機感が必要です」(柳沢氏)
さらに柳沢氏はTeamsやUniposの運用を成功させるために「心理的安全性」の重要性を強調。心理的安全性とは、チームメンバーが不安を感じることなく安心して発言・行動できる状態のことを指します。心理的安全性を高めることでメンバーは自由に発言しやすくなり、TeamsやUnipos上でのコミュニケーションはより活性化します。
また、経営層やマネージャーがTeamsやUniposの使い方に口を出しすぎるとメンバーが萎縮して使いづらくなる恐れがあります。そうならないよう、柳沢氏は「経営層は口を出しすぎないようにして、まずはやってみる、やらせてみることが大事」だと説明しました。
それでも従業員全員がTeamsやUniposを使ってくれるとは限りません。しかし、柳沢氏は「全社員が使えなくても良いのです」と言います。
「2割が積極的に使えば下の6割がついてきます。どうしても使えない2割を待っている余裕はありません。全員が使えなくても、それだけで会社の生産性は高まります」(柳沢氏)
最後に柳沢氏はまとめとして、「今後リアルオフィスからクラウドオフィスへの移行が加速していく」こと、それに伴って「情報共有やコミュニケーションがクラウド上で行われるようになる」こと、そして「対面できない状況のなかで円滑に仕事をすすめるためには心理的安全性が重要である」ことを述べ、前半の講演を締めくくりました。
クラウドオフィスで従業員が信頼関係を築き、生産性を高めるために必要なこととは
ウェビナー後半は、国内でTeamsを提供する日本マイクロソフトの春日井 良隆氏も登壇。Unipos株式会社 代表取締役社長 斉藤知明がモデレーターを務め、3名によるパネルディスカッションを実施しました。
最初のテーマは「生産性の高いチームの定義はコロナ危機を経てどう変わったか」。
斉藤はまずBeforeコロナにおける生産性の高いチームを「速く、安く、ミスのないチーム」と定義し、それがAfter/Withコロナでは「模索・挑戦し、失敗から共に学び変化に対応できるチーム」に変わってきたと説明しました。
コロナ禍以前から後者を実践しているのがまさに浅間商事です。柳沢氏は「もともと浅間商事もトップダウンの組織でした」と明かし、「時代が変わり、いろいろなIT商材を扱うようになって、現場の知識を取り入れて経営する必要が出てきました。そのためには双方向のコミュニケーションが大切なので、上下関係のないフラットな組織を作りたいと考えました」と思いを語りました。
その上で「(組織づくりは)一朝一夕でできることではなく、自分が会社に入ってから6年かけて少しずつ進めてきました」と説明。初期の頃から実践していた施策として、「社長も会長も新入社員も、皆『さん』付けで呼ぶこと」を紹介しました。
生産性を上げるためにTeamsなどのツール導入が効果的であることはウェビナー前半で柳沢氏が述べた通りですが、一方で導入を推進してもなかなか浸透しない従業員がいることも事実です。
その対策として春日井氏は「組織の中でTeamsのデジタルツールを活用するためには機能的な話だけでなく、文化や制度、働く環境づくりなどを同時に行っていく必要があります」と説明し、マイクロソフト自身も「3代目のCEOが就任した際に『我々は変わらなければならない』と宣言したことから、会社の雰囲気が大きく変わった」ことを明かしました。
続いてのテーマは「クラウドオフィスで生産性を高めるコミュニュケーションのあり方」。
このテーマについて春日井氏はコロナ禍の影響の大きさに触れ、「今年の2月までは『DXやウェブ会議はいつかやらなきゃ』と漠然と捉えていた企業がほとんどだったと思います。しかし、3月から4月にかけて急遽それらを使わざるを得ない状況になり、いまでは各社がメリットとデメリットを実感しているのが現状です」と分析。
特にコミュニュケーションについてはオンライン化によるデメリットもあると述べ、「マイクロソフトでは、オンラインのコミュニケーションが全てに渡って、対面式のコミュニケーションに勝っているとは考えていません。今後は、オフラインとオンラインを状況や目的で使い分けていくという方向に変わっていくでしょう」と見解を示しました。
一方で、オンラインコミュニュケーションの核となるビジネスチャットについて柳沢氏は「現場の感覚だとまだ使っていない企業も多い」と問題を提起。この点について斉藤も同意し、「弊社でも外部とのやりとりはまだメールが主流」と社内外でギャップが生じている現状を明かしました。
これに対して春日井氏は「マイクロソフトでも、社内メールを禁じているわけではありません。社内コミュニケーションの7〜8割はTeamsに切り替わっている感がありますが、社員全員に対して通達を一斉配信するときはメールやYammerを使うこともあります」と説明。
その理由として「Teamsは所属部署やプロジェクトチームのようなスモールグループでのコミュニケーションに向いています。社員全員に知らせたいときはYammerの方が向いています。LINEとTwitterの違いに似ています」と説明しました。
最後のテーマは「クラウドオフィスで上司部下・同僚同士が信頼関係を築くには?」。
このテーマについて柳沢氏は「遊びを認める文化」が重要だと強調。「これまで働くことは辛く苦しいものという価値観だったと思いますが、今は楽しく働くという価値観に変わってきています。楽しく働くためには、ちょっとした“遊び”が必要。遊びがないと挑戦も成長もできません」と説明しました。
また、文化を浸透させる方法について柳沢氏は「火を絶やさない」ことと、そのために「盛り上げてくれる社員を応援する」ことが重要だと述べます。そうやって小さな火を大切にすることで、いつのまにか仲間が増え社内に文化が定着していくそうです。
これに斉藤も同意し、「信頼関係の前に仲間意識を共有する“親和関係”を築く必要があります。そのためには遊びの部分やネガティブな感情の共有も大切で、そこから信頼関係につながっていきます」と持論を展開。また、リアルオフィスでは直接のコミュニケーションや飲み会などが親和関係の構築に一役買っていましたが、クラウドオフィスではそれが難しいため、「会社として仕組みをつくっていくべき」だと主張しました。
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オフィスがリアルからクラウドへ移行するのに伴って、社内コミュニケーションのあり方も大きく変化します。今回のウェビナーを通して、クラウドオフィスで信頼関係を築き生産性を高めていくためのヒントが得られたのではないでしょうか。
<登壇者プロフィール>
浅間商事株式会社・代表取締役社長・柳沢太一氏
立教大学法学部を卒業後、グロービス経営大学院MBA修了。IPAセキュリティプレゼンター。沖電気工業株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社を経て、祖父が創業した浅間商事株式会社に入社。二児の父。
日本マイクロソフト株式会社・Microsoft 365 ビジネス本部・春日井良隆氏
岐阜大学を卒業後、大沢商会を経て、アドビ システムズに入社し、リリースされたばかりのAfter EffectsとPremiereを育てる。 2007年にマイクロソフトに入社し、ExpressionやSilverlightを立ち上げる。2009年からUXやHTML5のエバンジェリストを務めた後、2015年よりWindows、2018年よりMicrosoft 365のマーケティング担当担当となって今に至る。
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変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるための「Uniposウェビナー」とは
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働く仲間同士、異なる部門同士、企業と個人が相互理解を深めたら、組織はもっと強くなる。「あなたの組織を一歩前へ進めるUniposウェビナー」は、変化に対応できる強くしなやかな組織をつくるためのウェビナー。コロナ危機をきっかけに2020年5月開始し、毎回数百名の方にご参加いただいています。
組織課題解決やSDGsのプロ、識者、実践者を毎回ゲストにお呼びし、予測不可能な時代を生き抜く組織のあり方を共に考え、実践のヒントをお伝えします。みなさまお誘い合わせの上、お気軽にご参加下さいませ。
▼過去ウェビナー参加者様の実際の声
「経営陣や上層部に対してのアプローチに悩みを持っておりましたが、今回の講演で素敵なヒントをいただくことができました。どうもありがとうございました。」
「今まで何度か同テーマのセミナーに参加しましたが、一番腑に落ちる内容が多いセミナーでした。 又、参加させて頂きたく思います。」
「いまプロジェクトを担当していますので本当に助かりました。」
「いくつものヒントをいただけて、同じように悩んでいる方が大勢いることもわかりました。今は、さぁどこから手をつけようか、と前向きに考えています。」
「目から鱗で感動しました。」
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