
「職場で1on1に取り組んでいるけれどうまく回っていない、いい支援ツールはないだろうか?」
「1on1のツールを導入したいけれど、どれを選べばいいのかわからない」
そんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか?
1on1は2012にヤフーが導入したことから話題になった人材育成のメソッドです。
日本では新しい概念なので、支援ツールも他のビジネスツールに比べればまだ多くはありません。
が、ツールを使うメリットは確実にあります。
例えば、
◎頻繁に行うミーティングの管理がしやすい
◎人によって左右されがちなミーティングの内容を均質化できる
◎いつでもミーティングの内容を振り返ることができる
などです。
特に、「上司のコミュニケーション能力によって効果が大きく違ってしまう」という1on1の問題点を、ツールで解消できるのは大きな利点でしょう。
そこでこの記事では、
◾️1on1支援ツールおすすめ4選
を挙げ、それぞれのツールの特徴、スペックを説明します。
機能の比較表も作りましたので、選ぶ際に利用してください。
また、そもそもツールが必要なのか? どれを選べばいいのか? といった疑問に対しては、
◾️1on1支援ツールを導入するメリット
◾️ツール選びのポイント
で回答を示しましたので、社内で導入を検討する際の参考にしてください。
この記事を読んで、あなたの職場に最適な1on1ツールが見つかることを願っています。
1 1on1支援ツールを導入する意味とは?
1on1ミーティングを導入する企業が増えるにつれて、1on1の効果的・効率的な実施をサポートする支援ツールが出てきました。
が、ツールの導入にはもちろんコストがかかります。
「実際に導入する意味はあるのか?」
「ツールがなくてもやり方さえちゃんとしてれば、1on1の効果は変わらないのでは?」
と疑問や不信感から、導入に足踏みしている企業もあるでしょう。
そこでまず最初に、1on1支援ツールを導入する意義、メリットについて簡単に説明していきましょう。
1-1 1on1支援ツールの導入メリット
1on1支援ツールを導入することには、多くの意味、メリットがあります。
主なものを以下にあげますので、「これは自社にも役立ちそうだな」と感じたら、ぜひ導入を検討してみてください。
1-1-1 ミーティングの管理ができる
1on1ミーティングは上司と部下が1対1で行うものです。
ひとりの上司に対して複数の部下がいて、毎週〜毎月1回のミーティングを実施するとなると、そのスケジュール管理や実施内容の記録などは非常に煩雑になってしまいます。
1on1の管理のために多くの工数を割くようでは、通常業務を圧迫してむしろ効率の低下につながりかねません。
そこで活用できるのが支援ツールです。
◎スケジュールを可視化して管理しやすく、誰でもひと目でわかるようにする
◎面談内容を項目別に分けたり、アンケート化したりすることで、記入を簡略化する
といった機能が充実しているので、管理が容易になります。
1-1-2 ミーティングの内容を振り返ることができる
1on1を有効に行うためには、実施後に内容の振り返り(内省・リフレクション)を行うことが必須です。
ただ上司からアドバイスをもらうのではなく、部下が自分の体験や経験について自身で熟考し、見つめ直し、新たな発見をしたり改善点を見出したりするのが目的です。
ただ、ミーティング中にはそういった振り返りができていても、終わって少し時間が経つと忘れてしまって結局成長につながらない、という残念なケースもままあります。
そこで、1on1支援ツールが力を発揮します。
面談内容を記録することで、いつでも見直して思い出し、実践につなげることができるのです。
また、過去の面談内容の変遷をまとめて確認することもできますので、成長の経緯、目標達成の進捗状況なども見えてきます。
上司側も、たくさんいる部下との面談記録を一律のフォーマットで時系列的に確認することができるので、指導や評価に役立てることができるというメリットがあります。
1-1-3 ミーティングの内容を均質化できる
1on1の問題点のひとつは、「上司の能力によってミーティングの質が左右される」ことです。
また、上司と部下の信頼関係がどの程度あるかによっても、内容が充実するか、形式的に終わってしまうかが分かれます。
この問題も、1on1支援ツールによって改善できるのです。
◎面談フォームを作成することで、誰でも最低限必要で適切な質問を、漏らさず聞くことができる
◎事前に話したいことを記入するアンケート機能で、ミーティングでの会話がムダなく充実する
など、内容を均質化・底上げするための機能がさまざまあります。
これらをツールなしに行おうとすれば、上司に研修を受けさせたり、エクセルやカレンダーなど複数のソフト、アプリを使って業務フローを考えたり、上司も部下も面談記録の記入に時間を取られたりといった膨大な手間が発生してしまいます。
1on1をスムーズに導入するには、やはり支援ツールが便利なのです。
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1-2 1on1支援ツールの主な機能
では、1on1ツールにはどんな機能が備わっているのでしょうか?
以下に主な機能を挙げましたので、自社で導入する場合に必要な機能はどれか、判断する材料にしてください。
【ミーティング前に利用する機能】
◎カレンダー機能
1on1ミーティングの予定をカレンダーに入力して管理する機能です。
上司と部下が1対1で確認できるだけでなく、誰でも上司のミーティングスケジュールの全体を閲覧できルものもあります。
◎リクエスト機能
カレンダーを見て、上司の空き時間に部下からミーティング希望を出せる機能です。
◎リマインド機能
ミーティングの日時を忘れないよう、リマインドしてくれる機能です。
「毎週1回」「月に1回」など定期的に行う場合は、その周期を登録すればリマインドされるツールもあります。
◎面談フォーマット作成機能
人事部門や部門長などが、あらかじめ「これはかならず部下に質問してほしい」というトピックを記入することで、面談フォーマットを作成できる機能です。
ミーティング内容を均質化するのに役立ちます。
◎面談のトピックを事前に共有するアンケート機能
次回の面談で部下がどんなトピックを話したいのか、アンケートフォームに回答していくことで顕在化させる機能です。
部下が今どんな課題を抱えているのか、事前に自覚することができ、上司もそれを見て事前準備をすることができます。
【ミーティング中に利用する機能】
◎過去のミーティング記録の参照機能
過去のミーティングの記録をさかのぼって見ることができる機能です。
これを見ながらミーティングすることで、会話の内容が重複するのを防いだり、以前に時間切れで中断されたテーマについて話すことができるなど、限られたミーティング時間を最大限に活用できます。
◎目標の進捗管理、人事評価システムなどとの連携機能
1on1ツールとは別のビジネスツールで、目標の進捗・達成管理や、人事評価システムなどを導入している場合、それと連携できる機能です。
ミーティング中に、その部下の今期目標や評価などを参照しながら、部下の課題をより深掘りしていくことができます。
【ミーティング後に利用する機能】
◎ミーティング内容の記録機能
ミーティング後に、話した内容を記録しておく機能です。
対話をテキスト入力する方式の他に、事前アンケートをもとに記録シートが自動作成されるもの、項目にチェックする方式のものなど、記入の手間を簡略化できるツールがさまざまあります。
◎フィードバック機能
ミーティングの記録や、次回話したいトピックなどに対して、上司や第三者などからフィードバックできる機能です。
コメントを残すだけでなく、「いいね」やコインを送ることができるツールもあります。
【マネジメント分析機能】
◎実施状況の分析機能
1on1の実施状況を分析する機能です。
実際に行われたミーティングを集計し、全社、部署ごと、上司ごとの実施率、頻度などを見える化します。
定期的に実施することが重要な1on1において、目標通り実施されているかを測る指標になります。
◎トピックの分析機能
部下が話したいと思っているトピックや、実際に話されたトピック、結果の満足度などを集計、分析する機能です。
今後の1on1の内容をより充実させ、効果を最大化するためのデータ分析ができます。
◎目標管理機能
設定した目標に対して進捗状況を管理する機能です。
どの程度進捗しているのかを可視化し、遅れている部下に対しては1on1で改善方法に気付かせるよう誘導することができます。
【その他の機能】
◎スマートフォン対応
スマートフォンからも利用できる機能です。
外出先でもミーティングスケジュールを確認したり、思いついたトピックを忘れないうちにフォーマットに入力したり、気づいたときにすぐにフィードバックできて便利です。
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2 1on1支援ツールおすすめ4選
ではいよいよ、1on1支援ツールの中からおすすめのものを紹介していきましょう。
といっても、実は1on1に特化したツールは、他の種類のビジネスツールに比べてまだ数が多くはありません。
そのためこの記事では、主な製品4つを紹介します。
この4つの機能を比較した表を作成しましたので、選ぶ際の参考にしてください。
※各ツールのベンダーがホームページやリリースなどで公開している主な機能のみチェックしました。
ここに◎がない機能も備えている可能性があります。
また、機能がどんどん追加されているもの、導入企業の希望によりカスタマイズできるものなどもありますので、導入前にはかならず資料を取り寄せてください。
【1on1支援ツールおすすめ4種・機能比較表】
2-1 1on1navi
出典:1on1navi公式サイト
https://1on1navi.com/
【特徴】
1on1で得られた「気づき」をいつでも登録、上司や同僚からフィードバックをもらえる
1on1に特化したツールとして、ミーティングで得られた「気づき」と、それに対するフィードバックを重視しているツールです。
スマートフォンにも対応しているので、部下はいつでもどこでも気づきがあればツール上に登録できます。
それを公開することで、上司やチームメンバーからフィードバックをもらい、コメントや「いいね」を交換することが可能です。
「気づき」の項目設定はカスタマイズできるので、自社の業務に沿った振り返りができるのもメリットです。
また、個々人の目標と進捗状況も公開し、同様にコメントを公開できる「目標共有」機能や、1on1実施状況のレポート機能なども備えています。
【1on1naviのポイント】
・1on1で部下が成長することに特化したシンプル設計
・「気づき」項目がカスタマイズ可能
・気づきや目標の公開範囲が設定できる
・今後は効果測定などの機能も拡充予定
【研修・サポート】
別途、1on1導入研修、PMデザインコンサルティングもあり
【料金】
初期設定料:一律 150,000円
月額利用料:50名以内 50,000円(税別)
51~100名 1000円/1人× 利用者数
101~200名 900円/1人× 利用者数
201~300名 800円/1人× 利用者数
301~400名 700円/1人× 利用者数
401~500名 600円/1人× 利用者数
501名以上 500円/1人× 利用者数
【運営会社・公式サイト】
株式会社 アジャイルHR(Agile HR Corporation)
https://agilehr.co.jp/
2-2 HITO-Linkパフォーマンス
出典:HITO-Linkパフォーマンス公式サイト
https://www.hito-link.jp/performance/
【特徴】
目標達成のために1on1を活用したい場合に最適!OKRとフィードバックの統合ツール
組織と個々のメンバーが同じ目標を目指す「目標管理」のフレームワークであるOKRと、そのためのフィードバックを統合したツールです。
1on1に特化したものではありませんが、OKRの中で1on1を実施する際に使える機能を備えています。
目標の進捗とともに、1on1ミーティングのアジェンダをアンケートとして共有することができます。
特徴的なのはフィードバック機能。
上司やメンバーからのコメントを送ることができるのはもちろん、お互いがいつでも気軽に「フィードバックコイン」を送ることができ、その数を人事評価などの参考にすることができます。
【HITO-Linkパフォーマンスのポイント】
・気軽に送れる「フィードバックコイン」などフィードバック機能が充実
・ミーティングのアジェンダをアンケート形式で提出できる
・目標の進捗とフィードバックの結果を統合できる
・初期費用なし、1アカウント500円/月と低コスト
【料金】
OKR・1on1プラン
1アカウント 500円/月
【運営会社・公式サイト】
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
https://www.persol-pt.co.jp/
2-3 Wistant
出典:Wistant公式サイト
https://www.wistant.com/
【特徴】
事前アンケートからミーティングのアジェンダを自動作成するなど、1on1の質を高める機能が満載
目標管理、1on1、フィードバックのサイクルを適切に回し、マネジメント分析を加えて「ピープルマネジメント」を実現することを目的としたツールです。
1on1の事前にアンケートフォームに記入して話したいトピックを選択すると、自動で「1on1シート」が作成され、それを見ながらミーティングすることで、より深く充実した対話が可能になります。
また、ミーティングの周期設定、リマインド、管理者からのトピック指定、議事録機能、カスタマイズ可能なフィードバックシート、1on1の実施率やトピックの分析など、1on1の質を高めるための機能が多彩に備わっています。
【Wistantのポイント】
・事前アンケートをもとにアジェンダ化した「1on1シート」を自動作成
・管理者からも1on1のトピックを指定できる
・フィードバックシートがカスタマイズ可能
・Chatwork、Slack、Talknoteなど外部ツールと連携可能
【研修・サポート】
オプションプランとして以下も選択可能
・初期導入サポート
・ピープルマネジメント研修
・システム設定代行
・1on1研修
【料金】
ベーシックプラン(システム利用のみ・サポートや研修なし)
月額 980円(税抜)/1人
【運営会社・公式サイト】
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
https://www.persol-pt.co.jp/
2-4 TeamUp
出典:TeamUp公式サイト
https://www.wistant.com/
【特徴】
会話項目テンプレートに沿ってトピックを事前記入する、1on1初心者でも使いやすいシンプルなツール
会話項目テンプレートと360度フィードバックを中心にしたシンプルなツールです。
事前に部下が会話項目テンプレートに記入して上司に提出、それにしたがって1on1を行うので、初心者でもスムーズに対話が進みます。
ミーティング後にはテンプレートにトピックに上司からフィードバックするだけでなく、360度フィードバック機能で多方向からのフィードバックを得ることができるのも特徴です。
それをもとに評価がスコア化されるので、成長度合いを客観的に見つめることができ、1on1の効果を実感しやすいのが特徴です。
【TeamUpのポイント】
・会話項目テンプレートに従って1on1初心者でも適切な対話ができる
・テンプレートは自由にカスタマイズ可能
・360度フィードバック機能でより客観的な評価が集まる
・余分な機能を省いて1on1の実施にフォーカスした使いやすいシンプル設計
【研修・サポート】
1on1実施研修、サービス導入説明会などの研修オプションもあり
【料金】
~20名 20,000円 / 月
21~50名 35,000円 / 月
51~100名 55,000円 / 月
101~150名 75,000円 / 月
151~200名 95,000円 / 月
201~250名 115,000円 / 月
251名~ お問い合わせください
(初期費用無料)
【運営会社・公式サイト】
チームアップ株式会社
https://www.teamup.jp/corporate
3 1on1支援ツール選びのポイント
では最後に、1on1支援ツールを選ぶ際に、重視すべきポイントを挙げておきましょう。
2章で紹介したツールは、この項目すべてを満たしている多機能のものもあれば、ミーティングとフィードバックに特化したシンプルなものもありますので、自社の業務にとって必要十分な機能を満たしているものを選んでください。
3-1 入力や管理がしやすいか
1on1を導入する際に懸念されるのが、時間と工数をとられることです。
それを短縮化・簡略化するために導入するのが支援ツールですので、ツール自体の操作が使いやすくて簡単であることがもっとも重要です。
無料トライアル期間を設けているツールも多いので、まずは社内の複数人で使ってみて、UIの使いやすさを確認してみましょう。
3-2 スマホやタブレットでも利用できるか
1on1においては、振り返りやフィードバックが非常に重要です。
そこでツールには、いつでも思い立ったときに書き込める気軽さが求められます。
スマホやタブレットに対応しているツールなら、外出先や空き時間を有効に利用できます。
3-3 SNSのように気軽にコミュニケーションが取れるか
事前にアジェンダを作成したり、ミーティング後にフィードバックをしたりするとき、長い文章を入力するのは大変な手間です。
それよりも、SNSのようにコメント形式でやりとりしたり、「いいね」を送ったりできる方が使いやすさは格段にいいものです。
特に上司以外にも多くのメンバーからフィードバックを集めたい場合には、コメントがしやすければしやすいほどよいでしょう。
3-4 データの集計・分析ができるか
1on1の結果を文章で記録しておくことは必須ですが、データとして集計・分析できればなおいいでしょう。
1on1の実施率や、どんなトピックが取り上げられたか、他者からの評価はどうだったかなど、データとして数値化・可視化することで、より客観的に振り返ることができます。
また、人事評価にも流用できるので、管理部門にとっても役立つ機能です。
3-5 コンサルティングや研修などのサポートがあるか
1on1をはじめて導入する場合、上司に正しいミーティングの進め方を徹底することがまず必要ですよね。
そのために、社内で研修をしたり、進め方についてのセミナーを受講したりする企業も多いでしょう。
1on1支援ツールのベンダーの中には、ツール導入に伴って1on1研修やコンサルティングサービスも提供してくれるところもあります。
「ツールを導入したいけれど、活用できるか自信がない」
「ツールを使い始めたが、ミーティングの質にバラつきがあるのが気になる」
など、ツールの利便性と1on1の質向上がうまく噛み合わない場合、こういったサポートがあると、ツールをより活用できるようになります。
「社内に1on1がまだ根付いていない」という場合は、研修サービスのあるツールを選ぶといいでしょう。
4 まとめ
いかがでしたか?
1on1ツールの機能や必要性について、深く知ってもらえたかと思います。
ではここでもう一度、記事の内容をまとめてみましょう。
◾️1on1支援ツールおすすめ4選は、
・1on1navi
・HITO-Linkパフォーマンス
・Wistant(ウィスタント)
・TeamUp
◾️1on1支援ツールの導入メリットは、
・ミーティングの管理ができる
・ミーティングの内容を振り返ることができる
・ミーティングの内容を均質化できる
◾️1on1支援ツール選びのポイントは、
・入力や管理がしやすいか
・スマホやタブレットでも利用できるか
・SNSのように気軽にコミュニケーションが取れるか
・データの集計・分析ができるか
・コンサルティングや研修などのサポートがあるか
あなたの職場の1on1ミーティングが、ツールによってより効率的・効果的に変わることを願っています!
毎日1分のマネジメント習慣で組織風土を改革するUniposとは?詳細資料ダウンロード