組織開発とは人間的側面のマネジメント!手法やヤフー成功事例を解説

組織開発について調べている方は「組織の運営がうまくいかない」とお悩みなのではないでしょうか。あるいは「もっと会社を良くしたいけど具体的に何をすべきかわからない」と、もどかしく感じているかもしれません。

そんな悩みに解決策を与えてくれるのが「組織開発」です。組織開発とは、組織のソフト面(人間的側面)にアプローチし、対話を通して協働型の組織づくりを目指す手法や考え方全般を表す言葉です。

詳しくは本文で解説しますが、組織にはソフト面(会社の雰囲気、価値観など)とハード面(システム、評価制度、組織の構造など)があります。組織開発は全社のソフト面にアプローチするのが特徴です。

「組織開発」という言葉から組織マネジメント全般を指すイメージがありますが、それは間違いです。組織開発は「Organization Development(OD)」の日本語訳。1950年代からアメリカで研究されている学術用語になります。

組織開発は、よりよい組織づくりのために大変有益な手法です。しかし、正しい知識なしに着手すれば、逆に組織を悪くしてしまう危険性もはらんでいます。

というのも、組織開発は目に見えない「人間的側面」にアプローチする手法であり、無知のまま行えば職場の人間関係を壊しかねないからです。

そこでこの記事では、組織開発に関わる基礎知識から、実践するための手法・注意点まで、企業で組織開発を行う前に知っておくべき情報をすべてまとめました。

具体的には、次のポイントをわかりやすく解説しています。

・組織開発とはそもそも何なのか?

・何のために行うの?

・どんな成果が得られるの?

・組織開発を取り入れている企業事例は?

・具体的な手法や失敗しないための注意点は?

最後までお読みいただくと、あなたの企業でどう組織開発を行うべきか、道筋が見えてくるでしょう。さっそく続きをご覧ください。

1.組織開発(OD)とは何か?定義と考え方

冒頭でも述べた通り、組織開発とはいろいろな手法や考え方全般を指す言葉です。「組織開発」というひとつの手法があると勘違いしている方がいますが、組織開発の手法はひとつではありません

組織開発は「Organization Development」の日本語訳です。略して「OD」とも呼ばれます。1958年頃にアメリカで誕生し欧米を中心に発展し続けている、理論と手法の集合体が組織開発です。

具体的なプロセスは「組織を良くするために、当事者として対話し現状に気付き、行動を計画して実行していく」のが基本です。

次項では、組織開発を深く理解するために3つのポイントを解説します。

1-1.組織開発は「人間的側面」をマネジメントする

組織開発の最大の特徴は、組織のソフト面である「人間的側面」にアプローチすることです。

 

組織には、ハードな側面とソフトな側面があります。

ハードな側面

ソフトな側面

組織の構造、戦略、業績、目標、システム、評価制度、業務の仕組み、社内規則など

社内の雰囲気、価値観、従業員同士の関係性、企業文化、コミュニケーションのあり方、上司部下間のパワー関係、ストレス、満足度など

ハードな側面は数字や文章などで明確化することができ、目に見えやすいものです。一方、ソフトな側面は、人々の心の中で起こっていて、目に見えにくいものです。

このソフトな側面=人間的側面を中心にマネジメントするのが、組織開発の真骨頂です。

職場の人間的側面で問題が起きていれば、ハード面でのマネジメントをどれだけ上手に行っても、業績は上がりません。それどころか、メンタルヘルスの問題や休職者・退職者の増加につながっていきます。

そこで、人間的側面の問題への対処可能にするのが組織開発です。

1-2.重要なキーワードは「対話」と「協働」

 

組織開発における重要なキーワードは「対話」「協働」です。「皆で対話をして現状に気付き、お互いにより協働できるように計画して実行する」というプロセスを重視します。

「対話」の狙いは、捉え方や思い込みに変化を起こすことです。できれば目を背けたくなる課題にも腹をくくって向き合い、当事者全員で対話をすることで、意識に変化が生じます。

もうひとつのキーワード「協働」は、組織開発が目指すゴールそのものと言っても良いでしょう。今、「仕事の個業化」がさまざまな業界で起きています。

個業化とは、仕事が細分化されて分業制となり、割り振られた一部分を一人で担当する傾向のことです。例えば、営業では一人ひとりが担当する顧客を持ち個人で対応を行います。システム開発では、担当するパートを細かく分けて割り振ります。

こういった個業化によって失われたチーム力を協働化によって取り戻すことは、組織開発のテーマであるといえます。

1-3.組織開発と人材開発の違い

「組織開発」と似た用語に「人材開発」があります。「組織開発が人間的側面にアプローチするなら、人材開発と何が違うの?」と疑問に思うかもしれません。

前提として、組織開発も人材開発も、あるひとつの手法を表した言葉ではありません。いろいろな理論や手法のひとまとまりに付けられたカテゴリ名です。

「人材開発」は対象となる個人に知識やスキルを与えることで、その人材のパフォーマンス向上を図るものです。

一方「組織開発」はアプローチする対象が個人ではありません。「組織の人間的側面」を対象としています。

一例として、具体的な手法を区分けすると下記のようになります。

カテゴリ

具体的に使われる手法

人材開発

Off-JT、OJT、新入社員研修、マネジメント研修、マナー研修、自己啓発、キャリア開発

組織開発

コーチング、AI、ファシリテーション、オフサイトMTG、ワールドカフェ、チーム・ビルディング、QCサークル

組織開発は、コーチングやオフサイトMTGなど対話を促す手法が多く使われます。しかし、その目的は個人に知識やスキルを与えることではなく、組織としての協働性を高めるためのものです。

一方、人材開発ではOff-JT(職場外での教育訓練)や各種研修など、各個人の知識やスキルを高めるための手法が多く使われています。ここに、組織開発と人材開発の大きな違いがあります。

2.組織開発の目的は協働型の組織で職場を良くすること

組織開発を行う目的は、協働型の組織づくりを通じて職場を良くすることです。

学術的には「組織の健全さ(health)、効果性(effectiveness)、自己革新力(self-renewing capabilities)を高めること」とされています。

それぞれの言葉の意味は、下記の通りです。

健全さ

一人ひとりのモチベーションが高く、お互いの関係性が良好で、職場や組織に満足している状態

効果性

一人ひとりの潜在力が発揮され、皆が協働している状態

自己革新力

職場や組織の現状に自分たちで気付き、自ら変えていける力が備わっている状態

このような要素の備わった組織ではチームワークや協働性が高まり、結果として組織の生産性を高めることにつながっていきます。

3.組織開発のメリットは人間的側面の問題にアプローチできること

組織開発のメリットは、既存の手法では成果が得られなかった「人間的側面で起こっている問題」にアプローチできるということです。

人間的側面で起こっている問題に、技術的問題を解決するときと同じ解決策を当てはめてもうまくいきません。

人間的側面の問題は、自分たちの問題は何なのか、当事者同士が対話をして探求し、対応策をともに考えて実行していく必要があります。

これを可能にするのが、組織開発というアプローチなのです。例えば、下記のような状況を経験したことはないでしょうか。

・理由ははっきりしないが退職者が増えた

・職場の雰囲気がなんとなく悪いと感じる

・なぜかチームメンバーの元気がない

このような根本的な問題がどこにあるのかはっきりせず、解決策がわからない状況こそ、組織開発の効果を実感しやすいでしょう。

組織開発を行えば、当事者である現場の社員とともに何が起きているのかを探求し、問題を発見して解決していくことができます。

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