離職防止につながる取り組みとは?離職に多い原因と効果的な対策を解説

労働人口の減少で人材確保が難しくなっている今日、離職防止の取り組みは重要です。離職が多い場合にはその原因を探り、対策を立てなければなりません。

本記事では離職防止の取り組みが必要な理由や7つの対策、離職の可能性が高い従業員を把握する方法などを紹介します。

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離職防止につながる取り組みはなぜ必要?

近年は少子高齢化により労働人口が減少し、人材不足に悩む企業は少なくありません。また、1990年後半以降は新規採用者の離職率が高く、大卒者の約3割が3年以内に離職する傾向が続いています。

優秀な人材が流出しないよう、離職防止の取り組みが必要です。

ここでは、離職防止につながる取り組みが必要な理由を解説します。

少子高齢化による人材不足

少子高齢化による人手不足の状態は、年々増加しています。2023年1月時点で人手不足を感じている企業の割合は、正社員で51.7%と高い数字です。特に飲食店や宿泊業などのサービス業は、人手不足が深刻な状況にあります。

今後も総人口が減少していくなかで高齢化率は上昇を続け、若者世代は減少していくと予想されています。

参考:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年1月)」

新入社員の早期離職が増加

厚生労働省の調査によれば、2019年の新規大卒就職者の3年以内離職率は、31.5%という数字です。20年近く、新規大卒者の約3割が3年以内に離職するという状況が続いています。

早期離職には採用のミスマッチが原因のひとつと考えられ、採用で人材を見極め、ミスマッチを減らすことが離職防止の課題となっています。

参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」

従業員が離職する原因

人材を確保して流出を防ぐためには、従業員が離職する原因を把握して分析することが必要です。

厚生労働省の調査によれば、離職の個人的理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」といった内容が男女ともに高い結果となっています。

ここでは、従業員が離職する原因として代表的なものを紹介します。

参考:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」

人間関係が良くない

人間関係の悪化は離職の大きな原因になります。上司や同僚、部下との関係など、原因となる人間関係の内容はさまざまです。

日頃から従業員の悩みを汲み取り、場合によっては配置転換などの対策を講じることも必要です。

パワハラなどハラスメントが原因で離職する場合もあり、そのような兆しを見つけたら早急な対策をしなければなりません。

待遇に不満がある

長時間労働やサービス残業がある、有給休暇が取りにくいなど労働環境が悪いことは、離職の大きな原因のひとつです。

近年はワークライフバランスが重視される傾向にあり、他社と比較して労働環境が劣る場合は、人材が流出する可能性は高いでしょう適切な勤怠管理で残業を減らす、有給休暇をとりやすい仕組みをつくるなど対策をしなければなりません。

また、給与や昇給・昇格、福利厚生への不満が、離職につながることもあります。同業の他社と比較して待遇が劣る場合、離職を決意することもあるでしょう。

会社への不安

会社の将来性に不安を感じて転職を考えるケースもあります。「この会社にいても成長は望めない」「キャリアアップできない」と感じた場合、離職を考えることもあるでしょう。

会社のビジョンや方針を共有し、具体的なキャリアプランを描くサポートをするなどの対策が必要です

従業員の不安を汲み取るには、個別面談やアンケート調査を行い、従業員が現在感じている不安や心配を把握することも大切です。

離職防止に効果的な7つの対策

従業員の離職が増えていながら何も対策を行わない場合、人材の流出が止まらなくなる可能性はあります。離職が増えることで残った従業員の負担が大きくなり、さらに離職が増えるという悪循環にもなりかねません。

離職の原因を分析し、原因に合った離職防止の対策が必要です。

ここでは、特に離職の多い原因に合わせ、防止に効果的な対策を7つ紹介します。

1.社内コミュニケーションの活性化

離職の原因が主に人間関係にある場合、対策として社内コミュニケーションの活性化が必要です。「上司と部下」「従業員同士」が適切なコミュニケーションをとれる環境にすることで、情報交換や情報共有がスムーズに行われます。

業務が円滑に進み、不満や悩みも相談しやすい環境になるでしょう。従業員のモチベーションが高まり、離職を減らす効果が期待できます。

社内コミュニケーションの活性化にはさまざまな方法があり、一例は以下のとおりです。

  • 社内イベント
  • 社内サークル
  • リフレッシュスペースの設置
  • コミュニケーションツールの活用
  • ピアボーナスの導入

社内イベントは、運動会や社員旅行のような全社あげての大規模なものから、飲み会やボウリング大会など部署や有志により開催されるものまでさまざまです。業務を離れて気軽に交流でき、親睦を深める効果があります。

社内サークルは、同じ趣味をもつ従業員同士が集まる活動です。役職や部署の垣根を超えたコミュニケーションを実現できます。

リフレッシュスペースの設置も、社内コミュニケーションの活性化に役立つ方法です。仕事から離れ、リラックスした状態で自然に従業員同士の交流が生まれます。

チャットツールや社内SNSなどのコミュニケーションツールは、メールに比べて気軽にコミュニケーションをとりやすいのがメリットです。

社内コミュニケーションの活性化には、ピアボーナスも効果的です。ピアボーナスとは、従業員同士がお互いの良い行動や貢献を称賛し、少額の報酬をおくり合う仕組みのことです。社内に称賛文化を醸成し、コミュニケーションを促進します。

ピアボーナスを実現するサービスのひとつがUnipos(ユニポス)です。Uniposはピアボーナスを通じて組織変革を促すサービスで、心理的安全性を高めて離職率の低下に貢献します。

Uniposを導入した会社のうち、利用率が平均より高い部署ほど「コミュニケーションが取りやすくなった」という回答が多いという結果が出ています。

2.労働条件や職場環境を改善する

離職の原因が労働条件や職場環境、待遇などにあるときは、現状を見直しましょう。残業が多い場合は業務の効率化を図る、あるいは時短勤務やフレックスタイム制、テレワークなど柔軟な働き方を取り入れてワークライフバランスを図るといった対策があげられます

福利厚生が十分でない場合は、新たな制度の導入も検討しましょう。その際は、従業員の意見を参考にして、従業員にとって需要の高い制度を導入することも大切です。

離職原因として大きいのは給与などの待遇ですが、給与アップをすぐに実施することが難しい場合は、まず働きやすい職場環境づくりに注力しましょう。そのうえで、頑張った人に報奨金を出すなど、モチベーションを高める工夫をすることをおすすめします。

3.評価制度を見直す

「人事評価に不満がある」「納得できない」といった離職原因がある場合、評価制度を見直す必要があります。評価基準を明確にし、客観的で従業員が納得できる評価制度にしなければなりません。自分の努力や成果が正当に評価されれば、仕事へのモチベーションが高まります。会社に貢献したいというエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

評価制度は定期的な見直しも必要です。役職や現在の業務内容に見合った評価項目であるか、客観的な評価ができているかのチェックを定期的に実施するようにしましょう。

また、評価者ごとに評価のバラつきがあったり主観が入っていたりすると、評価への不満が起きやすくなります。客観的で公平な人事評価を行うためには、価値観や感情などに影響されないよう、評価者を教育して適切な評価能力を身につけてもらうことも必要です。

4.教育制度を整える

教育制度を整え、従業員のスキルアップを支援することも離職防止につながります。人材育成を行わない会社は、「成長できない」と不安になることもあるでしょう。従業員が仕事にやりがいを感じ、モチベーションを高めるには「成長できている」と感じられることが必要です。

自分の成長を支援してくれる会社には信頼や愛着が生まれ、「この会社に貢献したい」というエンゲージメントも生まれるでしょう。従業員のスキルアップは、生産性を高めるうえでも大切です。

教育制度には社内研修やOJTの実施、eラーニングなど学ぶ機会の提供があげられます。自社に合う制度を選んで取り入れましょう。

年月の経過とともに、社員に求められるスキルは変わります。近年は特に技術の進化が早く、変化に対応するための知識やスキルの習得も必要です。そのため「学び直し」である、リカレント教育が注目されています。

リカレント教育を導入して成長できる環境を用意することも、離職防止につながるでしょう。

5.具体的なキャリアプランを提示する

社内で今後のキャリアを描けない場合、離職につながりやすくなります。キャリアパスが明確でなければ、長く働けるイメージが湧かないでしょう。

そのような理由の離職が多い場合、キャリアプランの提示が必要です。自社でどのようなキャリアアップを図れるのか、昇格の制度と合わせて具体的に示しましょう。

業務が忙しいため将来について考える時間がない従業員には、キャリアデザインの研修を開催し、今後のキャリアプランについて考える機会を与えるのも効果的です。具体的なキャリアプランを立てることで今後の目標が定まり、モチベーションも高まるでしょう。

6.上司のマネジメントスキルを高める

上司と部下の人間関係が離職の原因になることもあります。上司の言葉遣いや指導方法に問題があり、部下にストレスを与えている場合、管理職のマネジメントスキルを高めてもらうことも必要です。

マネジメントスキルを高める方法には、管理職向けのマネジメント研修や、管理職向け育成プログラムの導入などがあげられます。

マネジメントスキルが向上すれば、部下を育成する指導力も高まります。優秀な人材が育つというメリットも期待できるでしょう。

部下との信頼関係を構築するには、1on1ミーティングも有効です。定期的な面談により相互理解を深められます。

7.離職防止ツールを導入する

離職防止ツールを活用する方法もあります。離職防止ツールとは、従業員の早期退職を防止するためのITシステムです。主に、以下のような機能があります。

  • 従業員のモチベーション・従業員満足度を可視化する
  • 退職原因を分析する
  • ストレスチェックを実施する
  • 従業員のモチベーション向上につなげる
  • コミュニケーションを活性化する

離職防止ツールの導入で従業員のモチベーションや心境などを数値で可視化でき、社内環境の確認・改善に役立ちます。従業員の不満や悩み、ストレスのチェックにより、離職の恐れがある社員を早い段階で把握できるのも特徴です。チャット機能でコミュニケーションを図ることもでき、悩みの相談や解決ができます。

導入のコストはかかりますが、ツールひとつで離職防止の対策ができるのはメリットです。

ピアボーナスのUniposも、離職防止ツールとしての役割を果たします。従業員同士の称賛がオープンなタイムラインで表示されるため、誰がどのような貢献や挑戦を行っているかがわかります。相互理解や協力意識が深まり、上司と部下が相談しやすい関係性を築けるでしょう。

導入した会社の事例をひとつ紹介します。

上司と部下の関係悪化による若手層の離職が多いという課題があったA社では、Uniposの導入により、優秀な若手層の離職率を約7分の1に減らすことに成功しました。

上司と部下が相互に称賛をおくり合う取り組みが職場の心理的安全性を高める結果となり、若手のモチベーションアップにつながったということです。

離職の可能性が高い従業員を把握する方法

離職の可能性が高い従業員を事前に把握できれば、効果的な対策ができます。事前に離職の可能性が高いかを判断する方法として、1on1ミーティングなどの面談があげられます。定期的にコミュニケーションできる場を設けることで、従業員の変化に早く気づけるでしょう。

また、従業員満足度調査の実施も効果的です。

ここでは、離職の可能性が高い従業員をいち早く把握する方法を紹介します。

定期的に面談する

離職する従業員は急に離職を決めるのではなく、悩んだ末に離職を決意することが少なくありません。離職を防止するためにはそのような従業員の悩みを敏感に察知し、相談にのって解決できる仕組みが必要です。

その方法として、上司と部下が定期的に面談を行う1on1ミーティングや、年齢や社歴が近い先輩社員が精神的なサポートをするメンター制度があげられます。これら制度を導入して定期的にコミュニケーションできる場を設けることで、離職の兆候など従業員の変化に早く気づくことが可能です。

離職する可能性が高い従業員には、特徴的な行動があります。主に以下のような兆候が現れたら、離職の可能性があるでしょう。

  • 業務への注意力が低下し、ミスが増えるものの反省する様子がない
  • 職場への関心が薄れ、コミュニケーションを避けるようになる
  • 退社時間が早くなり、退社後の付き合いも悪くなる

離職の可能性がある兆候を把握しておき、定期面談で観察することにより、離職を減らすことが可能です。

従業員満足度調査を実施する

より積極的に離職防止を図りたい場合は、従業員満足度調査の実施が効果的です。従業員満足度調査とは、従業員の満足度に関するアンケートを実施し、業務における不満やニーズを洗い出して改善へとつなげる方法です。

匿名によるアンケートのため、従業員の本音を引き出しやすく、従業員の不満や悩みの把握に役立ちます。定期的に調査することで、大きなトラブルが起こる前に課題を確認でき、対策を講じることができるでしょう。

従業員満足度調査の定期的な実施により、従業員は「会社が自分たちのことを大切にしている」と感じることができます。会社への信頼や愛着、貢献への意欲などエンゲージメントを高め、離職防止につながることも期待できるでしょう。

まとめ

多くの会社が人材不足にあるなかで、離職防止は真剣に考えるべき問題です。新入社員の早期離職も多いという状況にも注意しなければなりません。

離職の原因には人間関係の悩みや待遇への不満、会社の将来への不安などがあげられます。自社の離職が多い場合、原因を分析し、早急に対策を立てることが大切です。

対策には社内コミュニケーションの活性化や職場環境の改善、評価制度の見直しなど、会社の課題によってさまざまです。

社内コミュニケーションに問題がある場合は、Unipos(ユニポス)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。ピアボーナスを通じて従業員間のコミュニケーションを促すことで、離職防止につながるでしょう。