
「心理的安全性」を高めるためには、一人ひとりの意識や行動を変えていく必要があります。
しかし、どのように意識や行動を変え、組織やチーム全体の心理的安全性を高めればよいのか、具体的なイメージが浮かばないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、組織課題解決のため「心理的安全性」を高めたいと考える方へ向けて、「心理的安全性を高めるゲーム」について解説します。
実際にゲームを体験した企業事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
心理的安全性の本質:組織の生産性を高める

あなたの職場に潜む見えない障壁を取り除き、チームの真の力を解放する実践的なアプローチをお伝えします。
具体的には、
- 自分が発言しても、非難されたり、仲間外れにされたりしないと信じられる
- 失敗をしても、責められたり、隠蔽したりする必要がないと感じられる
- 自分の意見や考えを率直に伝えられる
- 周囲の意見や考えを尊重し、受け入れられる
- といった状態です。
心理的安全性が確保されている職場では、メンバーが自由に意見を交換し、新しいアイデアを生み出しやすくなります。また、問題が発生した場合でも、早期に発見・解決できる可能性が高まります。
その結果、チーム全体の生産性向上や、より良い人間関係の構築につながります。
心理的安全性ゲームが組織を変える:具体的な効果と成功
心理的安全性を高めることは、組織のパフォーマンス向上に不可欠です。しかし、その概念を理解し、実践に移すのは容易ではありません。そこで、心理的安全性向上ゲームが効果的な学習ツールとして注目されています。
心理的安全性を高めるゲームとは、体験型の研修で、参加者が楽しみながら「心理的安全性の高いチームの本質」を実践的に学べる革新的なアプローチです。
例えば、予期せぬ出来事が生じた際に、他のメンバーはどのように反応するか、また、その反応はチーム全体にどのような影響を与えるかということを、擬似体験していくゲームが挙げられます。
心理的安全性ゲームがもたらす4つの組織変革効果
心理的安全性を高めるゲームの実施により、さまざまな効果が見込めます。ここでは、その中でも代表的な4つの効果をご紹介します。
心理的安全性で組織変革を起こすカードゲーム
心理的安全性を高めるゲームは、カードゲーム形式が中心で、あらかじめ時間を設けチームで集まって実施するものが一般的です。ゲームに必要なキットをレンタル・購入すれば、いつでも取り組めますが、より深く学びたい場合には、講師の派遣を依頼できるものもあります。
心理的安全性は、状況に応じて生まれる雰囲気が重要な要素になるため、微妙な変化が読み取りやすいオフラインでの実施が一般的です。ただし、ゲームの種類や講師により、オンラインでの実施が可能な場合もありますので、状況に応じてオフラインとオンラインを比較検討してみてもよいでしょう。
最も重要な効果は、心理的安全性の本質を体験を通じて直感的に理解できることです。
心理的安全性は、単なる説明や講義だけでは、その真の意味を掴みにくい概念です。
しかし、ゲームを通じた実践的な体験により、「なるほど、心理的安全性とはこういうことか」という深い気づきを、参加者一人ひとりが自然に得られます。**この体験的な学びこそが、職場での実践につながる本質的な理解を生み出します。
即実践可能:日常業務での具体的な行動変容
心理的安全性を高めるゲームは、実際のチームメンバーと共に、日常的な職場シーンを題材に展開されます。これにより、学びを実践に移す障壁を大きく下げることができます。
従来型の座学研修と異なり、このゲーム形式の学習では、実際の職場で直面する状況をシミュレーションしながら、具体的な対応スキルを身につけることができます。
さらに、ゲーム終了後の振り返りセッションでは、学びを実践に活かすための具体的なアクションプランを立てることで、確実な行動変容へとつなげていきます。
継続的な成長マインド:心理的安全性を意識した行動習慣の形成
チームでの心理的安全性ゲームを通じて、メンバー一人ひとりの価値観や受け取り方の多様性に気づくことができます。この気づきが、より思慮深いコミュニケーションの基礎となります。
同じ言葉でも、受け手によって異なる影響を与える可能性があるという重要な認識が生まれます。この認識は、日々のコミュニケーションをより慎重に考える契機となります。
このように、心理的安全性の維持が繊細な取り組みであることを実感することで、日常的な言動への配慮と継続的な改善意識が自然と身についていきます。
透明性のある組織へ:率直な意見交換ができる環境づくり
ゲームでは、実際の職場で起こり得る様々なシナリオ(失敗、トラブル、懸念事項など)について、チームで率直に意見を出し合い、解決策を探ります。この過程自体が、オープンな対話の実践となります。
この擬似体験を通じて、失敗や懸念を共有することへの心理的ハードルが下がり、実際の職場でも率直なコミュニケーションが自然とできるようになります。
その結果、問題の早期発見・解決が促進され、組織全体の透明性と問題解決力が向上していきます。
カルチャー変革を加速させる「心理的安全性」の実践的アプローチ

組織のカルチャー変革において、心理的安全性の構築は重要な基盤となります。しかし、概念を理解するだけでは実践的な変化は生まれません。重要なのは、日常的なコミュニケーションの中で具体的なアクションを起こすことです。
心理的安全性を高めるために、浸透には、専門サービスやツールの活用が効果的です。例えば、社内SNSやコミュニケーションアプリで組織の心理的安全性を高め、社員の投稿や議論を促進し、組織全体の理解を深めます。可視化するツールも有効です。定期アンケートや分析機能で、組織全体や部門ごとの浸透度を測定し、課題特定と改善策の実施を可能にします。
これらのサービス・ツールを適切に組み合わせ、自社文化や従業員特性に合わせたカスタマイズを行うことで、心理的安全性向上を実現できます。Uniposのような社内感謝・称賛メッセージツールは、理念に沿った行動を可視化し、称える文化を育みます。日々の行動から理念を体現する姿勢を評価し合うことで、理念が組織に根付きます。
このような日常的な取り組みに加え、チーム全体で心理的安全性への理解を深め、実践的なスキルを身につけるための「心理的安全性ゲーム」の導入が、カルチャー変革を促進する重要な施策となります。
心理的安全性を高めるゲーム4選

心理的安全性を高めるゲームには、代表的な2種類のカードゲームがあります。
今回は、それらのゲームについて、ルールや費用を簡単にご紹介します。
心理的安全性ゲーム
「心理的安全性ゲーム」とは、「やっとむ」こと安井 力さんが開発したカードゲームです。4〜5人のチームで、心理的安全性についての理解を深めていきます。
《ゲームのルール》
1.「発言カード」と「オプションカード」を1人4枚ずつ配る
2.最初のメンバーが「平和を乱す役」になり、「状況カード」を1枚引く
3.平和を乱す役のメンバーは、引いた状況カードの内容を、実際の状況を想像しながらチームに口頭で報告する
※状況カードの例:「クレーム発生!この件誰が担当する?」「わからない 誰か教えて」
4.他のメンバーは、手持ちの発言カードとオプションカードの中から反応を選び、そのとおりに演技する
※発言カードの例:「一緒に考えよう」「わたしに言わないで」「(無視する)」
※オプションカードの例:「ほがらかに言う」「ため息をついてから言う」「相手の目を見て言う」
5.平和を乱す役のメンバーは、それぞれの反応に対して、自分がどう感じたかを述べる
6.今回の経験が、未来の自分の行動にどう影響しそうか考え、当てはまるボードの上に石を置く
※ボードの例:「失敗を共有できるようになる」「挑戦が増えるようにはならない」
7.この流れを繰り返し、全員が平和を乱す役を体験したら終了
ゲームを実施する際には、自分自身の心理的な反応をしっかり見つめるよう意識すると、さらに効果が高まります。
また、1〜7までの手順が一通り終了したら、振り返りの時間を設け、続けてもう一度チャレンジすることが推奨されています。
ゲームに使用するキットは、2,500円(+送料400円)で購入可能ですが、すべて自作する方法も。
さらに、やっとむさんによるバーチャルクラスルームも実施しています。その際の費用は、1名あたり22,000円(税込)です(※4〜5名での実施)。
参考:心理的安全性ゲーム(https://games.yattom.jp/safety)
ベストチームゲーム
さまざまなビジネスゲームを開発する、株式会社HEART QUAKE(ハートクエイク)の「ベストチーム」は、心理的安全性を知り、高めるゲームです。
各チームが一つの「企業」になりきって、業績拡大と人間関係のバランスをどのように保つかを考えていきます。
《ゲームのルール》
1.各チームに7枚の「行動カード」を配る
2.手元の行動カードから、最初にどのカードを集めるか、どのくらいのポイントが獲得できそうかなど、チーム内で作戦を練る【作戦タイム】
3.他のチームの所持しているカードを調査し、お互いが納得のいく交渉によりカードを交換して、必要枚数を集めていく【行動タイム】
4.必要枚数がそろうと、「得点カード」がもらえる
※得点カードには、業績ポイントと関係性ポイントの2種類が記載されており、得点がマイナスになる場合もある
5.行動タイムが終了したら、得点計算シートを用い、決算を行う【決算タイム】
6.2〜5をあと3回(3期分)繰り返し、戦略的にカードを集め、利益を伸ばしていく
7.全4期分の決算が完了したら、優勝チームを決定する
このゲームは、心理的安全性を高めることはもちろん、業績の拡大も目指すゲームとなっています。
「行動カード」は全部で22枚存在し、うち11枚には業績を上げる行動が書かれ、残り11枚には関係性を高める行動が書かれています。
そのため、業績にばかり意識が傾くと、関係性がないがしろになってしまうしくみです。
「ベストチーム」は、キットレンタル(社内講師型)の場合は最低5万円から、講師派遣の場合は最低15万円からとなっています。
参考:心理的安全性を知り、高めるゲーム型研修「ベストチーム」 | ゲームを用いた企業研修なら| 株式会社HEART QUAKE(https://heart-quake.com/article.php?p=7265)
合意形成研修コンセンサスゲーム
合意形成研修コンセンサスゲームは、チームの意思決定プロセスを革新的に学べる体験型研修です。多数決ではなく、徹底的な対話を通じて最適解を導き出す、独自の学習メソッドとなります。
期待される組織的効果
- チームの対話能力の向上
- 心理的安全性の実践的な醸成
- 多様な視点の尊重
- 建設的な意思決定スキルの習得
《ゲームのルール》
対話重視のアプローチ
- 個人の意見を尊重しながら、チーム全体で最適な解決策を見つけます。
- 自分の意見を効果的に伝える力と、他者の視点を理解する能力を育てます。
実践的なシナリオ設計
- 「ジャングルサバイバル」「帰宅困難サバイバル」「ゾンビパンデミック」など、さまざまなテーマを用意しています。
- 参加者の特性や研修の目的に合わせてカスタマイズできます。
ステップ1:個人での問題分析
- 予期せぬ状況に対する個人の対策を考えます。
- 多様な視点と解決策の可能性を探ります。
ステップ2:チーム合意形成
- 個人の意見を持ち寄り、徹底的に議論します。
- 相互理解と建設的な対話を通じて最善策を選びます。
ステップ3:専門家の視点との比較
- チームの結論と専門家の見解を比較します。
- 客観的な評価と学びを深めます。
ステップ4:振り返りと内省
- 合意形成のプロセスを分析します。
- 学びを日常の業務に活かすための具体的な気づきを得ます。
推奨シーン
- 新入社員研修
- リーダーシップ開発
- チームビルディング
- 組織の変革プロジェクト
謎解き脱出ゲーム
謎解き脱出ゲームは、普通の会議室を特別な学習の場に変える新しいチームビルディングの方法です。制限時間内に謎を解いて物語をクリアすることで、チームの力を引き出します。
《ゲームのルール》
- チーム構成: 1チーム 5~6人
- 参加人数: 10~1000人
- 所要時間: 通常60~90分
- 実施場所: 既存の会議室
没入型学習体験
- リアルな物語シナリオによる没入感
- 自然な役割分担と協働プロセスの学習
- 日常から離れた創造的思考空間の提供
柔軟性と効率性
- 既存の会議室をそのまま活用
- 追加投資不要のコスト効率の高いソリューション
- 組織の学習文化を変革する革新的アプローチ
多様性と適応性
- プロフェッショナルな演出
- 組織の目的に応じたカスタマイズ可能な設計
- 複数のテーマと難易度レベル
学習目標
チーム能力の戦略的開発
- 高度なコミュニケーション能力の実践的向上
- 創造的問題解決スキルの体験的学習
- チーム内の役割と相互依存性の理解深化
期待される組織的効果
- チームの潜在能力の可視化
- イノベーション思考の醸成
- 組織の学習能力の強化
- メンバー間の信頼関係の構築
- 推奨シーン
- 新入社員研修
- リーダーシップ開発
- 部門間交流
- イノベーション workshops
業事例と参加者の感想

先にご紹介した「心理的安全性ゲーム」と「ベストチーム」を実際に活用した、2社の企業事例を解説します。
併せて、参加者の感想もご紹介しますので参考にしてください。
キラメックス株式会社
オンラインスクールや転職支援サービスを運営するキラメックス株式会社では、社内勉強会において、やっとむさんの「心理的安全性ゲーム」を実施しました。
いつも一緒に仕事をしているメンバーでチームを組み、どのような発言が心理的安全性を保ち、高められるのかを学びました。
また、ゲーム終了後には、「心理的安全性が高いチームを目指すためにはどのような心がけが必要か」を一人ひとりが考え、付箋に書き出し振り返りをしています。
それぞれのチームでどのような振り返りをしたかを他のグループとも共有することで、組織全体の心理的安全性への意識を高められたようです。
参考:心理的安全性ゲームを行ってチーム力を高めました!! | キラメックス株式会社(https://www.wantedly.com/companies/kiramex/post_articles/169719)
参考:キラメックス株式会社 - KiRAMEX(https://www.kiramex.com/)
東京未来大学
東京未来大学(学校法人三幸学園)では、中途職員の割合が多く、多様な価値観が衝突することも多いといいます。
そこで、一人ひとりの日常の言動における気付きを得るため、職員総勢68名で「ベストチーム」を実施しました。
ゲームにおける自身の役割が、普段の業務や仕事のスタンスと密接に関係していたため、仕事に対する「強み」や「弱み」などの気付きを得られました。
また、チームとして仕事をするうえで、心理的安全性の観点から、自分自身の足りない点や改善したほうがよい点にも気づけたため、内省を深めるきっかけにしてほしいと述べています。
全体として、ゲームという体験型の研修で楽しみながら、アクティブに取り組めたようです。
参考:【導入事例】東京未来大学様で「ベストチーム」を導入いただきました | ゲームを用いた企業研修なら(https://heart-quake.com/article.php?p=7864)
【参考】参加者の感想
「心理的安全性ゲーム」に参加した、さまざまな企業の参加者の感想を、抜粋してご紹介します。
・チームでシチュエーションを想像して、どのように言われたらどう感じるのか、を話あいながら進めることができました。いままで意識はしていましたが、今回のゲームで改めて考えていこうと思いました。
・想像以上に議論が深まり、とても面白かったです。またただ遊ぶのではなく、そこから得た学びをメモし、仕事に活かす姿勢はとても勉強になりました。
・安心して言い合えるチームが自分にとっては安心できるチームなんだなと実感しました。
無視・他人事にされるのがかなり辛かったので、それが起きないようにするにはどうすれば良いか今後の課題としたいと思います。
・普段のコミュニケーションで良い方向に行くもいかないもは発言する側にもされる側にも原因があると思いました。今回はカードで発言することが限られていましたが、普段の生活では言葉は自分で選べることができるので、自分の周りの心理的安全性を高めるためにも普段から自分自身の発言には気を付けて、何をいうべきか言わないべきかを考えながら行動していきたいです。
ゲームを実施する際の3つの注意点

心理的安全性を高めるゲームの効果を発揮するためには、実施の際に注意しておくべき点があります。3つの注意点を以下で見ていきましょう。
実際のチームメンバーで取り組む
心理的安全性を高めるゲームでは、ゲームを通して学んだことを実践に移しやすくするため、できるだけ実際のチームメンバーで取り組むことを推奨します。
もちろん、あまり関わらないメンバーで行っても学びは得られますが、集中的に心理的安全性の高まりを目指す場合には、望ましくないでしょう。
必ず振り返りを取り入れる
ゲームによって心理的安全性の概念を体感できますが、「他のメンバーも自分と同じように感じているのだろうか?」と、疑問が生じます。
人によって、何が心理的安全に効果があると考えるかも異なるものです。
そのため、振り返りやディスカッションの時間を十分に確保し、さらにその内容を他のチームとも共有するのが、ゲームの効果を最大限に発揮するポイントだと言えます。
進行は柔軟に
ゲームのルールは、あくまで基本ルールです。
それぞれの意見を柔軟に取り入れ、チームにとって効果的な方法で進行していくと良いでしょう。
「もっとこうしたら、効果的なゲームになるのでは?」といった意見を言いやすく、受け入れやすい環境こそが、まさに心理的安全性の高い環境でもあります。
まとめ

今回の記事では、心理的安全性を高めるゲームについて解説しました。
改めて、記事の内容について振り返ってみましょう。
・心理的安全性を高めるゲームとは、「心理的安全性の高いチーム」について体感しながら理解を深めていくゲーム
心理的安全性を高めるゲームでは、以下の4つの効果が期待できる
- 心理的安全性の概念を理解できる
- 学びを実践に移しやすくなる
- 学びを実践に移しやすくなる
- 常に考える姿勢が身に付く
- 失敗や懸念がオープンになる
心理的安全性を高めるゲームの代表例は、以下の2つ
- 心理的安全性ゲーム
- ベストチームゲーム
ゲームを実施した2社の企業事例
・キラメックス株式会社
・東京未来大学
・ゲームを実施する際の3つの注意点
・実際のチームメンバーで取り組む
・必ず振り返りを取り入れる
・進行は柔軟に
心理的安全性が高い組織・チームは、ますます成長していくでしょう。
この記事が、心理的安全性に対する意識改革の一助となりましたら幸いです。
