Googleも注目している心理的安全性とは?生産性向上との関係も!

心理的安全性とは、誰もが不安や気兼ねなく意見を言い合うことができ、安心して自分らしくいられる組織の状態のことです。

心理的安全性への注目度が高まりつつあるなかで、「心理的安全性で本当に生産性は向上するのか?その理由は何か?」といった疑問や、「生産性を向上するために具体的にどのような方法で心理的安全性を確保すれば良いのか?」といったお悩みも出てくるでしょう。

本記事では、心理的安全性の概要と心理的安全性により生産性が向上する理由、対人関係のリスクを排除するために必要なことなどを中心に解説します。

最後の章では、対人関係のリスクを排除するために便利なツール「Unipos(ユニポス)」についてもご紹介しますので、心理的安全性を高めたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

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1.心理的安全性とは?

「心理的安全性(psychological safety)」とは、「チームメンバーの反応を心配することなく、気兼ねなく意見を言い合うことができる」といった組織の状態を表す言葉です。

一人ひとりが安心して自分らしくいられる状態とも言い換えられます。

心理的安全性の概念を初めて提唱したのは、ハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソン氏です。エイミー・C・エドモンドソン教授は組織行動学の研究者で、心理的安全性を「このチーム内では対人関係のリスクをとっても安全だ、とメンバーに共有されている思い」と定義しています。

・無知・無能だと思われるのではないか

・叱られるのではないか

・邪魔をしていると思われるのではないか

・非難されるのではないか

・責任を取らされるのではないか

以上のような心配をせずに発言・行動できる組織は、心理的安全性が高いといえるでしょう。

心理的安全性がビジネスシーンで注目を集めるようになったきっかけは、米Google社の「プロジェクト・アリストテレス」と呼ばれる取り組みです。

次の章では、その取り組みの概要と、心理的安全性と生産性の関係についてご紹介します。

2.心理的安全性で生産性は上がる?

「世界中から強いリーダーや優秀なメンバーを集めても、優れた成果を上げるチームとそうでないチームが存在するのはなぜだろうか」という疑問を解明するため、米Google社は2012年に「プロジェクト・アリストテレス」を開始しました。

プロジェクト・アリストテレスでは、社内のリサーチチームが「効率的に成果を挙げるチーム」の条件を大規模に調査・分析し、約4年後の2016年に以下の結論を導き出したのです。

・重要なのはチームのメンバー構成よりも、メンバー同士がどのように協力しているかという点にある

・協力方法のなかで圧倒的に重要なのが心理的安全性である

・心理的安全性はチームの生産性を高める重要な要素である

では、なぜ心理的安全性が確保されたチームや組織では、生産性が向上するのでしょうか。

次の章で確認していきましょう。

参考:Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る

3.なぜ心理的安全性により生産性が向上するのか

心理的安全性が十分に確保されているチームや組織では、エドモンドソン教授が提唱する「4つの不安」を抱くことなく発言・行動できるようになります。

4つの不安とは「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔をしていると思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」の4つです。

4つの不安を抱くことなく発言・行動できることで、以下の環境が生み出され、チームや組織の生産性向上につながります。

・ メンバー間の連携が強くなる

・ 新しいイノベーションや意見が生まれやすくなる

・ 学びが増え、成長が止まらない組織になる

それぞれ確認していきましょう。

メンバー間の連携が強くなる

心理的安全性が確保されているということは、自分の発言・行動に関してだけでなく、チームや組織そのものへの不安や恐怖を感じないということでもあります。

そのような環境下では積極的なコミュニケーションが生まれるため、お互いを深く理解できるようになるとともに、一人ひとりのチームや組織へのエンゲージメントが高い状態が維持されます。また、誰かがミスをすればすぐに報告され、必要に応じて協力しすぐに対処するといった風潮も生まれます。結果として、メンバー間の連携が強くなるでしょう。

新しいイノベーションや意見が生まれやすくなる

心理的安全性が高いチームや組織では、新入社員からベテラン社員まで立場にかかわらず、発言をためらうことがありません。

主体的かつ建設的な議論が行われることにより、さまざまなアイデアが生まれ、イノベーションが促進されます。

加えて、一人ひとりの個性が受け入れられやすいチーム・組織には多様な価値観・能力を持つ人材が集まりやすくなるため、さらなるイノベーションの創出が期待できる好循環となるでしょう。

学びが増え、成長が止まらない組織になる

心理的安全性が十分に確保されている組織では、メンバーはどんなに些細なことでも不明点や懸念点があればためらうことなく質問できます。

このような組織では、メンバーは自分の発言や行動が「能力不足だとみなされてしまうのではないか」という発想にはならず、むしろ自分にとってプラスになると感じているはずです。生まれた疑問はその都度スピーディーに解消できるため、必然的に学びが増えます。

また、メンバーがそれぞれ得意とする知識も共有できるため、知識量が増えて成長が止まらない組織になるでしょう。

心理的安全性を高めるためには?3Stepでご紹介!

4.心理的安全性を高めるにはどうしたらいのか?

生産性向上の観点からも、心理的安全性は高いに越したことはありません。

しかし、心理的安全性は「待っていれば自然に高まる」ような単純なものではなく、戦略的に「対人関係のリスク」を排除する必要があります。

対人関係のリスクには、先にご紹介した以下の4つの不安が関係しています。

・無知だと思われる不安(Ignorant)

・無能だと思われる不安(Incompetent)

・邪魔をしていると思われる不安(Intrusive)

・ネガティブだと思われる不安(Negative)

すなわち、心理的安全性の高い状態を目指すなら、メンバーが対人関係のリスクにまつわる上記4つの不安を感じない状態を作ることがポイントです。

メンバーが対人関係のリスクを感じない状態を作るために必要なことを、次の章で確認していきましょう。

5.対人関係のリスクを排除するために必要なことは

チームや組織内の対人関係のリスクを排除するためのポイントとして、以下の3点が挙げられます。

・ 価値観や思いをベースにした会話を増やす

・ マネージャーがチームに弱みを見せる

・ 感謝・称賛・激励を頻繁に行う

それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。

価値観や思いをベースにした会話を増やす

対人関係のリスクを排除するためには、チームや組織内でメンバー間のコミュニケーションを増やす必要があります。

その際、積極的に取り入れたいのが一人ひとりの価値観や思いをベースにした会話です。

価値観や思いをベースにした会話とは、以下のように感情や気持ち、信念などのテーマを中心とした会話です。

・どのように感じたか

・どのような点にこだわりたいか

・どのような価値観を持っているか

・どのような人間なのか     など

あまり意識せずコミュニケーションをとっていると、「ファクト(事実)」をベースにした会話ばかりになっているチームや組織も多いのではないでしょうか。

ファクトベースの会話は、対人関係のリスクを排除するという観点からは効果がありません。

価値観や思いをベースにした会話を積極的に取り入れ、たとえ自分とは真逆の価値観・思いだったとしても、メンバーには発言することそのものを歓迎し、発言には真摯な傾聴の姿勢を示しましょう。

そうすることにより、メンバーは素直に意見を伝えることに不安がなくなります。

マネージャーがチームに弱みを見せる

メンバーが「このチーム内では自分の弱みを見せても安全だ」と思える環境をつくるために、まずはマネージャーがチームメンバーに弱みをさらけ出す姿勢を示すことが大切です。

例えば、チームメンバーに「実はこのようなことで悩んでいる」と正直に打ち明けたり、「詳しく知らないので教えてもらえないか」とお願いしたりなどと素直に弱みを見せていきましょう。

マネージャー自らが弱みを見せることで、チームメンバーもありのままの自分をさらけ出して大丈夫だという雰囲気が醸成されます。

「完璧な人間はいない」「誰もが弱みを持っている」と思えるチームなら、対人関係リスクを感じにくく、心理的安全性が高まるでしょう。

感謝・称賛・激励を頻繁に行う

チームメンバーの発言や行動には、こまめに感謝や称賛、激励の気持ちを表すようにしましょう。チームメンバーから日常的に感謝されたり、褒められたりすると、「自分はこのチームに必要とされている」「チームの一員として認められている」という実感が強くなり、対人関係のリスクが薄れてきます。

感謝・称賛・激励を行う際に、対象となる発言や行動の結果がどうだったかは問題ではありません。

良い成果をあげたメンバーを称賛することももちろん大切ですが、何より率直に発言した勇気、行動を起こした勇気に対しても、感謝・称賛・激励を行うことが重要です。

ただし、いきなり感謝・称賛・激励を行うようにしましょうといっても、なかなか難しいかもしれません。そのため、マネージャーが率先してメンバーへ感謝の気持ちを伝える、褒める、励ますといった行動をとりましょう。

そうすることで、メンバーには「こんな些細なことでも感謝してもらえるんだ」「今までは心の中で思っていただけの感情も積極的に伝えよう」などといった気付きが生まれ、感謝・称賛・激励が飛び交う風土が醸成されていきます。

心理的安全性を高めるためには?3Stepでご紹介!

6.対人関係のリスクを排除するために便利なツール「Unipos」

前の章でご紹介した「対人関係のリスクを排除するための3つのポイント」を、日頃から実施するのは難しいと感じる方も多いでしょう。

そこでおすすめなのがツールの活用です。

ピアボーナスツール「Unipos(ユニポス)」なら、対人関係のリスクを排除するのに大いに役立ちます。

以下では、Uniposの概要と、実際にUniposを活用している企業事例をご紹介します。

Unipos(ユニポス)とは?

Uniposとは、従業員同士が「貢献に対する称賛のメッセージ」と「少額のインセンティブ」を送り合う「ピアボーナス」を実現するためのサービスツールです。

テレワークの導入が拡大しつつある近年、従業員の活躍や貢献を把握することは以前よりも難しくなっているのではないでしょうか。

しかし、Uniposを活用すれば、マネージャーや他部署からは見えない従業員の活躍や貢献を可視化できます。

ピアボーナスを通して拠点や立場、世代を問わずコミュニケーションが活性化され、組織のメンバー全員が感謝・称賛・激励を積極的に行う風土が醸成されていきます。

Uniposは従業員のモチベーションアップ・対人関係のリスク排除に寄与するでしょう。

参考:Unipos (ユニポス)

参考:特徴・活用シーン | 挑戦できる風土をつくる。 Unipos

Unipos導入事例①|アース製薬株式会社

虫ケア用品をはじめ、除菌剤や入浴剤などの日用品を製造・販売するアース製薬株式会社では、コミュニケーションのさらなる活性化と社員の見えにくい活躍・貢献にスポットライトを当てることを目的に、Uniposを全社1,200名以上へ導入しました。

Uniposを導入すると決めた理由には、コミュニケーションと人を大切にするアース製薬の企業文化と、Uniposのコンセプトや仕組みがマッチしたからだといいます。

Uniposを利用する社員に向けては導入の目的を前面に押し出すのではなく、「“ありがとう”でコミュニケーションをとろう」というメッセージを打ち出し、ハードルを徹底的に下げることを意識しました。

投稿する内容も業務のやりとりに限らず、楽しむことを第一に導入を進めた結果、仕事感や義務感を感じることなくUniposを活用できているそうです。

導入後の効果として、導入目的だった年齢や役職を超えたコミュニケーションの活性化、社員の見えにくい活躍・貢献の可視化とともに、「ありがとう」を伝え合う文化が根付きました。

これらの効果は、心理的安全性の醸成に大いに寄与していると考えられます。

参考:「人」を大事にするアース製薬の企業文化醸成にUniposが果たした役割とは

Unipos導入事例②|株式会社佐々木総研

税務や会計、人事など、経営の悩みを解消する「経営のよろず相談屋」として事業を行う株式会社佐々木総研では、2つの組織課題を解決するためのソリューションとしてUniposを導入しました。

その課題とは、1つ目は事業の特徴によるものです。税理士や社会保険労務士など各分野の専門家が在籍するなかで、“専門家”であるプレッシャーからか自分の専門外の相談を受けても自分で対応しようとするケースが少なくなかったといいます。

この「知らないことを『知らない』と言いにくい」という状況から、社内の心理的安全性を懸念したそうです。

2つ目の課題は、コロナ禍をきっかけとするものです。リモートワークを導入し、全員がオフィスにそろうことがなくなったため、メンバーの活躍や貢献が見えにくくなってしまいました。

Uniposを導入する際には、使用を強制せず、社員の自由意志で楽しんでもらうようにしました。その結果、今まで見えていなかった社員同士のつながりや助け合いが可視化されただけでなく、拠点や立場、世代を越えたコミュニケーションの活性化、社員のモチベーションアップなど、多くの効果が生まれたといいます。

また、Uniposの活用によって、懸念していた心理的安全性の低下が杞憂だったことに気付けるといった意外なメリットもあったようです。

参考:経営層が気づいていなかった社内の連携が明らかに – Uniposで得られた意外な経営効果とは

 

心理的安全性の浸透は多くの職場でまだまだこれからと言えますが、今後企業の生産性向上のカギを握ることは間違いありません。

本記事で紹介した心理的安全性を高めるための施策など、ぜひ取り入れて、明日からのチームづくりに役立てていただければ幸いです。

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