心理的安全性の高いチームビルディングのために管理職ができることとは?そのメリットは?

ダイバーシティ経営の推進やテレワークの急速な拡大などを背景に、近年、会社において心理的安全性の高いチームを構築することはますます重要視されています。

本記事では、心理的安全性の高いチームビルディングが今こそ職場で必要とされる理由を掘り下げるとともに、チームビルディングのために管理職ができることや、心理的安全性の高いチームのメリットなどを詳しく解説します。

また、記事の最後では、テレワークなどの環境下でも心理的安全性の高いチームを構築するために、おすすめのサービス「Unipos」もご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

1.心理的安全性の高いチームビルディングとは?

初めに「心理的安全性」の意味をあらためて確認し、心理的安全性が注目されるようになったきっかけと、心理的安全性の高いチームビルディングが今こそ必要とされる理由について解説します。

1−1.心理的安全性とは

そもそも「心理的安全性」とは、「誰もが、チームや組織のメンバーに非難される不安を感じることなく、自分の考えや意見を安心して発言できる状態」のことを表しています。

すなわち、ありのままの自分をさらけだせる環境、遠慮なく率直に発言できる雰囲気がある環境などとも言い換えられるでしょう。

この心理的安全性という言葉は、1999年にハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン教授が「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」​​という論文で提唱した、「psychological safety」という心理学用語が訳されて生まれました。

エドモンドソン教授は、20年以上にわたって病院や工場、経営幹部など多種多様な「チーム」を研究してきました。論文内では、心理的安全性について「対人関係のリスクをとったとしても、『このチームは安全だ』というチームメンバー間での共通認識・信頼があること」と定義づけています。

チームメンバー同士が互いを尊重し、ポジティブな内容・ネガティブな内容にかかわらず何でも指摘しあい助け合えるのが、心理的安全性の高いチームの特徴です。

関連記事:心理的安全性とは?高める5つの方法とメリットを解説

参考:Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams

1−2.心理的安全性が注目されるようになったきっかけ

前述のとおり、心理的安全性は1999年に論文で提唱された概念でした。

それがビジネスシーンでも注目されるようになったきっかけは、米Google社の「プロジェクト・アリストテレス」という大規模な取り組みだと考えられます。

同社は、成功し続けるチームに必要な条件を探るため、2012年から約4年かけて社内にある数百のチームを調査し、生産性が高いチームの特徴を徹底的に分析しました。

その結果、重要なのはチームのメンバー構成よりも心理的安全性であること、生産性が高いチームは心理的安全性が高いこと、心理的安全性が高いチームは離職率も低いことなどを結論付けたのです。こうして心理的安全性は、世界中の企業から注目されるキーワードとなりました。

1−3.心理的安全性の高いチームビルディングが今こそ必要とされる理由

心理的安全性の高いチームビルディングは、今まさに重要度が高まってきています。

以下では、心理的安全性の高いチームビルディングが必要とされる2つの理由について解説します。

1-3-1.ダイバーシティ経営の推進

「ダイバーシティ経営」とは、経済産業省の定義によると「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」のことです。

すなわち、性別や年齢、キャリアなど多様な人材がそれぞれの特性を活かして働ける環境を整え、自社の競争力強化につなげるという経営戦略を指します。

グローバル化にともない市場環境や顧客ニーズが急激に変化するなかで、ダイバーシティ経営はどの企業にとっても欠かせないものとなってきているでしょう。

そして、ダイバーシティ経営の実現には、チームの心理的安全性によって多様な人材が自由な発想を生み出しながら働ける環境づくりが不可欠なのです。

参考:ダイバーシティ経営の推進(METI)

1-3-2.テレワークの普及

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークが急速に拡大・常態化しています。テレワークには、移動時間の削減によるワーク・ライフ・バランスの実現や、育児・介護と仕事の両立などさまざまなメリットがあります。

一方で、何も対策をとらないと、チーム内のコミュニケーション不足や、従業員の孤独感の助長などデメリットとなりかねない側面もあることは事実です。

このような状況を踏まえ、チームマネジメントやメンタルヘルス対策の一環として、心理的安全性の高いチームビルディングへの注目が集まっています。

2.心理的安全性の高いチームビルディングのメリット3つ

心理的安全性の高いチームを構築することは、チームや組織全体にメリットをもたらします。

以下では、おもな3つのメリットについて解説します。

2ー1.エンゲージメントの向上と離職の防止

Google社の調査結果からも、心理的安全性が高いチームは離職率も低いことが証明されています。その離職率の低さには、メンバーそれぞれのチーム・組織に対するエンゲージメント(愛着や貢献意欲)の高さが大きく関係しているでしょう。

心理的安全性の高いチームでは、ほかのメンバーに非難される不安を感じることなく、メンバー同士が互いに支え合い・認め合いながら働ける環境が整います。

そのような環境が整ったチームは、メンバーの満足度も必然的に高くなり、エンゲージメント向上すると考えられています。

2ー2.生産性の向上

心理的安全性の高いチームのメンバーは、考えたことを率直に話しても無視や否定、恥をかかされることはないと理解しているため、自分の考えや意見を気兼ねなく発言でき、チーム内のコミュニケーションが円滑になります。

活発なコミュニケーションによって、何気ない雑談の中の質問や相談が問題解決のきっかけとなったり、ミスの早期発見・解決が可能となったりするでしょう。

さらに、新しいアイデアの発見や提案、建設的な議論も可能となるため、業務の効率化や生産性の向上につながります。

2ー3.チーム全体のレベルアップ

遠慮なく率直に発言できる雰囲気があるチームでは、一人ひとりのメンバーの特性が受け入れられるため、多種多様な価値観や能力を持つ人材が定着しやすくなります。

さまざまな考えや意見・スキルが集まり、社員同士協力することで、イノベーションが生まれやすくなるでしょう。加えて、それぞれの得意分野の知識を共有することで、チーム全体の知識量も増加します。

心理的安全性は、チーム全体のレベルアップにも欠かせないのです。

 

心理的安全性の高いチームビルディングにおすすめのサービス「Unipos」

 

3.心理的安全性の高いチーム=優しいチームではない

心理的安全性の高いチームを「ただ優しいチーム」「馴れ合い」などと誤解されることも多くありますが、それは正しい意味ではありません。むしろ、心理的安全性の高いチームは責任のある「厳しいチーム」だと捉えるのが適切です。

心理的安全性が高ければ、確かにチームメンバーはリラックスした状態で仕事ができますが、業務に関する会話やアイデア、知識を自由に共有できる分、チーム内では熱い議論や衝突が発生することもあります。

心理的安全性の高い状態だからこそ、一人ひとりが萎縮せず、安心してリスクのある行動がとれるのです。

仮に、単に優しいだけのチームが構築されてしまったら、生産性の向上やチーム全体のレベルアップなどの効果にはつながらないでしょう。

正しい意味での学習し成長する「心理的安全性の高いチーム」を構築するためには、一人ひとりが役割を持ってリーダーシップを発揮し、管理職自身も必要があればチームメンバーへ注意や指導を毅然と行うことが求められます。

4.チームビルディングをするために管理職が実施できること

心理的安全性の高い職場やチームを構築するために管理職ができることを、大きく分けて3つの観点からお伝えします。

4ー1.価値観や思いをベースにしているコミュニケーションを増やす

まずは、1on1などでチームメンバーとのコミュニケーションを増やす必要があります。

その際には、一人ひとりの価値観や思いを重視したコミュニケーションを意識してください。完全にまとまった考えでなくても発言することそのものを歓迎し、発言には真摯な傾聴の姿勢を示しましょう。

そして、発言の内容を頭ごなしに否定したり非難したりすることなく、相手の価値観や思いを一度受け止め、その内容に対して管理職自身も率直な考えを述べることが大切です。

たとえ相手とは真逆の価値観でも、メンバーは率直に思いを伝えることに不安がなくなります。

4ー2.相談や不安なことを素直に発言する

管理職がチームに弱みをさらけ出し、不安なことでも率直に発言する姿勢を示すことも大切です。

具体的には、チームメンバーに「そのことをよく知らないので、教えてもらえないか」「自分の考えだけでは不安なので、意見を聞かせてくれないか」などと素直に相談やお願いをしましょう。

管理職自らが弱みを見せることで、メンバーもありのままの自分をさらけ出せる雰囲気が醸成されます。そうした雰囲気は、仮にメンバーがミスをしてしまっても、ほかのメンバーや管理職などからの非難を恐れて報告しにくくなるなどといったことを避けられます。

4ー3.感謝・称賛・激励の気持ちをこまめに伝える

チームメンバーの率直な発言や行動には、感謝や称賛、激励の気持ちを積極的に表しましょう。ここでは、発言や行動の内容・結果の良し悪しは問題ではありません。

率直に発言した勇気、行動を起こした勇気に対して、感謝や称賛の言葉をかけることが大切です。管理職の姿を見て、チーム内には「リスクをとった発言や行動をしたとしても、このチームは安全だ」という信頼が生まれます。

一方で、倫理的に逸脱した発言や行動があった場合には、適切な制裁措置を施すべきであることも忘れないようにしましょう。

5.心理的安全性の高いチームビルディングにおすすめのサービス「Unipos」

前章でお伝えした方法について、テレワークなど多様な働き方が拡大している今、「実施するのはなかなか難しいのでは……」と感じられる方もいるかもしれません。そこで効果的なのが「ピアボーナス」です。

以下では、ピアボーナスの概要と、おすすめのピアボーナスサービス「Unipos(ユニポス)」についてご紹介します。

5ー1.ピアボーナスとは

ピアボーナス(peer bonus)とは、peer(仲間)とbonus(報酬)を組み合わせた言葉で、従業員同士が「貢献に対する称賛のメッセージ」や「少額のインセンティブ(成果給)」を送り合う仕組みのことです。

ピアボーナスは、毎月の給与や年数回のボーナスに上乗せされることから「第3の給与」とも呼ばれており、新たな報酬制度・人事評価制度として注目を集めています。

従業員同士が称賛の気持ちとともにお互いを評価することで、チームメンバーの日々の行動や業務の成果・貢献が可視化され、ポジティブな感謝・称賛のサイクルが習慣化し、チームメンバーのパフォーマンス向上にも有効です。

参考:特徴・活用シーン(ピアボーナスとは)|従業員が挑戦できる風土をつくる。 Unipos

5ー2.チームの心理的安全性を高めるなら「Unipos」

ピアボーナスは、もともと米Google社が発祥の制度といわれています。そして日本では、ピアボーナスサービス「Unipos」がピアボーナス制度を広めるきっかけとなりました。

Uniposを介した貢献の見える化は、称賛文化を醸成し、チームの心理的安全性の構築に大きく役立ちます。最小限の時間で感謝・称賛・激励のやりとりができるよう設計されたUniposの機能には、例えば以下のようなものがあります。

・感謝や称賛、激励のメッセージにポイントを添えられる投稿機能

・ワンクリックで貢献を称賛できる拍手機能

・全メンバーが投稿をリアルタイムに確認できるオープンなタイムライン機能

・行動指針を浸透させるハッシュタグ機能

このような機能によってたとえテレワーク下であっても、上司から部下へ、もしくはチームメンバー同士でコミュニケーションを増やし、感謝や称賛の気持ちを伝えやすくなります。

多様な働き方が広がる環境下でも、心理的安全性の高いチームビルディングを確実に実現したいとお考えの方は、Uniposの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:機能|従業員が挑戦できる風土をつくる。 Unipos

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