職場の事なかれ主義とは?その心理と予防のための3つの対策&事例

事なかれ主義について調べているあなたは「もしかして、ウチの会社って事なかれ主義…?」と不安に感じているのではないでしょうか。

例えば、こんなお悩みはありませんか。

・業務上の問題に気付いても、見て見ぬふりをする部下がいて困っている

・会議で積極的に発言する社員が少ない

・最近の若い世代は、当事者意識が希薄だなと感じる

実は、こういった悩みが発生するのはごく自然なことです。一社にしがみつかなくても多様な働き方が容認されるようになった現代では、従業員の当事者意識が希薄になり、事なかれ主義が増えるのは当然の流れといえるでしょう。

このまま放置すれば、事なかれ主義が企業文化として定着してしまい企業の弱体化を招くのは時間の問題です。

その前に何としても職場の事なかれ主義を防ぐアプローチを行う必要があります。加速する職場の事なかれ主義にブレーキをかけ、事なかれ主義の対義である「当事者意識・我が事感」を醸成する人材マネジメントに注目が集まっているのはそのためです。

 

この記事では、まず職場の事なかれ主義について徹底的に分析します。

・事なかれ主義とは?その特徴は?

・事なかれ主義に陥る人の心理状態とは?

その上で、事なかれ主義の予防に効果的な対応策を解説します。当事者意識を高める取り組みの先進企業として「メルカリ」の事例を取り上げながら、どうすれば職場の事なかれ主義をなくすことができるのかを明らかにします。

 

最後まで読んでいただければ、事なかれ主義をあなたの職場から遠ざけることができます。そして、会社の問題を自分事として捉えて動く強いチームづくりの秘訣がわかるでしょう。さっそく続きをご覧ください。

 

1.事なかれ主義とは波風立てない消極的な態度のこと

事なかれ主義とは、「いざこざがなく、平穏無事に済みさえすればよいとする消極的な態度や考え方(デジタル大辞泉)」を指す言葉です。

一見「何が悪いの?」と感じる人もいるかもしれません。しかし実は多くの問題をはらんでいます。

“物事を平穏無事に済ませようとすること”自体は決して悪いことではありません。

 

例えば、職場で意見が対立したときに「ここはいったん自分が引いた方が全体のためになる」と考え、相手の意見を容認する——といった経験のある方もいるでしょう。

しかし、事なかれ主義者の場合、平穏を求める目的が「自分の地位を守るため」「自分がやっかいごとに巻き込まれないため」など利己的であることが、大きな特徴です。

詳しくは次章で解説します。

 

2.事なかれ主義者の3つの特徴

事なかれ主義の人の特徴を3つに分けて、詳しくご紹介します。

 

2-1.特徴①保身に走る

1つめは「保身」の意識が強いことです。自身の評価が悪くなることや、地位が脅かされることを何よりも嫌います。

例えば、事なかれ主義の人は、業務上のミスに気付いても申告せずに、誰かが指摘するまでそのまま放置することがあります。ミスのせいで、自分の評価が下がることを恐れているのです。

2-2.特徴②当事者意識が希薄

2つめは「当事者意識」が希薄であるということ。身近で起きている問題に当事者として対応するのではなく、どこか他人事のように眺めているところがあります。

例えば、会議でディスカッションが行われていても、積極的に参加しようとしません。AかBかと意見を求められても「どちらでもいい」という態度です。

2-3.特徴③消極的で行動力に欠ける

3つめは「消極的」で行動力に欠けるということです。行動を起こして波風が立つのが嫌なので、できる限り何もしないでやり過ごそうとする省エネ体質なところがあります。

例えば、自ら新しいアイデアを提案したり、改善策を考えたりすることがありません。基本的に、いつもと同じ業務を淡々とこなすことを好みます。

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