タイムマネジメントとは?意味や実践方法、タイムマネジメント力を高めるコツを解説!

ビジネスでもプライベートでも、私たちの「時間」は有限です。特にビジネスの場面では、限られた時間をいかに有効活用するかによって、業務全体の質や生産性、成果が左右されます。

そこでこの記事では、時間をより良く活用するための「タイムマネジメント」の意味や実践方法、タイムマネジメント力を高めるコツなどについて解説します。

時間の管理が苦手な方やタイムマネジメントに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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1.タイムマネジメントとは

「タイムマネジメント(Time Management)」とは、直訳すると「時間の管理」という意味を持ちます。

具体的には、時間をより良く活用できるようコントロールすることで、仕事の効率や生産性を向上させる取り組みです。例えば、1時間で10こなせる仕事があるなら、タイムマネジメントで効率化することによって同じ1時間で20こなすことを目指します。

ビジネスでは、目の前にあるタスクからやみくもに取り掛かるのではなく、限られた時間を有効活用し、的確かつ高いパフォーマンスで業務を遂行することが求められます。

タイムマネジメントは、あらゆるビジネスシーンで欠かせない取り組みといえるでしょう。

2.タイムマネジメントを行う目的

タイムマネジメントの最終的な目的は「成果を上げること」です。

タイムマネジメントスキルが低い場合、仕事の優先順位をうまくつけられず期限内に終えられなかったり、常に仕事に追われる状況になったりという状況に陥ります。

一方で、タイムマネジメントスキルが高い場合、今処理すべきことが明確になっており、効率よく業務を進められたり、余裕を持ちながらも確実に成果を上げられたりという状況が実現できるでしょう。

また、働き方改革が進むなかで、短い時間でいかに生産性を高められるかという点は、ますます重要視されています。そのため、生産性向上により成果を上げることを目的としたタイムマネジメントの取り組みは、今後も注目されていくでしょう。

3.タイムマネジメントとスケジュール管理の違い

タイムマネジメントと聞くと、スケジュール管理をイメージする方もいるでしょう。しかし両者はイコールではありません。

スケジュール管理とは、予定通りに動けるよう時間配分を考えたり、準備を整えたりすることです。あくまで「スケジュール通りに行動すること」がメインとなります。

一方のタイムマネジメントは、スケジュール通りに行動するだけでなく、優先順位付けや目標設定、振り返りなどパフォーマンスの質にも注目します。

スケジュール管理だけでなく、タイムマネジメントにより質の高い時間の使い方を計画・実行することで、はじめて生産性を向上させられるのです。

4.【個人/企業】タイムマネジメントのメリット・デメリット

タイムマネジメントの取り組みは、個人と企業の双方にとってメリットがあります。ここでは、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

4ー1.個人としてのメリット

まずは、個人としてのタイムマネジメントのメリットについてご紹介します。

4-1-1.処理能力の向上

タイムマネジメントにより、タスクを可視化し優先順位を決めることで、優先度の高い業務に注力することが可能になります。すると、一つひとつの業務を効率的に進められるようになり、仕事全体の処理能力が向上するでしょう。

4-1-2.新たな時間の捻出

仕事の処理能力が向上すると、これまで業務に充てていた時間に余裕が生まれます。

その時間は、自身のキャリアアップやスキルアップに充てることもできますし、家族や趣味などプライベートに充てることもできるでしょう。

新たな時間が捻出され、その時間をまた別の目的で活用することにより、精神的な余裕や日々の充実感にもつながります。

4ー2.企業としてのメリット

続いて、企業としてのタイムマネジメントのメリットを確認しましょう。

4-2-1.企業全体の生産性向上

タイムマネジメントにより従業員一人ひとりの処理能力が向上すれば、企業全体の生産性も向上します。

ただし、企業全体の生産性向上というメリットを得るためには、新入社員からベテラン社員まですべての社員がタイムマネジメントの意識を持つ必要があるでしょう。

特に新入社員は、仕事の全体像が見えにくく、与えられた仕事をひたすらこなすだけという状況に陥りやすくもあります。生産性を向上させるためには、新入社員のタイムマネジメントスキルを高めることが欠かせません。

4-2-2.残業時間の削減

業務が効率化し残業時間が減ることで、人件費や水道光熱費などのコストが削減できます。

また、残業時間が減ると社員の満足度が高まり離職率の低下が期待できるため、長い目で見れば、採用や新人研修などのコストカットも見込めるでしょう。

タイムマネジメントの導入は、業務だけでなく経営の効率化にもつながるのです。

4-3.タイムマネジメントのデメリットはある?

現状、タイムマネジメントを行うことによる大きなデメリットと考えられるものはないようです。

あえて挙げるならば、人によってはタイムマネジメントにストレスを感じるという点でしょう。業務の優先順位を考えること自体が苦手な方もいれば、予定通りに進まなかったときに精神的な負担を抱く方もいると考えられます。

タイムマネジメントのデメリットを発生させないためには、「こだわりすぎない」という意識も必要かもしれません。

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5.タイムマネジメントの実践方法

ここからは、タイムマネジメントの実践方法について解説します。以下の5つの手順に沿って進めていきましょう。

5ー1.タスクを細分化して洗い出す

まずは、必要だと考えられるタスクを一通り洗い出します。

どのようなタスクがあり、どれくらいの時間を使っているのか・使うべきなのかを見える化する目的があります。そのため、洗い出す際にはタスクの内容だけでなくフローも書き出すなどなるべく細分化するよう意識しましょう。

最初に1週間分のタスクからとりかかり、その後1か月分のタスクに広げていきます。

5ー2.期限・目標を設定する

続いて、それぞれのタスクの期限と目標を明確にしましょう。これは、次のステップにおいて、洗い出したタスクの優先順位を適切に決めるうえでヒントとなります。

5ー3.優先順位を明確にする

ここまでのステップで洗い出しと期限・目標を確認したタスクについて、優先順位を定めていきます。

用いるのは「緊急度と重要度のマトリクス」と呼ばれるタスク管理法です。「緊急度」と「重要度」の2つの軸をベースに、タスクを以下の4つに分類します。

A 緊急かつ重要なタスク(例:締め切り直前のタスク、システムトラブルへの対応など)

B 重要だが緊急度は低いタスク(例:スキルアップのための勉強など)

C 緊急だが重要度は低いタスク(例:突然の来客・問い合わせ対応など)

D 緊急度と重要度がともに低いタスク(例:数年に1度しか使わない資料のアップデートなど)

もちろん最優先のタスクは「A」です。

一方「C」と「D」のタスクは、成果につながらない可能性が高いといえるでしょう。

そのため、この2種類のタスクに関しては「そもそも不要ではないか」「誰か(もしくはシステム)に任せられないか・本当に自分がすべきか」を一度見直してください。ただし、タスクの分類は時期によって変動することも考えられるため、慎重に検討しましょう。

5ー4.スケジュールを組む

タスクの優先順位が決まったら、余裕を持ったスケジュールに落とし込んでいきましょう。

実際にタスクを開始すると、追加作業や想定外のトラブルが生じる可能性があるため、まったく隙間のないスケジュールは望ましくありません。また、ある程度余裕があるほうが一つひとつのタスクを丁寧にこなせるため、創造性も高まります。

5ー5.定期的に改善・軌道修正する

スケジュールに沿ってタスクを開始したら、定期的な見直しを忘れずに行いましょう。

先ほどのステップで余裕を持ったスケジュールにしておけば、改善や軌道修正はしやすいはずです。タイムマネジメントの最終目的は「成果を上げる」点にあることを忘れずに、生産性を高めるための調整をしましょう。

6.タイムマネジメントで失敗しないためのポイント

実践方法に沿ってタイムマネジメントに取り組む際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。タイムマネジメントを成功させるために、ポイントを理解しておきましょう。

6ー1.実現可能な内容で進める

タイムマネジメントを進めるうえで、遂行にこだわりすぎてしまったり、実現が難しい目標をたててしまったりするケースがあります。

熱意があるのは良いことですが、柔軟な対応ができなくなり途中で挫折してしまう可能性が高いでしょう。

タイムマネジメントではタスクを細分化して取り組みますが、前述したとおりスケジュールには余裕を持ち、実現可能な内容で進めることを忘れないようにしてください。

6ー2.タスクを感覚で振り分けない

タスクを「緊急度と重要度のマトリクス」で分類する際、感覚や直感だけでなんとなく振り分けるのは避けましょう。

緊急度や重要度の判断を誤ると、本来最優先ですべき業務が後回しになるなど、成果が上がるどころか業務全体に悪影響を及ぼしかねません。実践方法のステップに沿って忠実に進めてみてください。

7.タイムマネジメント成功事例

ここからは、実際にタイムマネジメントに取り組んだ方々の成功事例をご紹介します。個人の事例と企業(チーム)の事例をぜひ参考にしてください。

7ー1.個人の事例

Aさんは、幼い2人の子どもを保育園に預けながらデザイナーとして働いていました。

保育園へのお迎え時間はずらせないため、Aさんに残業という選択肢はありません。そのため、タイムマネジメントによって「会議や打ち合わせ」を午前中に、「一人で集中するデザイン業務」を午後に設定しました。

タスクを時間でコントロールすることで、スイッチが切り替わり集中力も持続したといいます。

Aさんは、出産前と比べ勤務時間は短くなったものの、タスクの量はキープできているどころか質も高まったと評価されているそうです。

また、帰宅後も家事と育児をタスクとして優先順位をつけ、効率よくこなすことで規則正しい生活を送っています。仕事だけでなく、プライベートまでもタイムマネジメントできている成功事例といえるでしょう。

参考:Technique 時間に追われない毎日を作るタイムマネジメント術(http://rules-of-success.jp/technique/time-management/)

7ー2.企業の事例(株式会社古田土経営)

経営コンサルティングの古田土会計グループでは、設立当初のチーム運営に課題が多く、「ヒアリングしないとそれぞれのタスクの進捗状況がわからない」「管理者が一つひとつ仕事を棚卸ししなければならない」という状況でした。

スピード感を持って仕事をこなさなければならないため、チームの管理者は、社長からタイムマネジメントツールの導入の提案を受けたといいます。

ツールの力も借りながら仕事の見える化を進めることで、メンバーが自分から仕事を見つけ、積極的に取り組んでくれるようになりました。全員が仕事の全体像を把握できるようになったとともに、一人ひとりの仕事へのコミットメント力が高まったそうです。

参考:株式会社古田土経営(https://www.jooto.com/casestudy/kodato/)

8.タイムマネジメントを助けるおすすめツール・アプリ紹介

タイムマネジメントは、近年ではツールやアプリを活用して行うのが主流となっています。

ここでは、タイムマネジメントを助けるおすすめツール・アプリを紹介します。

8ー1.Backlog(バックログ)

「Backlog」は組織やチームでの利用に適したツールです。プロジェクト全体のタイムマネジメントが可能となります。

機能

①プロジェクトメンバーの権限管理や情報・ファイル共有などチームのコラボレーションを促進する機能

②プロジェクトの見える化やガントチャートでの進捗確認などプロジェクトの管理機能

③チームメンバーのタスク確認や課題の締め切り管理などチームのタスク管理機能

提供会社(URL)

株式会社ヌーラボ(https://nulab.com/ja/

使った人の感想 

これまで情報共有手段としてメールを使用していましたが、重要な情報が流れてしまったり、進捗管理ファイルは容量が重く添付できなかったりという事態が起きていました。Backlogで上記作業工程をゼロにすることで、マネージャーやプロジェクトメンバーはより創造的な仕事に集中できるようになるなど効率化を実現できました。

参考:タスク管理、ファイル共有もできるプロジェクト管理ツールBacklog(https://backlog.com/ja/

参考:【導入事例】KDDI株式会社 | プロジェクト管理ツールBacklog(https://backlog.com/ja/customers/kddi/)

8−2.Senses(センシーズ)

「Senses」は、特に営業活動をする方におすすめのツールです。営業先とのコミュニケーション履歴も管理できます。

おもな機能

①行動履歴の登録やチーム全体の営業活動を時系列に把握するアクション管理機能

②受注率や進捗率の分析、アクションの改善に活用できるレポーティング機能

③取引先企業の概要やプレスリリースなど外部情報を自動で取得する機能

提供会社(URL)

株式会社マツリカ(https://mazrica.com/

使った人の感想 

Excelでの管理と異なり、それぞれの案件がどのステップにあるのかを視覚的・直感的に管理できるようになりました。また、同じような案件が生じた際に過去の情報をすぐに引き出せるようになったことで、生産性が圧倒的に上がりました。

参考:Senses | 成果を自動的に最大化するSFA(https://product-senses.mazrica.com/)

参考:Excel管理からの脱却!直観的な進捗管理で時間削減につながりました – 株式会社PR TIMES (mazrica.com)

8-3.Jooto(ジョートー)

操作性と見やすさに優れ、誰でも直感的に使いこなせるツールです。サポート体制も充実しています。

おもな機能

①タスクのステータスを一目で把握できるタスク管理機能

②プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握できる進捗管理機能

③プロジェクト横断管理機能

④タスク内でコミュニケーションがとれるコミュニケーション機能

⑤外部連携、データ共有、ファイル管理機能

提供会社(URL)

株式会社PR TIMES(https://prtimes.co.jp/

使った人の感想 

圧倒的にUI/UXが優れており、誰もが使いやすいツール。すべての業務を見える化することで、全体的に見ると月40時間程度の効率化につながりました。成果を出すための理想の環境に大きく近づけたと考えます。

参考:Jooto – 無料から使えるタスク・プロジェクト管理ツール(https://www.jooto.com/)

参考:遠州鉄道株式会社(https://www.jooto.com/casestudy/entetsu/)

9.タイムマネジメント力を上げるおすすめ本紹介

最後に、タイムマネジメント力を上げるおすすめ本を紹介します。タイムマネジメントの実践前の基礎知識にするため、あるいは実践中の軌道修正に活かすためなどに活用してください。

9ー1.実践!タイムマネジメント研修: より少ない時間で、より高い成果を出すために(Kindle版)

実際にさまざまな企業で実施され、好評を博したタイムマネジメント研修の内容を書籍化したものです。ストーリー仕立てとなっているためわかりやすく、誰もが実践しやすいポイントが詰まった一冊です。Kindle版・299円で読むことができます。

参考:実践! タイムマネジメント研修: より少ない時間で、より高い成果を出すために 実践シリーズ (株式会社ポテンシャル・ディスカバリー・コンサルティング)

9ー2.なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である(文響社)

タイトルどおり「なぜあなたの仕事は終わらないのか」を解き明かすところから始まり、具体的なタイムマネジメント術はもちろん、人生の使い方まで考えるきっかけになる一冊です。定価は1,518円(税込)です。

参考:なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

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10.まとめ

今回の記事では、タイムマネジメントの意味や実践方法、タイムマネジメント力を高めるコツなどを中心に解説しました。

あらためて記事の内容を振り返ってみましょう。

・タイムマネジメントとは、時間の使い方をコントロールすることで仕事の効率や生産性を向上させ、成果を上げるための取り組み

・個人としてのタイムマネジメントのメリットは以下の2つ

 ・処理能力の向上

 ・新たな時間の捻出

・企業としてのタイムマネジメントのメリットは以下の2つ

 ・企業全体の生産性向上

 ・残業時間の削減

・タイムマネジメントの実践方法は以下の5つのステップ

 ・タスクを細分化して洗い出す

 ・期限・目標を設定する

 ・優先順位を明確にする

 ・スケジュールを組む

 ・定期的に改善・軌道修正する

・タイムマネジメントで失敗しないためのポイントは以下の2つ

 ・実現可能な内容で進める

 ・タスクを感覚で振り分けない

・タイムマネジメントを助けるおすすめツール・アプリは以下の3つ

 ・Backlog(バックログ)

 ・Senses(センシーズ)

 ・Jooto(ジョートー)

この記事を参考にタイムマネジメントに取り組み、限られた時間を充実させることで、理想の成果を手に入れましょう。