1on1導入の成功事例と失敗しないポイント、調査から判明した課題を解説!

近年、質の高い社内コミュニケーションを実現するための施策として「1on1ミーティング」が注目を集めています。

1on1ミーティングを行うことで、さまざまな効果が期待できますが、導入につまずくと失敗に終わってしまう可能性もあります。

そこで今回は、実際に1on1ミーティングを導入した企業の成功事例をご紹介するとともに、事前に認識しておくべき課題や失敗しないためのポイントを分かりやすく解説します。

既に1on1ミーティングを導入しており、より質を向上させるための改善策やヒントを探している方はもちろん、導入の検討段階で事前の情報収集を行っている方にも参考になる内容になっています。

ぜひ最後までご覧ください!

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1on1ミーティングとは

本題に入る前に、まず1on1ミーティングとは何か、概要を整理しておきましょう。

1on1ミーティングはアメリカのシリコンバレー企業から始まり、日本ではヤフーが本格的に導入したことから広く認知されるようになりました。

1on1ミーティングの手法はさまざまですが、一般的には上司と部下が定期的な面談を行い、部下の育成やエンゲージメント・モチベーションの向上を目指します。

上司と部下の面談というと、従来より多くの企業が導入している「目標管理面談」をイメージされる方も多いかもしれませんね。では、1on1ミーティングとは何が違うのでしょうか?

主な違いは、以下の3点が挙げられます。

①面談内容を人事評価に直接紐付けない

②部下が主役の面談である

③話題は業務内容以外のものも含まれる

従来の面談と比較すると、1on1ミーティングで重要になるのは、上司と部下の信頼関係の構築です。

そのためには、あくまでも主役は部下であることを忘れずに、部下の悩みや課題に対し、上司が真摯にフィードバックを行う風土を醸成していくことが求められます。

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1on1ミーティングの成功事例

1on1ミーティングを導入する際に参考にしたい成功事例をご紹介します。

成功事例①:ヤフー株式会社

最初にご紹介するのは、国内における1on1ミーティングの第一人者、ヤフーでの事例です。

ヤフーでは組織運営の向上や社員の潜在能力を最大限に引き出すことを目的に、2012年から1on1ミーティングを導入しています。

意外にも、導入当初はマネージャー層からの反対の声もあったそう。そんな状態から、現在は社員6000名規模で1on1ミーティングを実施するまでに社内浸透が成功した理由は何だったのでしょうか。

主な要因として、ヤフーは以下の点を挙げています。

・実行目的を明確にすること

・組織全体のマネジメント強化を効率化できるメリットを社員に伝えること

・経営層にもコミットしてもらうこと

・個々に実施している1on1について、客観的にフィードバックし続けること

導入後は外部の専門家も入れながら、ヤフーオリジナルのカリキュラムに整えたり、マネージャー層の1on1スキルを磨いたりと、さまざまな改善を尽くし今に至ります。

ヤフーの事例からは、1on1ミーティングを導入して終わりではなく、会社として社員が主体的に運用していけるようなサポートを行う重要性を感じられますね。

出典:『「1on1ミーティング」で強い組織をつくる 人材育成のための部下とのコミュニケーション』(https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20181011/1on1.html?_fsi=i2yyrROr

成功事例②:グリー株式会社

グリーでは、2014年から1on1ミーティング導入の検討を開始し、現在では全社員の7割が「1on1に満足している」と述べるほどの高い満足度を得ています。

同社では、元々1on1ミーティングを導入することが目的ではありませんでした。
1on1ミーティングは、あくまでも当時抱えていた組織課題を解決するための最適な手段の1つに過ぎなかったのです。

実際に1on1ミーティングを導入してからは、社内浸透に力を入れており、具体的には以下のような取り組みを行なっています。

・マニュアルや手引きを作成する

・サーベイの振り返り記事を制作する

・フェーズごとにテーマを変えながら定期的にトレーニングをする

・他の人事施策と連動させ、1on1ミーティング実施の必然性を高める

目的が明確にあった上で1on1ミーティングという手段を選んでいる点や、導入後も丁寧に社内浸透を図り、社員の満足度向上につなげている点が参考になりますね。

出典:「グリーグループにおける1on1について(グリー株式会社/株式会社3ミニッツ)」https://speakerdeck.com/masakatsunagata/zhu-shi-hui-she-3minitutu?slide=24

成功事例③:株式会社Gunosy

Gunosyでは、2017年から1on1ミーティングを導入しており、社員だけではなくアルバイトメンバーとも実施しています。

最初はテーマなどを特に決めず緩やかに運用を始めたそうですが、話題がタスク管理に偏ってしまい、キャリアなど中長期的な話がしにくいことが課題になったそう。

そこで内容を見直し、タスクの進捗管理とメンタリングの2軸を据え、それぞれを目的とした1on1を別々に実施する改善を行なったことで、以前よりも深い話ができるようになりました。

Gunosyの事例からは、一度導入してからも状況に合わせて柔軟に改善を加えていくことの大切さを学ぶことができますね。

出典:「事業目標は「ストーリー」で伝える。目的別の1on1を実践する、チームマネジメント術」

https://seleck.cc/1258

成功事例④:きらぼし銀行

きらぼし銀行では、2019年から1ヶ月に1回程度の1on1ミーティングを導入しています。

部下の人数が10名を超える上司には、自身の代わりにミーティングを実施するサポートメンバーを任命することができるなど、上司の負荷軽減への配慮がされている点が特徴的です。

また、「コミュニケーションサーベイ」と称するアンケートも実施しており、PDCAを回しながら、より良い運営のために改善を重ねています。

コミュニケーションサーベイでは、91.4%の社員が「1on1が役立っている」と回答しており、高い満足度を実現。「心理的な安心感がある」「意思疎通が図れるようになった」「今まで見えていなかったチームの課題が見えてきた」などの前向きな意見が多く寄せられています。

1on1ミーティングを導入して終わりではなく、事後のサーベイを用いて運営の改善を行っている点は、成功要因の1つと言えるでしょう。

出典:『パナソニック、きらぼし銀行が取り組む「1on1」~企業事例』

https://hrd.php.co.jp/management/articles/1on1-1.php

成功事例⑤:サイボウズ株式会社

サイボウズでは、週1回〜月1回のペースで、「ザツダン」と称する1on1ミーティングを実施しています。

内容はその名の通り、雑談でOK。決まった制度やルールはありません。部下の人材育成のために、多くの上司が自然発生的に行なっています。

通常の1on1ミーティングは、ティーチングとコーチングの中間に位置づいているようなイメージですが、「ザツダン」はよりカジュアルな雰囲気であることが特徴です。必ずしも部下の成長を促そうとしなくても良いとしています。

また、同社では、従来型の上司と部下の1on1ではなく、同僚どうしで自由に相手を探して1on1を実施するケースも増えているそうです。

「コミュニケーション量を増やす」という目的を達成するためには、細かい制度設計や形式に拘らず、柔軟な運用ができている点が参考になりますね。

出典:『サイボウズ流1on1ミーティング「ザツダン」とは?』

https://teamwork.cybozu.co.jp/blog/1on1-meeting.html

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