心理的安全性がチームのミスを減らす?!その理由と効果とは

ミスをなくすためのキーワードとして注目されている「心理的安全性」。

心理的安全性のない職場では、評価されることを気にしすぎたり、非難や失敗を恐れすぎたりしてミスが誘発される恐れがあるとされています。

この記事では、心理的安全性の考え方や、ミスとの関係性、心理的安全性を上げるためにすべき具体的な方策などについて説明していきます。

1.チーム内で起こるミスの原因の1つは『心理的安全性』?

組織内でミスが起きたときに、多くの人はそのミスの直接的な原因を探そうとします。しかし、多くの場合でミスの原因は多岐に渡っているものです。

原因が見つかってその場では解決できたとしても、また同じようなミスが起きる場合は、他にも原因があると考える必要があるでしょう。ミスが続いて根本的に解決できない組織の多くは、結果を求めるあまり、それに至る行動や思考をおざなりにしています。

例えば、「常に高いレベルの仕事を求めてくる上司に質問しにくい」「仕事に対する評価項目が細かすぎて、何を言っても評価されている気がするから自由な発言ができない」「チーム内のコミュニケーションが少なく、信頼関係を構築できていない」などの状況になっていないでしょうか。

チーム内の人間関係を見直し、行動や思考を変えることが、ミスの少ない組織を作り、結果を残すと考えられています。そのための鍵となるのが「心理的安全性」という考え方です。

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2.心理的安全性とは

「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織行動学を専門とするハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が、1999年に論文「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」で提唱した心理学用語です。

「心理的安全性」という漢字を読むと、この言葉は精神的に相手を傷つけないことを意味しているようにも思えますが、提唱されている意味合いは異なります。「心理的安全性」とは、組織の中で他の人の影響を受けることなく、自分の気持ちや考えを安心して表せる状態のことです。

この定義から「上司に何でも相談できる関係性」や「チーム内で冗談を言ってざっくばらんに話ができる仲の良さ」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、仲の良い関係が必ずしも心理的安全性を高くするわけではないので注意が必要です。

例えば、他の人から見て常識外れと思えるような発言だったとしても、誰もその発言を拒絶したり、罰したりしないと確信し、安心して発言できる状況が「心理的安全性」の高い状態です。

お互いが相手の立場を考えて空気を読むことで、メンバーの仲の良さが成り立っている場合はこれに当てはまりません。「この発言をすることで人間関係が悪くなるかもしれないからやめておこう」「これは間違っていると指摘される可能性が高いから言わないでおこう」と忖度してしまうことで、自由に意見を言ったり、指摘したりできなくなるからです。

どのような発言をしても、組織内で人間関係が悪くならないという安心感が担保されていることが、心理的安全性を高くするポイントです。

「この場ではどのような意見を言っても批判しない」「参加者は自由に発言するように」などとルールを決めて行われる会議もありますが、こうした場に必ずしも心理的安全性があるわけではありません。

心理的安全性とはルールによって強制的に定められるものではなく、暗黙の了解として共有されている雰囲気を指すからです。とはいえ、組織内の良好な人間関係なくして心理的安全性は生まれないのも確かです。

心理的安全性が注目されるようになったきっかけ

心理的安全性が注目を集めるようになったきっかけは、アメリカのGoogle社が生産性向上を目的に行っている「プロジェクト・アリストテレス」の調査結果です。

調査では、チームメンバーの生産性は働き方によるものではなく、安心して発言できるという心理的な状態によって高くなると示されていました。この調査により、組織の生産性をあげるために必要な要素として認識されたことと、企業が効率よく生産性をあげる働き方を求めていたことが合致し、多くの企業で心理的安全性を重視する取り組みが始まりました。

3.なぜ心理的安全性がミスと関係があるのか

多くの場合、仕事は複数人でチームを組んで行います。最初から最後まで1人だけで完結する仕事は、ほぼないといってもよいでしょう。特に会社などの組織に所属している場合は、部署をまたいでさまざまな人と協力し合いながら仕事を進めていく必要があります。

チーム内で刺激し合い、1人1人の力が引き出されることが大きな成果を出すためのポイントです。心理的安全性が高いことはチームの力を引き出すために欠かせません。

もし心理的安全性が低い状況にチームがあれば、どのようなことが起きるでしょうか。

心理的安全性が低いチームでは、失敗や非難を恐れるあまり、本音を話すことが難しくなります。コミュニケーション不足による勘違いが起きる可能性もあります。このような状況では、チーム内での信頼関係は築けません。

4.心理的安全性が低いことで起こり得るミス

エドモンドソン教授は、心理的安全性が低いことで起きる4つの不安について「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔をしていると思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」をあげています。

それぞれの不安は、ミスを誘発するもとになっていると考えてよいでしょう。

①「無知だと思われる不安」で起こり得るミス

1つ目の「無知だと思われる不安」があると、相手に気軽に相談したり質問したりすることができなくなります。相談しておけば問題にならなかった些細なことが、大きなミスにつながってしまうようなケースが増えるでしょう。その場で上司や同僚に質問しなかったことで、顧客への対応が遅れる原因にもなります。

②「無能だと思われる不安」で起こり得るミス

2つ目の「無能だと思われる不安」があると、ミスやトラブルがあったときにそれを隠すようになってしまいます。

最初は自分で解決できるような小さなミスであっても、積み重なれば大きなトラブルに発展しかねません。また、自分の能力不足を隠してしまうことで、周囲にその人の能力がどの程度のものなのかが伝わらず、周囲から学んで成長するチャンスが失われてしまいます。

ミスから学び成長することもできないので、次に同じような状況になったときにもまたミスをしてしまう可能性があるといえるでしょう。

③「邪魔をしていると思われる不安」で起こり得るミス

3つ目の「邪魔をしていると思われる不安」があると、議論が長引いたり、自分の意見で話が脱線してしまったりするのを恐れるあまり、積極的にアイデアを出し、指摘をすることができなくなってしまいます。

会議では多くの人が意見を出し合ってよりよい方策を決めていくことが大事ですが、上司やチームリーダーの意見が強い場合など指摘ができない環境下では限られた人の意見だけが通ってしまい、現場で実際に働く人の意見が反映されない可能性も。現場の現状とかけ離れた指示で動かなければならなくなると、ミスが起こりやすくなる可能性があります。

④「ネガティブだと思われる不安」で起こり得るミス

4つ目の「ネガティブだと思われる不安」があると、相手を否定するような意見を控えるようになります。

本来、チーム内に課題があった場合は、積極的に指摘して改善することが大切です。しかし、ネガティブな印象を持たれることを恐れると、現状に対してマイナスとなるような指摘ができなくなり、課題の改善ができません。

課題はそのまま放置されてしまうため、ミスが起きやすくなってしまいます。

5.心理的安全性をあげるためにすべきこと

心理的安全性を高めるためには、組織の現状を知る必要があります。組織のどこに、どのような問題があるかを見極めるために有効なのが、エドモンドソン教授が推奨する「7つの質問」です。

「7つの質問」で組織の状況を確認

「チーム内でミスを起こすと、たいてい批判をされる」「チームのメンバー内で、課題やネガティブなことを指摘し合うことができる」「チーム内のメンバーは、異質なものを拒絶する傾向にある」といった質問では、チーム内に異なる意見を受け入れる素地があるかどうかを確認することができます。

また、「チームに対して、リスクが考えられる行動を取っても安心感がある」「チーム内のメンバーに助けを求めにくい」「チーム内で自分を騙すようなメンバーはいない」といった質問では、チーム内の信頼関係を客観的にはかることが可能です。「現在のチームで業務を進める際、自分のスキルが発揮されていると感じる」という質問では、チーム内の人間関係が良好で力を発揮できているかどうかが分かるでしょう。

7つの質問に回答した結果、ポジティブな回答の数が多い組織は心理的安全性の高いチームだと考えることができます。一方で、ネガティブな回答の数が多い組織は、心理的安全性の低いチームです。

「9つの兆候」で心理的安全性の低さが分かる

心理的安全性が低い組織の特徴は「9つの兆候」としてまとめられています。「社員が会議中にほとんど質問しない」「社員は過ちを認めることに抵抗を感じている」「チーム全体で、難しい会話や激しい議論を招く話題を避けている」といった兆候からは、自由に発言することを避けている状況が分かります。「役員や上司が会議の議論を支配している」「フィードバックがほとんど行われず、求められることもない」といった兆候は、また上司やチームリーダーに関するものです。心理的安全性はチームリーダーの振る舞いに大きく影響されるため、この兆候は正確に把握しておきたいポイントといえるでしょう。

「社員が自分の業務以外のことを進んでしない」「社員同士が、お互いに助けを求めることがない」「意見の食い違い、異なった視点からの意見がほとんど出ない」「社員はお互いを職務的に知っているだけで、個人的に知っている訳ではない」といった兆候からは、人間関係が良好かどうかや、チームワークが取れているかどうかが分かります。

7つの質問と9つの兆候を分析して生かす

7つの質問に対する回答と9つの兆候が組織に当てはまるかどうかのチェックを分析することで、心理的安全性を高めるためのヒントが見つかります。この分析をもとに具体的な施策に取り組んでいきましょう。

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6.具体的な施策

心理的安全性を高めるためにしなければならないことは、チームをまとめる上司やリーダーと、チームメンバーとでは異なります。それぞれについて具体的に説明していきます。

チームリーダーが行うこと

チームの心理的安全性が高くなるか、低くなるかは、チームリーダーの影響による部分が大きいです。

チームリーダーは会議を仕切ったり、チーム内で起きたトラブルやミスの解決をしたりすることが多く、その際の振る舞いによってメンバーが感じる心理的安全性が変化するからです。

心理的安全性を高くしようと考えるなら、失敗や間違いを恐れずに意見を言い合える雰囲気づくりを進めましょう。「この点はよく理解できていないので教えてほしい」「自分が気づいていない点があるかもしれないから、皆の意見を聞きたい」など、リーダー自身が行動で示すことが効果的です。リーダーの行動が変われば、チームの雰囲気を迅速に変えることができます。

メンバーから指摘や意見が出てきたときには、それがどのようなものであっても発言してくれたことにまず感謝を示しましょう。「どんな意見でも言っていいんだ」「受け入れてもらえるんだ」という雰囲気がメンバーの間で共有されることが大切です。

メンバーとの信頼関係を構築するために、1対1のミーティング「1on1」も有効です。

雑談を挟みながらざっくばらんに会話を進める中で、仕事に対する考えや、将来的にどのような仕事をしたいかなどを聞いていきましょう。

たとえ自分の思いと異なる考えをメンバーが抱いていたとしても、頭から否定することなく耳を傾けることが大切です。「上司は自分の意見を尊重してくれる」「何でも相談できる相手だ」と思ってもらえるような関係性を築いていきましょう。

チームリーダーは「心理的安全性の高いチーム作りを目指している」ということをメンバーに周知しておく必要があります。チームリーダーだけの取り組みでは実現できないことだからです。

心理的安全性の高いチームを作ることが、組織や仕事、働く人にとってどのようにプラスに働くかも併せて説明し、協力を得られるようにしておくとスムーズに取り組みを進めることができます。

チームメンバーが行うこと

心理的安全性の高いチームは、互いの意見や考えを尊重し合えるチームと言い換えることもできます。メンバー1人1人が相手の発言に耳を傾ける意識を持つことが大切です。

自分の考えと違う内容だったとしても、頭から否定せずに聞く姿勢を見せることで、格段に意見が言いやすくなります。疑問に思ったことについては曖昧に済ませるのではなく積極的に質問し、より深い意見交換をすることも良い効果を生みます。

チームの心理的安全性を低くするのは「非難されるかも」「失敗を指摘されたくない」といったネガティブな思考です。メンバー同士がポジティブな考えを持つように心がけることによっても、心理的安全性は高まっていくでしょう。

特におすすめなのはUnipos

チームの心理的安全性を高める方法の1つが「ピアボーナス」です。

ピアボーナスとは、組織のメンバー同士が「貢献に対する称賛のメッセージ」と「少額のインセンティブ」を送り合う仕組みのことで、メンバーの貢献を可視化し、称賛することでポジティブな姿勢を示すことができます。

中でも「Unipos」は強い組織を作ることを目的としたピアボーナスです。

相手の仕事を認めていたり、感謝していたりしても、それを直接言葉で伝えるのは難しいものですが、ピアボーナスという形でメッセージとインセンティブを送り合うことで、気持ちを伝えあうことが当たり前の風通しの良い組織を作ることができます。

感謝・称賛の投稿が、組織の誰もが見ることができるオープンな場で行われることもポイントです。

投稿を読み、共感した人は拍手機能を使って称賛の気持ちを表すことができます。ポジティブな雰囲気がチームの中に広がり、意見を交換しやすい組織が構築されていきます。

このような組織では心理的安全性が高まり、ミスを隠したり、批判されることを恐れて発言をやめたりすることがなくなっていくでしょう。自由闊達に意見が交わされることで、新たなイノベーションが生まれる可能性も高まります。

こうして心理的安全性の高い組織が構築された後、その状態を保つために取り組みを続けることが大切ですが、こうしたシーンでも「Unipos」のピアボーナスを送り合う方法は有効です。

失敗や非難を恐れずに発言できる信頼関係が大切

心理的安全性が低い組織はミスを起こしやすく、仕事における生産性の向上も見込めません。こうした状況の根本的な解決のためには心理的安全性を高める取り組みが重要です。

心理的安全性を高めるためには、チームの仲間に信頼されているという確信が必要不可欠。日ごろから感謝の気持ちを伝えあえる「Unipos」のピアボーナスなど、ツールを用いて取り組みを進める方法もおすすめです。

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