テレワーク下の人事評価に悩めるマネージャーへ。問題と解決策を解説

「テレワークで毎日顔を合わせることがなくなった部下の評価をどのようにすべきだろうか?」

「非テレワークメンバーとテレワークメンバー両方の評価を公平に行いたいが…」

コロナ禍によりテレワークが加速した一方で、このような悩みを抱えているマネージャーは多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では 

・テレワーク下の人事評価の問題

・テレワーク下で適切な人事評価を行うポイント

・テレワーク下の人事評価成功に向けての取り組み

・非テレワークメンバーへの配慮方法

など、テレワーク下の人事評価が抱える問題とその解決策について、簡潔にわかりやすく解説します。さらに、記事中盤ではテレワーク下の人事評価をサポートするツールもご紹介します。

最後まで読めば、あなたがテレワーク下で適切な人事評価を行うために何をすべきかが分かるはずです。

1.テレワーク下で人事評価を行う際の4つの問題

本章では、テレワーク下で人事評価を行う際の4つの問題について解説します。

1-1.プロセスが見えづらいため、成果のみの評価となりがち

1つめの問題は「プロセスが見えづらいため、成果のみの評価となりがち」なことです。

これまでは全社員が毎日出社しており、マネージャーは部下がどのように仕事をしているのか実際に目にし、プロセスを評価することができていました。

しかしテレワーク下では、部下の仕事のプロセスを把握する術がパソコン画面越しのやりとりのみになり、限られた情報からプロセスを評価することの難しさが浮き彫りになりました。それゆえに、数字で見える成果のみの評価となりがちという問題が生じています。

そして、それは成果の数値化が難しい管理部門や情報システム部門のメンバーの不公平感を生む恐れもあります。

1-2.コミュニケーションが減り、定性評価がしづらい

2つめの問題は「コミュニケーションが減り、定性評価がしづらい」ことです。

オフィスで部下と何気ない会話をする中で、部下のモチベーションを推し量ったり、仕事の悩み相談にのったりした経験があるマネージャーも多いでしょう。

しかし、テレワーク下でのコミュニケーションは、オンラインMTGやメール、チャットを利用しての業務に直結する連絡に終始しがちです。その結果、上司と部下の業務以外のコミュニケーションが減り、部下のモチベーションや取り組み姿勢を把握することが難しくなってしまうのです。

そのような状況では、当然定性評価もしづらくなります。

1-3.評価項目が出社を前提にしたものになっている

3つめの問題は「評価項目が出社を前提にしたものになっている」ことです。

コロナ禍以前は全社員が毎日出社する事が当たり前だったため、評価項目も知らず知らずのうちに出社を前提としたものになっています。

たとえば、「〜を意欲的に行っていた」という評価項目は、部下のモチベーションや勤務態度をオフィスで把握することが前提になっていると言えるでしょう。そのため、テレワーク下ではミスマッチが生じます。

1-4.複数人で評価を行う場合、評価者同士のコミュニケーションが取りにくい

4つめの問題は「複数人で評価を行う場合、評価者同士のコミュニケーションが取りにくい」ことです。

テレワーク下でのコミュニケーションの難しさは、上司と部下の間に限った事ではありません。評価者同士でも同様の事が言えます。

また、複数人の評価の進捗がテレワーク下では見えづらく、確認や承認に時間がかかるといった問題も見受けられます。

2.テレワーク下で適切な人事評価を行うために、何をすべきか?

本章では、テレワーク下で人事評価を行うために何をすべきか、具体例と共に解説します。

2-1.明確な目標設定を行う

1つめは「明確な目標設定を行う」ことです。

テレワーク下では、毎日出社していた時と同じように部下の仕事のプロセスを把握することが難しいのは確かです。

だからこそ、これまでよりも一層明確な目標設定を行う必要があります。

たとえば、「いつまでに」「何を」はもちろんとして「どのようなプロセスで行うか」を明文化する、などです。そのプロセスは、良い成果を出し続けるためにテレワーク下でも持続・再現可能なものであるかどうか、部下とよくすり合わせることも大事です。

2-2.評価項目を見直し、テレワークに即したものにする

2つめは「評価項目を見直し、テレワークに即したものにする」ことです。

先ほど述べた通り、「〜を意欲的に行っていた」という評価項目は、部下のモチベーションや勤務態度をオフィスで把握することが前提になっています。

よって、「定期的なオンラインMTGで進捗の報告があった」など、テレワークに即した評価項目にする事を推奨します。

2-3.ツールの力を借りる

3つめは「ツールの力を借りる」ことです。

今の時代、仕事の可視化やコミュニケーションに役立つツールが多数登場しています。

これらのツールは、テレワーク下で起こっている「プロセスが見えづらい」「コミュニケーションの減少」といった、ネガティブな事象の改善に注力しています。様々な機能を持ったツールの力を借りることで、あなたはテレワーク下でより適切な人事評価を行うことが可能になるでしょう。

さっそく、次の章で3つほど紹介します。

3.テレワーク下の人事評価をサポートするツール3選

本章では、テレワーク下の人事評価をサポートするツールを3つ紹介します。

3-1.Unipos(ユニポス)

【出典:Uniposプロダクトサイト

Uniposは東京証券取引所マザーズ上場のFringe81株式会社が、2017年より提供する国内初のピアボーナスツールです。2021年3月現在、東証一部上場企業から中小企業まで幅広く470社が導入しています。

感謝・称賛の言葉と共に従業員同士がピアボーナスを送り合い、仕事の貢献を見える化することでプロセス評価を可能にします。

■こんな企業におすすめ

・テレワーク下でもプロセス評価をしたい

・誰がどんな仕事をしているのか可視化したい

・感謝・称賛を大事にしたい

3-2.カオナビ

【出典:カオナビプロダクトサイト

カオナビは、東京証券取引所マザーズ上場の株式会社カオナビによるクラウド人材管理システムです。

評価フローをクラウドで効率化することによる煩雑な作業からの脱却が、評価者同士のコミュニケーションやフィードバックの質向上に寄与します。

評価シートの高いカスタマイズ性もポイントです。

■こんな企業におすすめ

・テレワーク下でもスムーズに評価を行いたい

・評価者同士のコミュニケーションやフィードバックの質を向上させたい

・企業独自の評価シートを引き継ぎたい

3-3.ZENO クラウド日報

【出典:ZENO クラウド日報プロダクトサイト

ZENO クラウド日報は、東京証券取引所一部上場の株式会社デザインワン・ジャパンによる業務改善クラウドサービスのうちのひとつです。

SNS機能を備えたクラウド日報で、組織のコミュニケーション活性化が狙えます。また、集計・分析によってコンディション(モチベーション)可視化も可能です。

■こんな企業におすすめ

・テレワーク下でもコミュニケーションを密にとり、部下の状態を把握したい

・日報を単なる報告で終わらせたくない

・部下のコンディションを把握し評価に役立てたい

4.テレワーク下の人事評価成功に向けての取り組み

本章では、テレワーク下での人事評価成功に向け、各社の取り組みを2つほど紹介します。

4-1.株式会社GMOメディアの事例

1つめは、株式会社GMOメディアがテレワーク下での人事評価の問題を、Uniposで改善した事例です。

GMOインターネットグループで、インターネットにおけるメディア事業領域を担っているGMOメディアは、Uniposを2019年3月より導入しています。

2020年1月末、コロナ禍への対策としていち早く在宅勤務体制へ移行したGMOメディアは、Uniposを活用することで、離ればなれで働く仲間の仕事の様子や、その貢献を見失わずにすみました。

GMOメディアのコーポレート部 部長 柑本繁典氏はこのように述べています。

「Uniposの投稿を通じて、他部署の業務が見える化されているということにあらためて気づけました。投稿を見ることで、この部署はすごく忙しいんだなとか、高い熱量を持って仕事をしているんだなとか、そういうことがUniposで見えるようになりました」

Uniposが、テレワーク下で評価を行うにあたって問題となる「プロセスが見えづらいため、成果のみの評価となりがち」「コミュニケーションが減り、定性評価がしづらい」を解決し、評価成功への足かがりとなっている事例と言えるでしょう。

【参照:ONE TEAM Lab GMOメディアが明かす「テレワークでの分断を防ぐ組織活性の仕掛け」とは(ウェビナーレポート)

4-2.株式会社リコーの事例

2つめは、株式会社リコーがリモートワーク制度の整備と同じタイミングで、評価制度の整備に取り組んだ事例です。

リコーでは2018年4月から、入社1年以上の正社員、定年再雇用社員、常勤嘱託社員を対象に、在宅およびサテライトオフィスでのテレワークを可能とするリモートワーク制度を整備しました。そして同じタイミングで、評価制度を改訂しています。

さらに、全マネージャーに対するワークショップを実施し、新しい評価制度についての説明を行いました。人事評価は成果のみならずチャレンジやコラボレーションなどの期待行動実践により行うこと、リモートワーク活用によりパフォーマンスを最大化したいことを伝えたのです。

このようにテレワークを実施するだけではなく、同じタイミングで評価制度を改訂し、マネージャーの意識啓発をセットで行なうことは、テレワーク下の人事評価成功に大きく貢献するはずです。

【参照:テレワーク総合ポータルサイト 株式会社リコー

5.テレワークと非テレワークで評価への不公平感を生まないようにするポイント

本章では、テレワークと非テレワークで評価への不公平感を生まないようにするポイントを解説します。

5-1.非テレワークの評価項目見直しをする

1つめのポイントは「非テレワークの評価項目見直しもする」ことです。

テレワーク社員のフォローをしている非テレワーク社員がいることを忘れてはなりません。

実際に、リクルートマネジメントソリューションズがテレワーク経験のある社員664人に実施した調査では、「オフィスにいる人に業務が偏り不公平感が生じている」と答えた人が5割以上にのぼりました。

非テレワークだけが負担を強いられるような評価項目が無いかどうか見直し、必要に応じて改訂することが必要でしょう。

5-2.評価の理由を丁寧に説明する

2つめのポイントは「評価の理由を丁寧に説明する」ことです。

調査では、テレワークを月の半分以上行っている20〜30代の社員412人の約2割が「テレワーク下で人事評価の納得感が低くなった」と答えたことが分かっています。

その主な理由は

・プロセスや取り組み姿勢を見てもらえない

・コミュニケーションや相互理解が減った

・正しく評価されているか不信感がある

の3つでした。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ テレワーク下における人事評価に関する意識調査

「どのようなプロセスや取り組み姿勢を、どのように評価したのか」を丁寧に説明することが、テレワーク社員の評価への不公平感を払拭する上で重要だと示す結果と言えるでしょう。

5-3.テレワーク、非テレワークを問わず感謝・称賛を大事にする

3つめのポイントは「テレワーク、非テレワークを問わず感謝・称賛を大事にする」ことです。

まず、2つの調査によって明らかになった、人事評価と感謝・称賛の関係に関する興味深い結果を紹介します。

■2020年12月に行われた、テレワークを月の半分以上行なっている20〜30代の社員493人への調査

評価結果に納得している社員と、評価結果に納得していない社員それぞれに「上司は目標に対して良い仕事をしたときに認めたり、褒めたりしてくれたか」と質問した。

その結果、「あてはまる」と回答した評価結果に納得している社員は、評価結果に納得していない社員の2倍以上となった。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ テレワーク下における人事評価に関する意識調査

■2016年12月に行われた、自社に人事評価制度があると回答した20~40代の社員238人への調査 ※テレワークの経験は問わない。※総務省が2016年に行なった調査によると、常用雇用者規模100人以上の企業2032社がテレワークを導入していた割合は13.3%である。

評価をめぐる上司とのコミュニケーションで、意欲が上がった瞬間を自由記述で回答してもらった。

その結果、最も多かったのは「承認・感謝の言葉があった瞬間」であった。当然と思われた「高い評価そのもの」よりも2倍近い回答があった。

具体的には「いてくれて助かっていると感謝された時」「よくやってくれている、という言葉をかけてもらった時」というコメントがあった。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ 人事評価制度に対する意識調査

この2つの調査結果からは、テレワーク、非テレワークメンバー共に、上司からの感謝・称賛の言葉が人事評価に非常にポジティブな影響を与えることが分かります。

テレワークと非テレワークの両者が、上司からの感謝・称賛の言葉によって「上司が自分の仕事を認めてくれている」「自分の仕事が適切に評価に反映される」という喜びや安心感を感じることが、人事評価の不公平感払拭につながるのです。

テレワークと非テレワークが入り混じり、両者が人事評価に不公平感を感じやすい状況においてこそ、マネージャーは両者に「しっかり見ているよ」というメッセージと共に感謝・称賛を伝えることを大事にすべきでしょう。

【参照:リクルートマネジメントソリューションズ 一般社員2040名、管理職618名に聞く テレワーク緊急実態調査

【参照:リクルートマネジメントソリューションズ テレワーク下における人事評価に関する意識調査

【参照:総務省 平成28年通信利用動向調査の結果

【参照:リクルートマネジメントソリューションズ 人事評価制度に対する意識調査

6.まとめ

いかがでしたか?

今回はテレワーク下の人事評価について考えていきました。

最後にポイントを振り返ってみましょう。

■テレワーク下で人事評価を行う際の4つの問題

・プロセスが見えづらいため、成果のみの評価となりがち

・コミュニケーションが減り、定性評価がしづらい

・評価項目が出社を前提にしたものになっている

・複数人で評価を行う場合、評価者同士のコミュニケーションが取りにくい

 

■テレワーク下で適切な人事評価を行うために

・明確な目標設定を行う

・評価項目を見直し、テレワークに即したものにする

・ツールの力を借りる

 

■テレワークと非テレワークで評価への不公平感を生まないようにするには

・非テレワークの評価項目見直しをする

・評価の理由を丁寧に説明する

・テレワーク、非テレワークを問わず感謝・称賛を大事にする

 

テレワーク下の人事評価は過渡期の真っ最中にあり、悩めるマネージャーも多いことでしょう。

しかし、先ほど紹介したように、テレワーク下の人事評価をサポートするツールも多く登場しています。

ポイントを押さえながら必要に応じてツールも活用することで、テレワーク下の人事評価を成功させてください。