フィードバックには2つの効果がある!効果を最大化する方法を全解説

「部下へのフィードバックには、具体的にどのような効果があるのだろう?」
「実際のところ、本当にパフォーマンス向上につながっているのか?」

あなたはこんな風に、フィードバックの効果について、ちょっと疑問を抱いているのではないでしょうか。

結論からいえば、フィードバックは部下の才能をメキメキと伸ばし、成長を促す効果があります。
代表的な効果は以下の通りです。

モチベーションの向上
パフォーマンスの向上

非常にシンプルではありますが、この2つはビジネスパーソンとして必須のポイント。
上司が是非とも伸ばしてあげたい重要な部分ですから、やらない手はありませんね!

 ただし、注意点があります。それは、なんとなくやみくもにフィードバックを行っても、期待通りの効果は得られないということ。

裏を返せば、押さえるべきポイントをしっかり押さえてフィードバックすれば、モチベーションもパフォーマンスも確実に向上できます。

この記事では、まず「フィードバックで得られる効果」について、くわしく解説します。
さらに「効果を最大化させるフィードバック方法」についても紹介。

今日からすぐに「最も効果的なフィードバック」が行えるようになります!
それでは早速、ご覧ください。

下記のような方におすすめ!

◎「フィードバックの効果」を十分に理解しておきたい
◎メンバーの「パフォーマンスを最大化させるフィードバック」を行いたい
◎メンバーの「仕事へのモチベーションを最大化させるフィードバック」を行いたい
◎一刻も早く的確な「フィードバック」を行えるようになりたい

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1.フィードバックを行うことで得られる2つの効果

フィードバックは「部下のパフォーマンス向上」のために行う「客観的なアドバイス」のことをいいます。
このフィードバックには、以下のような効果が認められています。

・モチベーションの向上
・パフォーマンスの向上

本章では学術論文や具体例を交えながら、どうしてこのような効果が得られるのか、詳しく解説していきます。

1-1.モチベーションの向上

フィードバックには、モチベーション向上に役立つ効果が実証されています。

国際教養大学の古田梨乃氏による学術論文によると、相手のよいところをほめる「ポジティブなフィードバック」も、相手の弱点を指摘する「ネガティブなフィードバック」も、「モチベーションの向上」につながる有益なアクションであることがわかっています。

とりわけモチベーションUPに効果的だとされるのが「ポジティブフィードバック」。
継続的にポジティブフィードバックを行った後、しばらくしてから「学習モチベーション」について確認したところ、被験者のうち9人中9人が「もっと勉強したい!」と回答しました。

この研究結果は、成長過程の若年社員にも応用できますね。
積極的にポジティブフィードバックを行うことで、部下の「仕事へのモチベーション」が高まっていくでしょう。

 ビジネスシーンでどのように活用するべきか、具体例を挙げて説明します。

【目標達成できなくてモチベーションが低下している部下の場合】

ある営業部において、なかなか売上目標を達成できない部下がいる場合。
その部下は「一生懸命がんばっているはずなのに、結果が出ない」と、思い悩んでいて、仕事へのモチベーションも低くなっていました。

端的にいえば、自分なりに頑張っているが「どういうアクションや努力が足りていないのか」を自己分析できないがために、目標達成できず、モチベーションも著しく低下している状況です。

そういった場合、経験豊富な上司が、部下の営業に同行し、彼の行動をつぶさに観察するのがオススメです。そのうえで「具体的に足りていないポイント・改善するべきポイント」をフィードバックするのです。

たとえば「お客さまと話をするときに表情が固い」といったことや「ニーズの深堀ができていない」といった具合に、客観的に気になるポイントを率直に伝えるのです。

そうすると「どのような改善・努力をすれば、目標達成に近づけるのか」正しい道筋が描けるようになり、部下は自信をもって前に進めるようになります。

「自信をもって前に進める」ようになると、余計な不安やストレスがなくなり「モチベーション」も取り戻せるようになります。

このような具合に、フィードバックはモチベーションUPに役立つアクションです。
仕事に行き詰まりモチベーションが低下している部下にこそ、フィードバックを行いましょう。

参考:学習者のモチベーションを上げる,または下げない教師のフィードバック

1-2.パフォーマンスの向上

フィードバックは、パフォーマンス向上を強力に後押しするアクションです。

なぜならば、フィードバックを行うことで「自分の弱点がクリア」になり、正しい改善・正しい努力ができるようになり「アウトプットの精度」が向上するからです。

1. 弱点の認識-「自分に足りていないポイント」や「弱点」がクリアになる
2. 改善への近道-「正しい改善・正しい努力」ができるようになる
3. アウトプットの精度UP同じ失敗を犯さない/期待以上の成果を挙げる

具体例を用いるとわかりやすいと思います。
どういうことか、説明しますね。

【自分の問題点がわかっていない新人にフィードバックした場合】

新人コピーライターは、ある化粧品メーカーのクライアントから、新商品のキャッチコピーを任されました。国内トップクラスのクライアントだったので、新人は大張り切り。要求に応じて、100本のコピーの作成を目標にしました。

新人は、寝る間も惜しんで一生懸命コピーを考えて、プレゼン当日を迎えました。
しかし、いざキャッチコピーを提案してみると、「採用したいコピーがない」と再提出を求められてしまいました。

クライアントが納得するコピーを、1本も作れなかったことにがく然とした新人は、経験豊富な上司に相談。

そこで、上司がクライアントの話をよくよく聞いてみると、キャッチコピーの軸になる「ターゲットの年代」が、明らかにずれていることが分かりました。

新人は、ターゲット設定を見誤っていたのです!

それに気づいた上司は、新人にすぐさま「クライアントのニーズをしっかりと把握できていなかったこと」をフィードバックしました。
加えて、今後は、漏れなく要望を聞き出し要件を確定させるための「ヒアリングシートの作成」も提案しました。

新人は、自分では認識できなかった「不足スキル」と「同じ失敗をしないための具体的な方法」がわかったので、パフォーマンスが劇的に向上。結果として、優れたキャッチコピーが作成できるコピーライターになりました。

このような具合に、フィードバックはパフォーマンスUPに役立つアクションなのです。

ここまでの解説を通して、フィードバックは「モチベーション」と「パフォーマンス」の向上に貢献する優れたアクションだということが、ご理解いただけたのではないかと思います。

次章では、実際にフィードバックを行う上で「絶対に押さえるべき基本ポイント」5つをご紹介します。
これら5つのポイントを押さえれば、フィードバックの基本はパーフェクトです。

 是非、こちらも目を通しておいてくださいね。

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2.基本編!フィードバックをする上で絶対に押さえるべき5つのポイント

フィードバックを行う際には、押さえるべき「基本ポイント」があります。

日頃からコミュニケーションをとる
目的の共有を行う
具体的に伝える
スピーディに伝える
フィードバックサンドイッチは行わない
実現可能なフィードバックを行う
フィードバックに基づいた行動ができているかチェックする

取り組んでほしい順にご紹介していきますね。

2-1.フィードバック前に行いたい2つの「事前準備」

フィードバックを行ううえで、最重要ともいえるのが「事前準備」です。
「事前準備」として取り組むべきなのは「部下との積極的なコミュニケーション」と「目的の共有」の2つです。

これらは、部下がフィードバック内容をしっかり受け止め、改善に努めていこうという「前向きなマインド」を醸成するため必要不可欠です。

フィードバックの実効性を高めるうえで、欠かせないものなのだということです!
順に説明していきますね。

2-1-1.日頃から頻繁に「コミュニケーション」を取る

部下とは、日頃からコミュニケーション頻度を高め、ざっくばらんに何でも話し合える関係性を築きましょう。

普段からコミュニケーションをしっかり取っていれば、お互いの信頼関係が強化されます。その結果、上司が下すフィードバックの内容そのものを、受け入れてもらいやすくなるというメリットがあります。

仕事の相談事もプライベートの悩み事も、気兼ねなく話し合える関係性を構築することが大切です!

この点については、身近な例を用いて説明することができます。

たとえば、自分の欠点についてアドバイスを受けた場合。
どの人物からのアドバイスが、最も有益だと感じるでしょうか。

・自分にとって居心地のよい友人のような人
・あまり話したことがない人
・自分に対する批判ばかり言ってくる人
・自分のいいところも悪いところも深く理解している人

「自分にとって居心地のよい友人のような人」か「自分のいいところも悪いところも深く理解している人」ではないでしょうか。

フィードバックを受け入れてもらうためには、普段からしっかりとコミュニケーションを取ることで、良好な関係築ことが大切です。

もちろん、あなた自身が、的確なフィードバックを行うためにも「部下の人となり」を把握しておくことは大切ですから、プラスに働くでしょう。

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2-1-2.フィードバックを行う前に「目的の共有」を行う

フィードバックを行う前にもう一つ取り組んでほしいことがあります。
それは「目的の共有」です。

何の前触れもなくいきなりフィードバックを行ってしまうと「一体何が起こったのだろう」と、部下は面をくらってしまいます。心の準備ができていなければ、突然のフィードバックによって傷つき、信頼関係を壊してしまう可能性も。

そうならないために「フィードバックを行う目的」をきちんと説明しておくことが大切です。
「フィードバックは部下の成長のために行われるもの」であり、必要不可欠なものだと認識させるのです。

そうすれば、多少伝え方に難があっても、フィードバックそのものはすんなりと受けとめてもらえるでしょう。

また、あなた自身も「目的に即したフィードバック」を行う意識が働きやすくなるため、「実効性の高いフィードバック」が行えるようになるはずです。そう考えると一石二鳥ですね。ですから、「目的の共有」は、必ず行いましょう!

2-2.具体的に伝える

フィードバックを行う際には「具体的に伝える」ことを意識してください。

なぜならば、抽象的だったりぼんやりとしたフィードバックでは「実際にどのような行動改善を行ったらよいのかわからない」からです。結果的に、フィードバックが無意味なものになってしまうでしょう。

たとえば、以下のようなフィードバックを受けた場合、どちらがより参考になるでしょうか。

フィードバックA
「前よりも、プレゼン資料が分かりやすくなったと思うよ。しかし、お客さまの反応はイマイチだったね。もっとよくなるように工夫してみよう。」

フィードバックB
「前よりも、プレゼン資料が分かりやすくなったと思うよ。しかし、お客さまの反応はイマイチだったね。もしかしたら、1ページに盛り込む情報が多すぎるんじゃないかな?フォントも小さい気がする。24ポイントは必要だと思うよ。A先輩のプレゼン資料は参考になるはずだから、チェックしてみるとよいよ

当然のことながら、部下のパフォーマンスを向上させる実効性があるのはフィードバックBです。
伝えたいポイントがある場合、具体例を用いたり、参考になるソースを明示したりして、イメージが湧くように伝えてください。

2-3.スピーディに伝える

フィードバックは、気になったタイミングで即座に行ってください。

フィードバックを後回しにすると「フィードバックの効果」そのものが大きく損なわれるからです。
以下のようなデメリットがあります。

・部下は「自分の行動の何が誤りだったのか」思い出しづらくなる
・上司は「具体的にどのような点が誤りだったのか」正確に伝えづらくなる

人間は忘れる生き物です。フィードバックの実効性を高め、確実に行動改善を促したいならば、スピード感を持って即座にフィードバックしましょう。

2-4.「フィードバックサンドイッチ」は行わない!

フィードバックサンドイッチは、「ほめる」「改善点を伝える」「ほめる」というプロセスで行うフィードバック方法です。例えばこんな具合です。

フィードバックサンドイッチの例:
上司「この前のプレゼン、すごくよかったよ!とてもわかりやすかった」
部下「ありがとうございます!」
上司「でも、声がちょっと小さかったかな。もう少しトーンを上げて伝えた方がよいよ」
部下「わかりました」
上司「とはいえ、プレゼンそのものはわかりやすかったから、まあいいんじゃないかな」
部下「ありがとうございます!励みになります」

上記の通り、最後に「ほめる」ことで締めくくるのが最大の特徴です。
改善点を伝えることで受けるダメージを最小限に抑え、モチベーション低下を防止できるフィードバック方法だとされています。

しかし「フィードバックサンドイッチ」には大きなデメリットがあります。
それは「フィードバックの実効性が低くなる」という点です。

締めくくりで「プレゼンのわかりやすさ」を改めて褒めたたえていますから「声のトーンを上げた方がよい」という指摘のインパクトが薄れてしまうのです!
「プレゼンがわかりやすくてよかった」というポジティブなフィードバックしか印象に残らないでしょう。

これでは、フィードバックの効果がないも同然です。
フィードバックを行う際には、サンドイッチ方式で伝えず、伝えたいことを端的に伝えましょう。

2-5.実現可能なフィードバックを行う

フィードバックを行う際には「部下の能力に見合った実現可能なフィードバック」を行うよう、心がけてください。

フィードバックの要求レベルが、あまりにも部下の能力とかけ離れていたり、実現可能性の低いものだったりすると、いくら建設的な内容だったとしても、フィードバックの実効性は低くなってしまうからです。

具体例を用いて説明しますね。

【営業部に配属された新入社員の場合】

4月に営業部に配属されたばかりの新入社員を、1人前の営業マンとして活躍させたい場合。
要望を確実に聞き出す「ヒアリング力」や、心を通わせる「コミュニケーション力」などが求められるでしょう。

しかし、いきなり「お客さまと信頼関係を築いてこい」「要望を的確に掴んでこい」と畳みかけるのはNGです。

新卒は「どんな風にアプローチするのがベストなのか」イメージがわからないので、手も足も出なくなってしまいます。それこそ入社早々、モチベーションを低下させてしまうでしょう。

そういった場合には、現状の能力と照らし合わせて「部下の能力に見合っていて」「実現可能性が高い」フィードバックを行うことが大切です。

たとえば営業経験ゼロならば「今回の商談中は、常に笑顔を心がけよう」「次回は、声をワントーン上げてみよう」といった具合に、カンタンなワンポイント・フィードバックに留めておくといった具合です。

部下の能力に見合ったフィードバックならば、モチベーションを維持しながら、確実にステップアップしていけるでしょう。

以上の通り、フィードバックは「実現可能性」を十分に考慮してから行うようにしましょう!

2-6.フィードバックに基づいた行動ができているかチェックする

フィードバック後は「日々の行動チェック」も大切です。
どんなに有益なフィードバックを行っても、実際の行動に反映されていなければ、何の意味もないからです。

フィードバック後は、1にも2にも「行動の改善・正しい方向の努力を続けていく」ことが大切であり、「行動の変化」がもたらされることが何よりも重要だと認識しましょう。

行動改善が見られなければ、ときには上司として厳しく指摘することも大切です。
地道な作業の繰り返しになりますが、忘れず行動チェックしていってくださいね。

ここまでの記事を通して「絶対に押さえておくべきフィードバックの基本」がご理解いただけたのではないでしょうか。

続きまして「応用編」です。

基本を押さえたうえで、さらにフィードバックの効果を高めるためのポイントをご紹介したいと思います。

学術論文でも実証されている「効果絶大なフィードバック方法」ばかりですから、役立つこと間違いなしです。

基本のフィードバックと併せて押さえておけば、部下のパフォーマンス向上をすぐにでも実感できるでしょう。是非参考にしてみてください!

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