職場で円滑なコミュニケーションをとるには?改善方法や話題の具体例も解説

仕事をする中で、コミュニケーションに困ったことのある方は多いのではないでしょうか。円滑なコミュニケーションが取れなければ、大きなミスにつながる、信頼感のあるチームを形成できないなどの問題が起こります。しかし、どのように改善すればいいのか、何が問題なのかはなかなか掴みにくいものです。

この記事では、さまざまな効果を生み出す円滑なコミュニケーションについて、具体的な方法や話題の良い例・悪い例を紹介します。コミュニケーションにも種類があることや、企業としてできる環境づくりについても解説しています。ぜひ社内のコミュニケーションが円滑になるよう役立ててみてください。

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組織で円滑なコミュニケーションがもたらす効果

コミュニケーションの円滑さが仕事にも影響すると感じている人は多くいます。組織内のコミュニケーションを円滑にすることでさまざまな効果が期待できます。具体的に見ていきましょう。

生産性アップが期待できる

円滑なコミュニケーションにより連携がスムーズになり、効率的に業務が進むため組織の生産性アップにつながります。

コミュニケーションを取りやすければ、以下のようなメリットがあります。

・分からない点や曖昧な点を確認しやすい

・認識の齟齬を減らしやすい

・何をするかだけでなく、何のためにこの作業をしているのかまで汲み取れることもある

このように、指示や業務への理解が深まります。同じ人数や時間でも進められる仕事が増えたり、差し戻しが減ったりするため、生産性アップが期待できます。

組織のノウハウやナレッジを横展開できる

これまでに蓄積されたノウハウやナレッジは組織にとっての財産と言えます。組織は縦割りで組まれていることが多いため、ノウハウやナレッジは部門内では共有されていることが多いものです。しかし、部門間でコミュニケーションを取ることで、これらを横に共有できます。

部門が違っても「どのようにして成功したか」「どのような事例があるか」という事例は役に立つものです。これらを横展開し、最終的には全体で共有できれば、会社全体の組織力も強化されるでしょう。

経営理念や行動指針を浸透させやすい

コミュニケーションを円滑にすることで、社内にMVVを浸透させやすくなります。MVVとは組織の羅針盤のようなもので、以下の3つから成るとされています。

・Mission (使命)

・Vision(理想)

・Value(価値基準)

これらを従業員に浸透させることで、組織全体の足並みを揃えやすくなるでしょう。その中で、従業員である自分のポジションを把握し、どのような価値観に基づいてどのような行動をすべきかを理解できます。

MVVは会社の方向性を示すため、上司や上層部から部下へ伝えることが多くなります。日頃から縦のコミュニケーションを活発に行っている場合は、部下はMVVを受け入れやすくなるでしょう。

円滑なコミュニケーションを図るためにできること

円滑にコミュニケーションを行うにはどうすればいいか分からない方もいるかもしれません。ここではコミュニケーションの基本として、今すぐに実践できることを6つ紹介します。一つずつでもさっそく毎日のコミュニケーションに取り入れてみてください。

相手の話を傾聴する

コミュニケーションでは話し方を重視しがちですが、聞き方も同じくらい大切です。自分ばかり話していると、相手に「自分の話は聴いてもらえなさそう」と思われるでしょう。円滑な意思疎通を図るためには、自分が話すだけでなく、相手の話をしっかりと聞く必要があります。

相手の話を傾聴することで、話しやすいと思ってもらえるでしょう。その結果、相手の考えを引き出しやすくなります。それだけでなく、「この人は自分の話を聞いてくれる」という信頼感にも繋がるでしょう

非言語コミュニケーションに注意する

声のトーン・表情・身振り手振りなどの非言語コミュニケーションにも意識を向けましょう。これらは心理学的にも重要だと言われています。

相手に恐怖感や抵抗を抱かせるような話し方や態度では、相手に受け入れてもらいにくくなるでしょう。「メラビアンの法則」では、人間がコミュニケーションを行うときには、言葉そのものではなく非言語の情報からより多く判断を行っていると言われています。例えば、怒った様子で「ありがとう」と言われると、感謝の気持ちより「怒っているんだな」という印象の方が強くなってしまいます。

この点は話すときだけでなく、聞くときにも気を付けたいものです。耳では聞いているつもりでも、話す方を見ていなかったり別のことをしたりしていると、相手から「話を聞いてくれていないな」と思われてしまいます。非言語コミュニケーションは、癖などから意図せず出てしまうこともあるため、注意が必要です。

話題を準備しておく

時事ネタなどの共通の話題を持っておくと、話のきっかけになりコミュニケーションが取りやすくなります。業務上必要なことだけでなく、「アイスブレイク」として何気ない世間話をして打ち解けることも多くあります。自分の興味のあることについて詳しく知っておけば、相手への印象にもつながるはずです。有益な情報を提供できる場合もあるでしょう。

部下の言動を褒める

言動・仕事ぶりなどに注目して褒めることもコミュニケーションの一つです。褒めることは相手を認めることであると言えます。心理学者のマズローの「欲求5段階説」において、人は承認されたい欲求を持っているとされています。褒められて嫌な思いをする人は少ないでしょう。相手は「自分のことを見てくれている」と感じ、信頼感を得るきっかけになることもあります。

相手が嬉しい気持ちになれば、場の雰囲気も明るくなるでしょう。相手の良いところを会話のきっかけにすることも有効なコミュニケーション方法です。

上司は自己開示を心がける

自己開示をすることで、相手に自分がどのような人かを知ってもらえると、コミュニケーションしやすくなることもあります。相手に「何を話せばいいかわからない」という不安がある場合には特に有効です。

もちろん、自分ばかり話すのは好ましくありませんが、自分の話をまったくしなければ距離も縮まりにくいものです。自分がどのような人間かわかるように、適度にプライベートな話を織り交ぜてもいいでしょう。共通点が見つかれば、親近感を持ってもらえるかもしれません。

相手の意見を聞きたいときに、自分から考えを伝えることで、相手が話しやすくなることもあります。

PREP法を意識する

PREP法を意識して話すと、自分の言いたいことが相手に伝わりやすくなります。PREP法とは文章の型のひとつで、以下の順番で文章を作ります。

・Point(結論)

・Reason(根拠)

・Example(事例)

・Point(結論)

結論から伝えるため、要点を相手に理解してもらいやすくなります。根拠や事例がどう結論につながるのかもわかりやすいため、納得してもらえるでしょう。この方法は文章の構成方法ではありますが、会話でも有効です。あらかじめ内容を整理しておき、分かりやすく伝えましょう。

PREP法で考えると、自分の中でも伝えたい事項や情報が整理され、理解が深まる効果もあります。

コミュニケーションを取りやすい話題の例

コミュニケーションのポイントを押さえても、具体的にどのような話をすればいいか迷う方も多いでしょう。ここでは、上司や同僚とコミュニケーションを取りやすいおすすめの話題を3つ紹介します。

自社を選んだ理由

相手が若手社員であれば、自社を選んだ理由を聞いてみるのがおすすめです。どのような点に惹かれて入社したのかを知ることで、価値観や仕事感を知れるでしょう。

それをきっかけに自社について話すことで、外部から見た自社の思わぬイメージを知れるかもしれません。相手にとっても、自社をさらに理解できるでしょう。

尊敬する人や気になる上司

身近な上司や著名人など、尊敬する人について話すものいいでしょう。どのような行動や思い、ビジョンに共感するのかなどの価値観を知れます。

また、どのような人を目指したいのかというモチベーションにつながる話も聞けるかもしれません。気になる上司の意外な性格や好みなど、親しみやすくなるような話もできるでしょう。それをきっかけに、新たなコミュニケーションが生まれる可能性もあります。 

上司や同僚に勧めたい作品

おすすめの漫画やアニメ、映画、音楽なども、盛り上がる話題の一つです。自分の好きなことなら誰でも話しやすいものです。好きな作品が共通していれば親近感が湧き、それ以降も「あの漫画読んだ?」「あの曲聴いた?」といった話のきっかけになるでしょう。

どのような点に共感するのかなどの価値観を知ることにも役立ちます。気に入っている作品や好みに共通点があれば、お互いに親近感を持てるでしょう。

職場で会話が続きにくいNG話題

コミュニケーションは大切ですが、話題にしないほうがよいものもあります。会話が続きにくいものや、今後の関係性に悪影響を与える可能性のあるものもあるからです。ここで紹介する話題は避けてコミュニケーションを行いましょう。

同僚の悪口・陰口

誰かの悪口や陰口は不信感の原因になります。相手に「自分も言われているかも……」という不安や不信感を抱かせることもあるでしょう。

相手が悪口の対象の人に良い印象を持っている場合は、自分への反感につながりかねません。何も思っていない場合でも、対象の人への先入観を形成してしまいます。本人や周りの人の耳に入る可能性もゼロではありません。人から人へ伝わるうちに、自分が言っていないことまで伝わっていることもあります。

このように、悪口や陰口は職場の人間関係や雰囲気に悪影響を及ぼす可能性が高いものです。話す方も聞く方も気分のいいものではないため、他人の悪口や陰口は控えましょう。

仕事と関係ない自慢話

自慢話は多くの人にとって聞いていて気持ちの良いものではなく、反応に困るものです。仕事に関係のないことなら、なおさらその傾向は強くなります。

話す人が満足して終わることが多く、相手からは自己顕示欲の強い人だと思われる可能性が高いでしょう。話を聞く側は、暗に自分を下に見ていると感じることもあります。話す側にメリットがあっても、聴く側にあまりメリットはないため、自慢話は控えるようにしましょう。 

過剰な恋愛話

恋愛話は極めてプライベートなものであるため、職場ではあまり話したくない人も多いでしょう。同様に、同僚や上司のプライベートについても聞きたくないという人もいます。個人的に仲が良ければ話をすることもあるかもしれませんが、そこまで密な関係性がなければ避けた方がいい話題です。

あまり踏み込んで聞くとセクハラにもなりかねないため、過剰な恋愛話はしない方がいいでしょう。 

同僚が反応しづらい思想・信仰に関する話

思想や信仰は自由ですが、衝突の原因となることもあります。思想や信仰を否定すると、自分を否定されたと感じる人もいるからです。その結果、人間関係に軋轢を生むことがないとも限りません。相手にとっては価値観の押し付けになる恐れもあるため、政治や宗教に関する話題は避けたほうがよいでしょう。

仕事上のコミュニケーションの分類

会社におけるコミュニケーションは大きく3つに分類できます。コミュニケーションを取る相手との関係性によって、生まれる効果は異なります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

横のコミュニケーション

横のコミュニケーションは、同僚や部署内の従業員同士で行うものです。気軽に行いやすく、チームで働く場合に大きく影響します。横のコミュニケーションがスムーズであれば、連携しやすく業務の効率も上がります。良好な関係性を築ければ、お互いを認め合い、目標を共有して高め合う関係性が生まれるでしょう。

また、新入社員の場合も横のコミュニケーションは重要です。同時期に入社した同僚がいれば、「一緒に頑張ろう」という気持ちも生まれます。組織や部署に気のおける仲間が一人でもいれば、いない場合に比べてリラックスして業務に臨めるでしょう。

縦のコミュニケーション

縦のコミュニケーションは、上司と部下といった上下関係の中で行うものです。横のコミュニケーションと比べると取りづらいかもしれませんが、チームの統率のためには強化したいものと言えます。

日常的なコミュニケーションでは、業務を行う意味や指示内容の共有などが主なものです。認識を合わせると意思の疎通が取りやすく、チームや部署内に一体感が生まれるでしょう。ここに問題があると、上司が部下の問題に気付けないこともあります。

また、挨拶や世間話などの業務以外の気軽なコミュニケーションを行うことで、距離を縮められるでしょう。こうした基本的な関係性ができていれば、企業の理念や方向性を伝える場合にも共感してもらえる可能性が高まります。

全体のコミュニケーション

横・縦のコミュニケーションと同様に、企業全体のコミュニケーションも重要です。全員が同じ情報を共有して認識をすり合わせることで、全社一体となってビジョンに向かって進めるでしょう。会社の雰囲気や文化の醸成、生産性などにもつながります。

また、社員旅行や運動会など、レクリエーションを通したコミュニケーションもあります。普段接する機会のない従業員同士のコミュニケーションを促進できるでしょう。レクリエーションをきっかけに、他部署とのつながりを持つことが、業務のどこかで生きてくるかもしれません。

円滑なコミュニケーションを取るためのポイント

コミュニケーションは大切ですが、ただ会話をすればよいものではありません。ここでは、円滑なコミュニケーションを取るために、念頭に置いておきたいポイントをご紹介します。

ポジティブなことを共有する

コミュニケーションの内容は、後ろ向きなものよりも前向きなものの方が好ましいです。相手の良いところ、自分が試してみて良かったこと、新しい発見など、ポジティブなことを共有するようにしましょう。職場の雰囲気が明るくなり、職場が活性化するという効果があります。

アメリカのピーター・クライン氏が考案した「Good&new」と呼ばれる手法でも、その効果は実証されています。この手法では、数人のグループで「良かったこと」「新しい発見」を一人ずつ発表し、話し終わったら他の人は拍手するというものです。メンバーは意識的にポジティブなことを探すようになったということです。このような癖がつけば、相手の欠点よりも長所を探すようになり、ポジティブな雰囲気の職場づくりに役立つでしょう。

現在の進捗を共有する

今あるタスクや進捗を共有することも、コミュニケーションの一つです。「今どんな感じ?」と簡単な会話の中で気軽に確認するだけでも、お互いの進捗を把握できます。タスクの見落としに気付くこともあるでしょう。

聞かれた側は、相手に伝えるために自分の進捗を客観的に見る必要があります。業務の最中にいると自分がどれくらい進んでいるのか分からなくなることもあるため、自分の進捗を再確認することにもつながるでしょう。

ランチの場を利用する

仕事から離れたランチの時間もコミュニケーションに利用できます。業務の間は気が張っており、気軽に話しづらい雰囲気があるかもしれません。しかし、ランチタイムであればある程度肩の力を抜くことができ、コミュニケーションを取りやすくなる場合もあります。

ただし、ランチの時間は一人でゆっくりしたいという人もいるでしょう。ランチミーティングなどの機会を設ける場合や上司と部下など縦方向のコミュニケーションとなる場合は、部下の負担にならないような工夫も必要です。

本来の自分を隠さない

仕事とプライベートをはっきり分ける人もいますが、仕事においてもある程度は本来の自分を出すことも意識しましょう。周りの人にとっつきにくいイメージを持たれると、気軽なコミュニケーションも難しくなり、連携が取りにくくなる、必要な情報が入ってこない、という事態が起こるかもしれません。

仕事中の自分と本来の自分の垣根をできるだけなくすことで、自分から本音を打ち明けやすくなり、適度なストレス発散にもなるでしょう。さらに、周りの人も打ち解けて本音を話してくれることが増えると考えられます。

円滑なコミュニケーションを図るための環境づくり

コミュニケーションツールを導入する

コミュニケーションを円滑にするには適切なツールを使うことも役立ちます。具体的には、ビジネスチャットや社内SNS、web会議システム等が挙げられます。場所に縛られないコミュニケーションが可能となり、席が離れている場合やテレワークの場合にも有効です。

目的は、単なるコミュニケーションツールの導入ではなく、コミュニケーションしやすい職場を作ることです。例えば、組織の中で自分の考えを伝えることに恐怖心や羞恥心を抱く方もいるかもしれません。逆に「自分は組織に受け入れられている」と感じられていれば、安心して自分の考えを伝えられるでしょう。受け入れられていることを実感できる状態を「心理的安全性」と呼びます。

心理的安全性を高めるにはツールの活用が有効であり、Uniposのサービスもその一つです。Uniposでは、他の人への感謝や称賛の気持ちを気軽に投稿できる機能があります。オープンな投稿であるため、当事者以外からも称賛を受けられるため「役に立っている」「受け入れられている」と感じる機会が増えるでしょう。その結果、従業員が本来の自分を出しながら仕事ができるようになります。

心理的安全性については、こちらのリンクのお役立ち資料も参考にしてみてください。

https://unipos.me/ja/document-form-psychological-safety

ファシリテーションを実践する

会議を円滑に進めるための技術であるファシリテーションを実践することも、コミュニケーションを円滑にする方法の一つです。ファシリテーションでは、発言機会を平等にして広く意見を集め、1つの回答に導きます。

ファシリテーターを立てて、1つの議題について意見を出してもらい、みんなが納得する答えを出していきます。話しやすい雰囲気づくりも重要です。このようなコミュニケーションの場を設けることで各々が意見を出しやすく、自分の意見を持つきっかけにもなります。

チームビルディングを実施する

定期的にチームビルディングのための施策を行うと、従業員同士の交流が活発になるでしょう。チームビルディングとは、一人ひとりの能力を発揮して高いパフォーマンスの出せるチームを作ることです。そのためには、チーム内の関係を強化して現実的な目標を共有し、個々の適正に合わせた配属を行うことが大切です。

チームビルディングについては、以下の記事で詳しく解説しています。

https://media.unipos.me/team-building

まとめ

コミュニケーションは意思疎通のほか、心理的安全性や一体感・信頼感の形成にも役立ちます。さまざまな方向へのコミュニケーションを充実させることで、従業員の各々が前向きな意識を持てます。その結果、組織全体を強くすることにもつながるでしょう。

コミュニケーションに正解はなく、企業によってマッチする施策も変わります。従業員の性格なども影響するでしょう。企業としては、円滑なコミュニケーションを行いやすい環境や文化を醸成することが大切です。そのためにはツールの導入などの新しい試みを行うことも視野に入れておきましょう。