チームビルディングの方法|チームの成長段階によって方法は異なる

「どうやってチームビルディングを行なえばいいのだろう」
「理想のチームをつくるにはどうすればいいのか」
など、チームビルディングの方法がわからず調べている方は少なくないでしょう。

ずばり、理想のチームとなるまでには成長段階があります。そして、チームビルディングの方法は、この成長段階によって異なります。
チームビルディングには様々な方法論が存在しますが、「全く知識がない」「なにから手をつけたらいいかわからない」といった場合には、まずは、この成長段階に応じたチームビルディングの方法を掴むところからはじめるのが良いでしょう。

この記事では、

・そもそもチームの成長段階とは(1章)
・チームの成長段階別!チームビルディングを推進する方法(2章)

についてご紹介いたします。チームビルディングの方法について調べている方は、ぜひ参考にしてください。

1.チームビルディングの方法はチームの成長段階によって異なる!

「チームがどのぐらい成長している段階にあるか」チームの成長段階によって、チームビルディングを推進するためにやるべきこと(チームビルディングの方法)は大きく異なります。

 「できたばかりのチーム」と「ある程度、成熟しているチーム」との比較で考えてみると、わかりやすいかもしれません。
「できたばかりのチーム」と「ある程度、成熟しているチーム」とでは、チームの状態や抱えている課題が違うことは容易にイメージしていただけるのではないでしょうか。状況や課題が違えば、やるべきこと(チームビルディングの方法)が違うのは当然です。

とすると、チームビルディングの方法を探るうえで、まず明らかにすべきは「チームが現状、どのぐらい成長している段階にあるか」という点です。
アメリカの心理学者、ブルース・W・タックマンが提唱した[タックマンモデル]では、チームの成長段階は、

形成期
混乱期
統一期
機能期
散会期

5段階あるとしています。

[タックマンモデル]

形成期
Forming

初期段階。チームメンバーが決まり、チームが形成されたばかり。

[形成期のチームの特徴]
・チームメンバーは、お互いのことをよく知らない
・チーム内には不安や緊張感がある
・チームメンバーはお互いに遠慮があり、本音を隠している
・目標が定まっていない、もしくは、目標に向かってどう役割分担をして進めていくかが定まっていない
・リーダーに説明を求める
・リーダーからの指示を期待する

混乱期
Storming

チームで仕事をはじめると、考え方・主張・価値観・仕事のやり方などの違いが明らかとなり、メンバー同士の対立や衝突が起こる。

[混乱期のチームの特徴]
・本音の発言が出るようになる
・チームメンバーがそれぞれ独自のアプローチで目標に向かって動き出す
・チームメンバーそれぞれの役割や責任が明確になっていない
・メンバーの関心・意識は、チームの目標ではなく、各メンバーの行動や考え方に向きがち
・チーム内にヒエラルキーを気にする動きが生じる
・影響力の強いメンバーが他メンバーの意見をつぶしてしまうことも
・衝突を嫌う人も多いため、一見すると衝突していないように見えて内心不満を抱えている場合もある

統一期
Norming

チームメンバーがそれぞれの考え方・主張・価値観・仕事のやり方などを容認し、チーム内のルールが確立。チームが安定し、一体感が生まれる。

[統一期のチームの特徴]
・チームメンバーがお互いに考え方・主張・価値観・仕事のやり方などの違いを容認
・チームメンバーそれぞれの役割や責任が明確になる
・チーム内のルールが確立される
・これまで発言をしなかった人が発言するようになる

機能期
Performing

チームが一丸となって目標に向かい、成果を上げることができる。チームとして理想的な状態。

[機能期のチームの特徴]
・チームの成果が出る
・チームが一丸となって目標に向かっている
・チームメンバーは信頼関係を構築できている
・リーダーの指示がなくとも、チームメンバーは主体的に動く

散会期
A
djourning

 

 

プロジェクトの終了、状況の変化、チームメンバーの異動・退職などで、チームは解散を迎える。

[散会期のチームの特徴]
・一定の成果を出した結果、次に目指すべき方向性・やりたいことにズレが生じる
・昇進、異動・退職を考えるチームメンバーが現れる

上記の表を確認いただき、「チームが現状、どの成長段階にあるか」を確認してみてください。これからチームビルディングを考えているチームの場合、多くは形成期もしくは混乱期だと予想されます。

チームの成長段階を確認したところで、いよいよ下記2章にて、チームの成長段階別にチームビルディングの方法を解説してまいります。

2.チームの成長段階別!チームビルディングを推進する方法

この章では、チームの成長段階別に、チームビルディングの方法を解説いたします。
成長段階ごとに適切な方法でチームビルディングをすることが、確実にチームを成長させることにつながります。

2-1.形成期|お互いを知ることが重要

形成期から混乱期へとチームが成長するためには、チームメンバー同士がコミュニケーションを図り、お互いを知ることが重要になります。また、目標の共有も形成期にやるべきことの一つです。

◎形成期にオススメの施策

形成期には「お互いを知ること」を目的とした施策がオススメです。
具体的には
はじめに「決起会」や「キックオフ」などで、チームメンバー同士がコミュニケーションをとる機会を設けるのは有効です。お互いあまり知らないメンバー同士を組み合わせて、「他己紹介」や「ペアインタビュー」をするのも良いでしょう。簡単なルールで、力をあわせてクリアを目指すような「ゲーム 例)マシュマロ・チャレンジ」を実施するのもオススメです。

※マシュマロ・チャレンジとは、チームビルディングのためのゲーム。マシュマロ・乾燥パスタ・ひもなどを用いて、自立可能なタワーをたてるゲーム。最も高いタワーをつくったチームが優勝となる。
※情報出典:日本マシュマロチャレンジ協会
http://www.marshmallow-challenge-japan.org/

形成期にリーダーに求められること

  • リーダーが主体となって決起会を開催するなど、メンバーがお互いを知るためのきっかけをつくる
  • チームとして目指すべき目標をはじめ、ビジョン・ミッションを明示する

2-2.混乱期|対立や衝突を乗り越えるべし

混乱期を乗り越えるためには、対立や衝突を恐れず、考え方・主張・価値観・仕事のやり方などの違いについて議論し、チームメンバーがお互いの理解を深める必要があります。

混乱期の対立や衝突を避けてしまうと、お互いの理解を深めることができず、チームを成長させることができません。最悪の場合、不満が募り続け、チームの崩壊を招いてしまうこともあります。
対立や衝突を経験してはじめて、チームの結束力が高まり、混乱期を乗り越えることができるのです。

混乱期にオススメの施策

混乱期にはチームメンバーがお互いの考え方や価値観についてぶつけ合えるような施策がオススメです。
具体的には

対話(ダイアローグ)
混乱期には、「対話(ダイアローグ)」が有効です。対話(ダイアローグ)とは、お互いの理解を深めるための手法。自分の考え方や立場などに固執せず、意見を伝えあい、相互理解を深めることを目的としています。

[対話(ダイアローグ)の2つのポイント]
・ポイント小さいテーマではなく、大きなテーマを選ぶこと
小さいテーマの場合、知識量が多い人が対話の主導権を握ることになってしまう可能性があるため、たとえば「楽しく働くとは?」など、参加者全員が対等に対話できる大きなテーマを選ぶと良いでしょう。
・ポイント結論を出すことを目指さないこと
対話(ダイアローグ)の目的はあくまで相互理解です。そのため、ディスカッションのように結論を出す必要も、最終的に意見を集約する必要もありません。

外部研修
対話(ダイアローグ)は本音で対話することが重要ですが、なかなか本音で議論をするのが難しいという場合は、「外部研修」などを活用して、第三者のファシリテーター(進行役)を入れた施策を行なうのも一つの手です。

合宿
腰を据えてじっくり対話(ダイアローグ)ができるように、業務と離れた場で「合宿」をするのも良いでしょう。

混乱期にリーダーに求められること

  • チームメンバーのモチベーションを下げてしまう可能性があるため、対立や衝突をトップダウンで解決するのはNG。
  • 不平等を感じてしまうとチームやリーダーへの愛着が失われてしまうため、チームメンバー全員の意見に平等に耳を傾ける
  • チームメンバーがお互いに理解を深められるよう、各メンバーの能力や考え方などをさりげなく伝える。
  • チームメンバーがお互いに理解を深められるよう、コミュニケーションの場を設ける。(上記施策の対話や合宿など)

2-3.統一期|リーダーの手腕がチームビルディングを左右する

統一期から機能期へのチームビルディングの推進には、リーダーの手腕が大きく関係します。
チームの目指す方向性に問題ないか、チームメンバーが協力し合えるような関係性が築けているかなどをリーダーが細かく確認し、フォローすることが、チームの成長を促すことにつながります。

統一期にオススメの施策

チームビルディングを強く意識した施策は特に必要ありませんが、なにか施策をするならば、チームの雰囲気をよくすることを目的としたものが良いでしょう。
具体的には
例えば「BBQ」「お花見」など気軽に参加できるものがオススメです。その他、心身ともにリフレッシュができるバルーンサッカー、ボルダリング、カヌーなどのスポーツやアクティビティなどを実施するのも良いでしょう。

統一期にリーダーに求められること

  • チームメンバーの意見をもとに、役割分担やチームのルールを明確化する。
  • 例えばリーダーが各メンバーの仕事内容を紹介するなどして、チームメンバーがより深くコミュニケーションを図り、協力しあえる関係性が構築できるようサポートする。
  • チームメンバーが協力して業務を進行できているか細かいところまで常に確認し、何等か滞っている場合には、各メンバーにフィードバックするなどして、軌道修正する。
  • チームメンバーが出した結論に問題ないか、最終的な判断はリーダーがくだす。

2-4.機能期|チームとして理想的な状態

機能期は、チームは成熟し、協力して目標に向けて取り組むことができる理想的な状態です。リーダーが指導せずとも、チームメンバーは協力して課題を解決することができます。チームの力が十分に発揮され、成果が出ます。

機能期にオススメの施策

機能期もチームビルディングを強く意識した施策は必要ありませんが、統一期と同じくチームの雰囲気をよくすることを目的としたBBQやスポーツ、アクティビティなどの施策は有効です。(※2-3参照)

機能期にリーダーに求められること

  • 日常業務をはじめ、問題解決や意思決定にも細かな指示は出さない。メンバーに任せる。また、できる限りチームメンバーに権限を移譲することで、チームメンバーの主体性を伸ばす。
  • 業務に関わる場合も、リーダーとしてではなくイチメンバーとして業務を担う。
  • 機能期が持続するように、継続してチームメンバーとコミュニケーションをとりサポートする。

2-5.散会期|チームビルディングの終了

チームは解散。チームビルディングは終了となります。

散会期にオススメの施策

チームは解散となるため、特に必要な施策はありません。

散会期にリーダーに求められること

  • 今回の学びを次に活かすために、振り返りを行なう。

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まとめ

チームの成長段階別に、チームビルディングの方法を解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

まずは、「チームが現状、どの成長段階にあるか」を1章にて確認してみてください。そして、2章にて、該当する成長段階の箇所をチェックいただければ、これから必要となるチームビルディングの方法を掴んでいただます。

チームビルディングはしっかり段階を踏むことが重要です。形成期・混乱期・統一期を一つひとつクリアすることが、成果の出せる理想的なチームをつくることにつながります。

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